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地方財政ダッシュボード

栃木県矢板市の財政状況(2018年度)

🏠矢板市

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収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は、0.69であり、前年から0.1上昇した。類似団体と比較すると、比較的上位に位置している。しかし、人口減少の進展や、市内大手製造業の事業縮小等により、固定資産税をはじめ市税収入の不振が続いている。現状としては、財政力指数は横ばいの状況が続くものと思われる。今後は、事務事業の選択と集中により、需要額の抑制と併せて、子育て支援事業や企業誘致により若年層の人口の流出を防ぎ、税収増に努めていくほか、公共施設等の使用料の見直しや市有財産の売払いの推進により財源の確保を目指す。

経常収支比率の分析欄

前年と比較して、1.2ポイント改善した。類似団体平均値よりも0.6ポイント高い。昨年と比較して経常収支比率が改善した原因としては、一部事務組合への経常的な負担金の減少や、地方消費税交付金、地方交付税の増加、臨時財政対策債の増加によるものなどが要因として考えられる。今後は、定住人口、市税収入の確保に努め、さらなる歳出削減により改善を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

昨年度と比較して3,074円増加した。類似団体の中で6番目に低い額である。昨年度からの増加の要因としては、人件費においては人事院勧告実施に伴う職員給の増、物件費においては小学校給食事業委託料の増などによるものである。また、市内人口の減少(前年度比-566人)も増加要因として考えられる。今後とも、人口減少の傾向が続く一方で、老朽化した公共施設の維持補修等の増加が見込まれるため、人口一人当たり人件費・物件費等は増加傾向になると思われる。

ラスパイレス指数の分析欄

本市のラスパイレス指数は99.4と、類似団体平均に比べ1.7ポイント高い。人口当たりの職員数が類似団体平均を下回っているにも関わらず、ラスパイレス指数が同平均上回っている状況については、社会人経験者を採用していた期間や、新規採用を抑制した時期があり、経験年数階層内における職員の分布が若年層と比較すると中堅職員以上が大きく占め、そうした影響により平均給与月額が高くなったためと考えられる。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たり職員数については、前年度と比較して、0.18ポイント増加した。しかしながら、類似団体の中では少ない職員数となっている。災害発生の増加や、権限移譲等により業務量は増大しているが、21世紀矢板市総合計画で掲げた2020年職員数255人の目標指標に向け、行政サービスを低下させることなく、各種研修等を継続的に実施し、少数精鋭による職員配置を行っていく。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は、昨年度に比べて0.3ポイント減少した。これは、公営企業債の繰入や、公債費に準ずる債務負担行為に係るものの減少、及び臨時財政対策債発行可能額の増加によるものである。しかし、今後、大型公共事業に係る元金の償還が始まる見込みであるため、実質公債費比率は同水準、あるいは増加傾向を示すものと思われる。また、今後も老朽公共施設に係る建設事業等の起債財源に依存した事業も見込まれるため、計画的な起債事業の実施を図っていく。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は43.1であり、昨年度より3.2ポイント減少した。これは、一般会計・特別会計ともに地方債残高が減少し、また、土地区画整理事業の完了等により公営企業債への繰入が減ったことによる。今後、大型公共事業や老朽公共施設の建替え・改修等が見込まれるが、後年に過度な負担とならないよう中長期的な計画に基づき地方債の借入を行う必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、昨年度と同値であり、類似団体平均よりも1.1ポイント高い水準である。類似団体と比較して、人口当たりの職員数が少ない(上位である)にも関わらず、人件費に係る順位が中位であるのは、経常一般財源である市税収入が落ち込んでいることが要因と思われる。

物件費の分析欄

昨年度から0.4ポイント上昇した。類似団体平均に比べると高い値である。物件費の増については、直営から一部委託とした小学校給食事業委託料の増(+21,133千円)などが主な要因である。物件費を含む経常経費については、徹底した削減に取り組んでいるが、今後も事務事業の見直しや委託施設等の整理などにより一層の圧縮を図っていく必要がある。

扶助費の分析欄

扶助費については昨年度と比較して0.2ポイント減少したが、類似団体と比較して高い値である。扶助費の内訳では、減少傾向ではあるものの、生活保護費が類似団体に比べ29.6ポイント高いほか、温泉センターの維持補修等で社会福祉費の単独事業が子ども医療費助成の市単独分等で類似団体比62.4ポイント高いのが特徴的である。資格審査等の適正化や各種手当への独自加算等の見直しを進めていくことで、財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。

その他の分析欄

昨年度と同値であり、類似団体平均よりも高い値である。宅地造成事業の完了による繰上償還の繰出は終了したものの、ふるさと納税基金積立金の増加や(株)やいた未来設立出資金の増加などが要因となっている。今後については、社会保障費の増加が続く限りそれらに係る繰出金も増加が続くと思われる。

補助費等の分析欄

昨年度よりも1.3ポイント減少した。補助費で大きな割合を占めているのが、塩谷広域行政組合への負担金であるが、今年度は、次期環境施設建設費負担金が大幅に増えているものの、震災復興特別交付税による財源手当があったため、大幅な伸びにはつながらなかった。今後については、斎場の老朽化、災害の増加による常備消防、緊急医療等の機能強化が見込まれることから、補助費に係る経常収支比率は増加していくものと思われる。

公債費の分析欄

昨年度より0.1ポイント増加したが、類似団体平均よりも少ない値である。今後については、大型公共事業に係る起債の元金の償還が始まり、また、今後は老朽公共施設の維持補修等に係る起債事業が予定されるため、公債費は上昇するものと思われる。

公債費以外の分析欄

昨年度と比較して1.3ポイント減少したが、類似団体と比較して高い値である。扶助費や繰出金、塩谷広域行政組合への負担金等、義務的な経費の増加に加え、市税収入が十分に確保できない状況が続き、硬直化した財政運営が続いている。これまでも職員数の削減、物件費の圧縮等に取り組み、企業誘致や定住促進等により税収の確保に努めてきたが、今後も引き続き改善努力を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

歳出決算総額における住民一人当たりコスト44万6千円の内訳を目的別で見てみると、前年度に引き続き、民生費に係るコストが149,895円と最も大きく、歳出総額の1/3を超える割合を占めている。今年度は、社会福祉費、老人福祉費が減少した一方、保育施設整備補助事業補助などによる児童福祉費の増加が大きかった。次いで大きなコストは衛生費に係るコストで59,699円となった。これは、次期環境施設建設に係る一部事務組合負担金の増が主な要因である。3番目に大きい総務費については、ふるさと納税基金積立金の増により前年度比24.3%増の55,762円となった。なお、土木費については、スマートIC整備事業の本工事が始まったたものの、土地区画整理事業繰出金の減により前年度比7.8%増の46,312円にとどまった。教育費については、学校施設改修や文化会館改修費の減により減少となった。公債費については、任意繰上償還により増加、農林水産業費については、県営ストックマネジメント負担金の減により減少、消防費については、常備消防費負担金の増により増加となった。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり44万6千円となり、前年度に比べ4万8千円(12.1%)増えた。これらのうち大きなウエイトを占めているのは、補助費等であり、住民一人当たり88,922円と、前年度比62.7ポイントと大幅増となった。次期環境施設建設のための一部事務組合負担金が主な要因であり、次年度以降は減少に転ずると思われる。次に大きいのは扶助費であり、住民一人当たり86,729円で前年度比2.7%の増となった。主な要因としては、施設型等給付費の増が挙げられる。人件費については、職員数の増減はないものの、人事院勧告実施に伴い、給料及び期末勤勉手当が増加している。物件費のコストは一人当たり49,897円となり、類似団体と比較しても低い順位であるが、今後も経常費用の削減に努める。その他、繰出金は区画整理事業への繰出金が無くなったことにより前年度比5.6%減の48,525円、普通建設事業は47,551円で、前年度比3.7%の減、公債費は、任意繰上償還があったため前年度比11.2%増の39,387円であった。逆に、維持補修費に係る一人当たりコストは1,423円と、類似団体の中で最も低い部類の値であった。老朽化が進んだ公共施設等が多いことから、今後は、維持補修費に今まで以上に予算配分が必要になると思われる。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

実質収支額は増となり、実質単年度収支は黒字に転じた。しかしながら、財政調整基金の残高は、5.89ポイント減少した。大幅に予算規模が増えたふるさと納税に対応したのが主な原因ではあるが、毎年、当初予算編成に際しては財政調整基金の繰入金が不可欠となっていることから、事務事業の見直しをゼロベースで行って予算規模のスリム化を図り、財政調整基金残高の確保を図ることが当面の大きな課題となっている。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

昨年度に引き続き、全ての会計において黒字決算となった。水道事業会計については、一般会計からの繰入金に依存することなく経営できている。それぞれ実質収支額の大きいものを見ていくと、一般会計が約8億2,900万円、水道事業会計が4億5,800万円、介護保険特別会計が9,600万円、国民健康保険特別会計が8,500万円等といずれも黒字決算となっており、連結実質黒字額は増加となっている。なお、一般会計においては、扶助費や医療・保険系特別会計への繰出金、更新時期を迎えている老朽公共施設への投資的経費への対応等により歳出決算規模の拡大が予想されるため、実質黒字額の減少が危惧されるところである。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

本年度においては、債務負担行為に基づく支出額や公営企業債の元利償還金に対する繰入金が減少したが、片岡地区市街地整備事業や学校耐震化改修等の大型公共事業に係る起債の据置期間経過による元金償還の開始により、元利償還金は今後増加していくものと思われる。また、塩谷広域行政組合において次期環境施設の建設が行われていることから、組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金の増額も予想される。起債に関しては、財源措置のある有利な借り入れを積極的に活用し、世代間公平負担の趣旨にのっとり、後年に対して過度な財政負担とならないよう努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

将来負担額については、減少傾向で推移しているが、今後は老朽公共施設の維持や改修等の起債を財源とした事業が見込まれ、地方債の現在高は増加傾向となる見込みである。退職手当負担金については、職員数の削減により、ここ数年は横這いもしくは減少傾向となる見込みである。一方の充当可能財源であるが、使用料改定や市有財産売払い等により新たな自主財源の確保に努めているところである。今後増加が予想される将来負担額に対しては、実施事業の適正化を図り、有利な借り入れや基金の有効活用等により後年を見通した健全な財政運営に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)H28は、基金全体の残高合計が2,304百万円であり、うち財政調整基金は取り崩しにより全体の49.7%に減少した。特定目的基金は、前年度比25.6%増の899百万円となり、うち、ふるさと納税基金が前年度比3倍増の175百万円となり、庁舎整備のため新たに造成した庁舎等整備基金に100百万円積み立た。H29は、基金全体の残高合計が前年度比3.3%増の2,381百万円であり、うち財政調整基金は全体の48.2%に減少した。特定目的基金は、前年度比8.2%増の973百万円となり、うち、ふるさと納税基金が前年度比32%増の231百万円、庁舎等整備基金が前年度比30%増の130百万円となった。H30は、基金全体の残高合計が前年度比16.0%減の1,999百万円であり、うち財政調整基金は全体の35.0%に減少した。特定目的基金は、前年度比16.4%増の1,133百万円となり、うち、ふるさと納税基金が前年度比64%増の378百万円、新たに造成した子ども未来基金が45百万円となった。(今後の方針)財政調整基金については、予算額の1%程度を目標に積み立て、特定目的基金については、庁舎等整備基金は5億円を目標に積み立て、ふるさと納税は次年度以降減少が見込まれることから充当が必要な事業を選んで取崩を行い、その他の基金については、基金の趣旨に該当する事業に随時取り崩していく。なお、公共施設整備基金については、公共施設等総合管理計画との関連付けを検討していく。

財政調整基金

(増減理由)H28は、震災復興特別交付税返還金等に256百万円を取り崩し、年度末残高1,146百万円となった。H29は、不用額の補正減を積極的に行い、当初繰入見込(-457百万円)から積立(2百万円)に転じ、年度末残高1,148百万円となった。H30は、年度末時点で歳出超過となったことから、450百万円弱の取り崩しを行い、年度末残高699百万円となった。(今後の方針)財政調整基金は、当初予算編成及び年度間調整に必要不可欠な基金であるため、予算規模の1%程度を目標に次年度以降は積極的に積み増しを行う。

減債基金

(増減理由)H28~H29については、不用額の補正減を積極的に行い、当初繰入見込(-60百万円)から利子積立に転じた。H30については、任意繰上償還に対応するため、93百万円を取り崩してその財源に充てた。(今後の方針)やむを得ない事情による繰上償還等に対応するため、現状規模の金額を保持していく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・交通施設整備基金:交通施設の整備に要する経費に充てるための基金。・ふるさと納税基金:ふるさと納税制度を活用し、魅力あるまちづくりを推進するための基金。・公共施設整備基金:公共施設の整備に要する経費に充てるための基金。・庁舎等整備基金:庁舎等の整備に要する経費に充てるための基金。・子ども未来基金:子育て支援に要する経費に充てるための基金。(増減理由)・交通施設整備基金:(積立)無(繰入)H28~30スマートIC整備事業(H2830百万円、H297百万円、H3041百万円)、H30道路新設改良事業14百万円・ふるさと納税基金:(積立)H28175百万円H29157百万円H30386百万円(繰入)H28~30各種事業へ充当(H2858百万円、H29102百万円、H30239百万円)・公共施設整備基金:(積立)利子のみ(繰入)無・庁舎等整備基金:(積立)H28100百万円H2930百万円H30利子のみ(繰入)無・子ども未来基金:(積立)H3045百万円(繰入)無(今後の方針)・交通施設整備基金:交通施設事業への随時充当を予定。積立予定なし。・ふるさと納税基金:充当事業を精査し、寄附者の充当希望先へ随時充当を予定。・公共施設整備基金:文化会館改修事業への充当を予定。今後は公共施設総合管理計画との関連付けを検討。・庁舎等整備基金:庁舎整備に向け、当該年度末時点で可能な限り積み立てを予定。・子ども未来基金:年45百万円の積立を継続的に実施。子育て支援に要する事業へ柔軟に対応。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本市の有形固定資産減価償却率は、前年度から1~2ポイント増加する傾向にあり、いずれの年度も類似団体平均値を上回っている(平成28年度正しい値は60.9%)。これは、公共施設等の老朽化が毎年進行していることを示しており、利用者の安全確保の観点から、施設更新を速やかに進める必要があることを示唆している。本市においては、平成28年度に公共施設等総合管理計画、平成29年度に同再配置計画を策定しており、今後もこの計画に沿って施設等のマネジメントを進めることになる。

債務償還比率の分析欄

本市の平成30年度における債務償還比率615.1%(類似団体比-90.7pt)は,平成29年度の638.9%から23.8ポイント減少している。これは、近年の新規地方債発行額が、同一年度中の元金償還額を下回っていることや、とちぎフットボールセンターの整備方針の変更に伴う地方債の繰上償還を平成30年度に実施したことなどにより、地方債現在高が減少した結果と思われる。しかしながら、矢板北スマートIC整備や塩谷広域行政組合のエコパークしおや建設などの大型公共事業による新規地方債を発行していることから、今後債務償還比率は増加に転じると見込まれる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

本市の平成30年度における将来負担比率43.1%(類似団体比△9.1pt)は、平成29年度の46.3%から3.2ポイント減少しており、将来の負担は改善傾向にあるが、矢板北スマートIC整備や塩谷広域行政組合のエコパークしおや建設などの大型公共事業による新規地方債を発行していることを考慮すると、将来の負担については今後も注視していく必要がある。一方、本市の有形固定資産減価償却率は、前年度から1~2ポイント増加する傾向となっており、今後も計画的に施設等のマネジメントを進めていく必要がある(平成28年度における有形固定資産減価償却率の正しい値は60.9%)。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

本市の平成30年度における将来負担比率43.1%(対類似団体比△9.1pt)は、平成29年度の46.3%から3.2ポイント減少しており、将来の負担は改善傾向にある。また、本市の平成30年度における実質公債費比率9.1%(対類似団体比△0.4pt)は、平成29年度の9.4%から0.3ポイント減少しており、同様に改善傾向にある。しかしながら、矢板北スマートIC整備や塩谷広域行政組合のエコパークしおや建設などの大型公共事業による新規地方債を発行していることを考慮すると、将来の負担及び実質公債費比率については今後も注視していく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

インフラについては、道路の有形減価償却率が平成29年度から平成30年度にかけて1.2ポイント増加し、橋りょうの有形固定資産減価償却率が平成29年度から平成30年度にかけて8.5ポイント増加した。橋りょうの増加については、近年は橋りょうの新設工事よりも維持補修関連工事の方が多い状況にあることが反映された結果であると思われる。インフラの整備・更新については今後も、計画に沿ったマネジメントを行う必要があるといえる。施設については、保育所、学校施設、児童館、公民館においては、新たな施設整備がない状況であり、有形固定資産減価償却率が類似団体の平均値よりも大幅に上回る状況が続いている。人口が減少し続ける中、これらの施設の更新を検討する際には、公共施設等再配置計画に基づき、廃止を含めた再配置を進めていかなければならない。公営住宅においては、一人あたり面積が類似団体の平均値よりも大きく、適正規模に是正する観点から、公共施設等再配置計画に基づき、一部建物について除却を進めていく予定である。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

平成29年度に農業者トレーニングセンターの改修工事を実施した体育館・プール、同年度に文化会館の改修工事を実施した市民会館においては、有形固定資産減価償却率の増加に歯止めをかけることができたが、効果は一時的・限定的であり、施設全体としては、新たな施設整備がない状況であり、類似団体の中でも施設の老朽化が進んでいる実態が顕在化している。これらの施設の更新を検討する際には、多額の財政負担が必要となることから、公共施設等再配置計画に基づいたマネジメントに沿って、廃止や集約化・複合化などによる適正管理を粛々と進めていかなくてはならない。特に、庁舎については、老朽化が有形固定資産減価償却率が著しく高く、なおかつ防災拠点としての役割があることから、施設更新への検討が急務である。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から1,353百万円の減少(△2.3%)となった。金額の変動が大きいものは事業用資産であり、減価償却による資産の減少(△805百万円)が主な理由である。水道事業会計、介護保険特別会計等を加えた全体では、資産総額は前年度末から1,286百万円減少(△1.9%)し、負債総額は前年度末から320百万円減少(△1.7%)した。矢板市農業公社、栃木県後期高齢者医療広域連合等を加えた連結では、資産総額は前年度末から795百万円増加(+1.1%)し、負債総額は前年度末から236百万円減少(△1.2%)した。資産のうち固定資産は、塩谷広域行政組合におけるエコパークしおや建設に伴う建設仮勘定の増加などにより、910百万円増加した一方、流動資産は財政調整基金残高の減少などにより、115百万円減少しており、前年度に比べ、資産の構成が大きく変化した。なお、平成30年度から第3セクターである株式会社やいた未来が連結対象となったことから、当該団体の資産総額(37百万円)、負債総額(3百万円)が単純増となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は13,816百万円となり、前年度比732百万円の増加(+5.6%)となった。そのうち、人件費等の業務費用は6,295百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は7,521百万円であり、移転費用の方が業務費用よりも多い。塩谷広域行政組合のエコパークしおや建設に係る負担金の影響で、補助金等(3,387百万円、前年度比+34.3%)が最も大きく、次いで社会保障給付(2,823百万円、前年度比+2.9%)となり、両者で純行政コストの46.7%を占めている。補助費等は来年度以降は減少すると思われるが、社会保障給付の増加傾向は続くことが見込まれるため、事業の見直しや介護予防の推進等により、経費の抑制に努める。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が705百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が5,781百万円多くなり、純行政コストは6,090百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が691百万円多くなっている一方、人件費が809百万円多くなっているなど、経常費用が8,712百万円多くなり、純行政コストは8,022百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(12,249百万円)が純行政コスト(13,288百万円)を下回ったことから、本年度差額は1,039百万円(前年度比+610百万円)となり、純資産残高は1,067百万円の減少となった。企業誘致や定住促進、子育て環境の充実などの施策により税収等の増加に努める。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が2,495百万円多くなっているが、本年度差額は△938百万円であり、純資産残高は967百万円の減少となった。連結では、栃木県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が10,148百万円多くなっているが、本年度差額は1,087百万円であり、純資産残高は1,031百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は860百万円であったが、投資活動収支については、スマートIC整備事業や、認定こども園整備補助事業などを行ったことから、△188百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、△287百万円となったおり、本年度末資金残高は前年度から385百万円増加し、860百万円となった。今後は、公共施設等の使用料の見直しなど、自主財源確保策を検討し、資金収支の改善を目指す。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることから、業務活動収支は一般会計等より330百万円多い1,190百万円となっている。投資活動収支では、水道管の老朽化対策事業を実施したため、△592百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、△261百万円となり、本年度末資金残高は前年度から337百万円増加し、1,541百万円となった。連結では、業務活動収支は一般会計等より1,616百万円多い2,476百万円、投資活動収支では、塩谷広域行政組合におけるエコパークしおや建設に着手したことにより△1,950百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、△167百万円となり、本年度末資金残高は比例連結割合変更に伴う差額(△3百万円)をあわせ、前年度から357百万円減少し、1,918百万円となった。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は174.4万円であり、類似団体平均より26.1万円(13.0%)少ない。また、前年度比△1.1万円(△0.6%)と減少傾向が続いている。要因として、全体的に老朽化した施設が多いものと考えられる。歳入額対資産比率については、過去2か年は類似団体平均を上回っていたが、平成30年度は下回る結果となった。有形固定資産減価償却率については、類似団体より高い水準にあり、また前年度より1.7ポイント上昇しており、施設の老朽化が進んでいることが示唆される。今後も公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、統廃合や計画的な長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均より高い。しかしながら、昨年度と比べ0.1ポイント減少していることから、将来世代が利用可能な資源を残すため、行政コストの削減に努める。将来世代負担比率は、類似団体平均値よりも低い。最近3か年では、地方債残高が減少しているが、スマートICの整備など大規模公共事業の実施により、将来的には地方債残高の増加が見込まれるため、当該比率については今後も注視する必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストについては、過去2か年は、類似団体平均を下回っていたが、平成30年度は上回る結果となった。昨年度に比べ2.6ポイント上昇しており、増加傾向が顕著であった。人口減少が進む一方、社会保障給付経費の増加に歯止めがかからない現状では、今後も住民一人当たりの行政コストは上昇することが予想される。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を下回っている。今後とも、将来負担を減らすため、健全な財政運営に努めていく。基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を下回ったため、387百万円となっている。業務活動収支が大きく伸びているのは、ふるさと納税寄附金の収入が過去最高(386百万円)であったことなどが要因である。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行してスマートIC整備事業や、認定こども園整備補助事業など、必要な整備を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっているが、エコパークしおや建設に伴ってピークを迎えた、一部事務組合負担金が経常費用を引き上げた結果、比率は増加傾向を示している。今後は、公共施設等の使用料の見直しを行うとともに、公共施設等の利用回数を上げるための取組を行うなどにより、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,