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地方財政ダッシュボード

岩手県雫石町の財政状況(2018年度)

🏠雫石町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

類似団体平均を下回っているものの岩手県平均を上回っている。町税については、固定資産税の減少などを起因に前年度対比-1.6%となっているが、基準財政需要額に算定される地域経済・雇用対策費が皆減となったことから、財政力指数は前年度より微増となっている。滞納整理等の取組みによる町税収納率の向上(町税収納率:平成27年度95.5%、平成28度95.7%、平成29度95.9%、96.0%)に加え、ふるさと納税制度による寄附金収入がある程度定着化してきたことにより、自主財源が増加し、このことからも、財政力指数が改善傾向にある。今後も滞納整理や臨戸徴収と併せて、町税等自主財源の収納率向上に向けた体制の強化を図る。

経常収支比率の分析欄

類似団体、また、全国及び県内市町村平均よりも上回っている。歳出面において、平成25年の大雨災害の災害復旧事業に対応するために発行した町債の償還金により公債費が増加しており、さらに、人件費の増加により経常経費が増加した。その他の経常経費の削減に努めるとともに、歳入面において、税収以外にも使用料等の自主財源の確保に努め、経常収支比率上昇の抑制を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

県内市町村平均、類似団体、全国平均を決算額で上回っている。これは、類似団体等と比較し、人件費については、職員数が多い(学校給食が自校方式の小学校(5校)および中学校1校を有する、また町立診療所を有する)こと、物件費については、施設(火葬場及び墓地公園などの衛生施設、温泉などの保養・観光施設、運動公園のほかクロスカントリースキー場などの体育施設)の管理に経費を要することが主な要因である。また、町立診療所が「一般行政目的上運営している診療所」と位置付けられ、当該会計が普通会計に区分されたことで、平成22年度から決算額が増加している。小学校の統合が終了し、その他の施設の統廃合も含め、人材マネジメントプランや事務事業評価を推進し、経費の削減に取り組む。

ラスパイレス指数の分析欄

県内市町村平均、類似団体、全国平均を指数で下回っている。これは、昇格、昇給等の基準を厳格化していることが主な要因である。前年度から上昇した要因は、行政職(一)級別職務分類表の職務の内容を見直したことによる。平成28年度から人事評価システムを導入ており(平成27年度試行、平成28年度本格施行)、職員能力・実績を重視した給与体系への転換を図り、引き続き給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体、全国及び県内市町村平均を上回っている。学校給食が自校方式で小学校5校(統合前は10校)、中学校1校を有すること、また町立診療所を有することが、職員数が超過している主な要因となっている。また、人口の減少が、相対的に人口千人当たりの職員数が増加する要因となっている。職員の定員管理については、計画期間が平成27年度から平成31度までの第3次人材マネジメントプランを検証し、令和2年度からの第4次プランにおいても一層推進することとする。また、類似団体との比較や近隣町村との均衡、職員構成の推移等を勘案しながら、公共サービスのあり方、各施設の管理のあり方についても総合的に検討を行い、計画的な人事採用を行う。

実質公債費比率の分析欄

類似団体及び県内市町村平均を比率で下回っている。単年度の実質公債費比率は、平成27年度9.5%、平成28年度7.7%、平成29年度6.0%、平成30年度6.4%と推移している。市町村民税法人割の減等により、標準税収入額、標準財政規模の減少で、単年度としての比率は上昇したが、三年平均では、平成27年度の比率が高かったため、結果として減となった。今後も事業自体の必要性を十分に検討し、地方債の発行と償還のバランスに留意しながら、公債費負担の減少に努める。

将来負担比率の分析欄

類似団体、全国平均を比率で上回っている。将来負担額については、算定根拠の分子の一つの地方債現在高が増加しており、増の要因の主なものの一つが、御所小学校体育館整備事業等に係る学校教育施設整備事業債(235,700千円)の発行である。さらに、計算の分母の一つである標準財政規模は減少しているため将来負担比率は増加している。今後も、公営企業も含め、地方債の発行と償還のバランスに留意しながら、将来負担の減少に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

全国平均と比較し比率で下回ったものの、類似団体及び県平均との比較では上回っている。これは、町立診療所の会計区分が平成22年度より普通会計となったことで、人件費に相当する経常収支比率が増加したことが主な要因である。今後も第3次人材マネジメントプランを総括を総括検証しながら、令和2年度を始期とする第4次プランに基づく適正な職員の定員管理に努める。

物件費の分析欄

類似団体等平均、全国平均、県平均いずれも比較して下回っている。物件費の大半を占めている委託料について、労務単価等の増加により、高止まり傾向が続いている。今後も一層、民間による公共サービスが可能な業務を明確化し、外部委託の検証をしながら、受益者負担の原則による適切な使用料等のあり方を検討していく。

扶助費の分析欄

全国平均及び県平均と比較し比率で下回ったものの、類似団体との比較では上回っている。扶助費の主な構成要素しては保育所運営費が上げられる。また、18歳までの子どもの医療費を無料化する安心子育て医療費助成(一般財源17,716千円)が主な構成要素である。また前年度からの増加要因としては、新規事業の在宅子育て応援給付金(6,630千円)等がある。今後も増加傾向にある扶助費については、給付内容等を精査し、支出の抑制に努める。

その他の分析欄

類似団体、全国平均及び県平均と比較し比率で上回っている。これは、国民健康保険や後期高齢者医療、介護保険に係る繰出金において、医療体制が充実し、高度医療が享受できる県庁所在地圏内に位置することで医療給付費が高水準で推移していることが主な要因であるほか、平成28年度からはふるさと納税による寄附金を一旦基金に積立てることとしたため、積立金が増加したことによるもの。また、町内の施設が老朽化し、修繕箇所が増加してきていることから維持補修費の増も要因としてあげられる。今後も更なる繰出金の増加が見込まれるが、給付費負担等を抑制する介護予防事業や各種保健活動により一層力を入れていく。

補助費等の分析欄

類似団体等平均、全国平均、県平均いずれも比較して上回っている。補助費等に係る要因としては、滝沢雫石環境組合負担金や広域消防組合負担金、企業会計への負担金等が上げられる。今後も、単独の補助交付金については、補助率や終期の設定等の基準を見直しながら、補助団体の活動内容や補助目的等を十分に精査していく。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、前年度から同規模で推移しているが、類似団体等平均、全国平均、県平均いずれも比較して下回っている。これは、平成16年度以降、事業の必要性を十分に検討して、地方債の借入額を抑制してきたことによる。しかし、平成25年度に発生した大雨災害に係る災害復旧事業に対応するために多額の地方債を発行しており、平成28年度から元金償還が開始されたことにより、比率は増加し、類似団体との差が小さくなっている。今後は小中学校の大規模改修等に伴う起債の償還が開始されることから、一層、地方債の発行と償還のバランスに配慮していく必要がある。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は、類似団体、全国平均及び県平均と比較し比率で上回っている。補助費、その他が類似団体等平均を上回っており、単独の給付事業を実施していることと医療給付費が高水準で推移していることによる繰出金の増加が主な要因である。また、類似団体と比較して保有する施設数が多いため、多大な管理経費、維持補修経費が増となっていることが要因である。今後は、在るべき住民サービスの視点に立ち、施設の統廃合も含めた行政経営の合理化を図りながら、各種経費の削減に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・総務費は、住民一人当たり78,770円となっており、前年度と比較して5,759円減少している。これは、七ツ森交流拠点施設整備工事が前年度で完了したことなどによる。・民生費は、住民一人当たり143,296円と目的別歳出では最も高い。少子高齢化が進む中、社会福祉に関する民生費は高止まり傾向となっている。・衛生費は、住民一人当たり69,676円となっており、類似団体平均、全国平均、県平均いずれも上回っている。これは、町立診療所が「一般行政目的上運営している診療所」と位置付けられ、当該会計が普通会計(衛生費)に区分されたことで、平成22年度から決算額が増加したことによるものである。また、塵芥処理に関する一部事務組合設立に伴い、平成23年度より当該施設整備の地方債を負担することとなり、組合負担金が増加したことも、類似団体を上回っている状況に繋がっている。・教育費は、住民一人当たり84,179円となっており、前年度と比較して12,669円減少している。これは、雫石中学校のスーパーエコスクール事業が前年度で完了したことによる。・災害復旧費が、住民一人当たり21,934円となっており、前年度と比較して15,670円増加している。これは、平成29年に発生した大雨災害への対応工事が要因となっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・歳出決算総額は、住民一人当たり621,219円となっている。・維持補修費は住民一人当たり24,029円となっており、類似団体と比較して一人当たりコストが高い状況となっている。これは、小中学校6校を有すること、火葬場及び墓地公園などの衛生施設、温泉などの保養・観光施設、運動公園のほかクロスカントリースキー場などの体育施設の維持管理に経費を要することが主な要因である。・普通建設事業費は住民一人当たり51,150円となっており、前年より大幅な増となっているのは、屋内運動場建設等の学校施設・放課後児童クラブ等の新規整備、コミュニティ消防センター新規工事、体育施設の整備工事等が主な要因である。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

平成29年度については、除雪経費や普通建設の増により財政調整基金残高が大きく減少し、実質単年度収支についても、歳計剰余金の積立て(111,014千円)を上回る取崩し額(390,332千円)となったため、標準財政規模に占める割合では、前年度より3.02ポイントの減となった。平成30年度については、除雪経費(道路除排雪委託料)が前年度に比較して97,437千円減少し、財政調整基金の取り崩しも大幅に減少した。実質単年度収支についても、歳計剰余金の積立て(101,656千円)が取崩し額(10,000千円)を上回ったため、標準財政規模に占める割合では、前年度より6.07ポイントの増となりプラスに転じている。今後も評価に基づき事務事業を見直し、健全な行財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

総計として黒字額で対前年度比増となっており、赤字額はいずれの会計も該当はない。また、その他会計について、国民健康保険特別会計、介護保険事業勘定特別会計、介護サービス事業勘定特別会計、下水道事業会計は、例年、一般会計より財源補てん的な繰出しを受けていることから、赤字額の発生には至っていない。各会計への繰出しは、一般会計において中期的な財政見通しに含まれる経常的な支出となっており、各会計毎に独立採算の原則に立ち、経営状況を個別に判断の上、財源補てん的な繰出金の圧縮に努めなければならない。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

実質公債費比率の分子は、前年度を上回っている。組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等については、滝沢雫石環境組合の一部償還が終了したことにより減少している。一方、元利償還金については、H30年度から、中学校武道場新設に対応する学校教育施設等整備事業債の償還が開始されたことなどから増加している。災害復旧事業債の償還は10年間続き、さらに、小学校の大規模改修工事に係る起債に伴い、今後一層、公債費が増加する見込みであるため、地方債の発行と償還のバランスに留意しながら、公債費や公債費に準じる経費の減少に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

将来負担比率の分子は、前年度を若干上回っている。一般会計等に係る地方債の現在高は、大雨災害に対応するために発行した起債や、中学校スーパーエコスクール事業の多額の起債発行があったことにより増加傾向である。一方、債務負担行為に基づく支出予定額、組合等負担等見込額、退職手当負担見込額は、減少傾向であるが、公営企業債等繰入見込額が前年度より増加したことにより、将来負担額全体としては前年度より増加している。また、充当可能財源等のうち充当可能基金は、財政調整基金を積み立てたことにより増加しているほか、基準財政需要額算入見込額も増加し、充当可能財源等全体としても前年度より増加している。今後も世代間の負担の公平化と公債費負担の中長期的な平準化の観点から、将来負担の減少に努める。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)基金全体としては、前年度対比で77,000千円の増となっている。減債基金と特定目的基金については大幅な増減はなく、財政調整基金について積立額が取崩し額を上回ったため全体として増となっている。(今後の方針)財政調整基金と減債基金を合わせた金額は、約18億円となっているが、当町の規模であれば、20億円程度が必要であると捉えている。大規模災害などが発生した場合、一定金額の基金がないと対応できないことが見込まれるため、経常経費の抑制などに努め、平成28年程度の規模までの積戻しを目指す。

財政調整基金

(増減理由)財政調整基金については、前年度に比べ92,000千円ほど増額となっている。主な要因としては、前年度に比較して除排雪費用が大幅減となったことなどによる。(今後の方針)小中学校の大規模改修工事等の多額の経費を要する事業が一段落し、また、令和2年度で防災行政無線デジタル化事業が終了することから、今後は、経常経費の抑制などに努め、大規模災害などが発生した場合に備え、平成28年程度の規模までの積戻しを目指す。

減債基金

(増減理由)近年は、不足な事態に対応できるよう毎年20,000千円の積立を行っていたが、H30年度は、4,275千円の取り崩し行ったのみで、積立はしていない。(今後の方針)財政状況次第ではあるが、可能であれば積立を行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)1.町営住宅建替推進基金H28年119,820千円、H29年119,482千円、H30年119,862千円2.定住促進住宅維持管理基金H28年97,956千円、H29年106,669千円、H30年103,500千円3.公共施設等整備基金H28年78,287千円、H29年78,302千円、H30年56,515千円4.ふるさと雫石応援基金H28年0千円、平成29年37,261千円、H30年52,394千円(寄附者の意向に従い、子ども子育て、環境保全、産業振興、健康事業等に活用)5.町有林造成基金H28年22,283千円、平成29年17,287千円、H30年16,869千円(増減理由)ふるさと雫石応援基金については、子ども子育て事業の一環として行う給食費半額助成の財源としている。その他、大幅な増減はない。(今後の方針)定住促進住宅維持管理基金については、平成30年度から、定住促進住宅のトイレ改修や断熱化等の大規模改修工事の実施により、計画的に活用することとしている。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当町では、平成28年度に公共施設等総合管理計画を策定しており、大規模改修や耐震化等の計画を進め、建築系施設については5%程度の延床面積の縮小・除却を検討している。令和元年度には各施設ごとの個別施設計画を策定したため今後も計画的な整備が行われる予定である。平成30年度は、小学校体育館の建て替え、トイレ改修、道路橋梁等のインフラ補修を行い償却率の改善に努めたが、比率としては微増となった。

債務償還比率の分析欄

地方債現在高の平成29年度末と平成30年度末を比較すると、およそ3億8,000千円増加していることから、その分、比率の分子部分である将来負担額が増加し、債務償還比率としても増加することになった。また、比率の分母にあたる経常経費充当財源等が増加していることにより、分母が縮小し、結果比率が増加することになった。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

近年学校の大規模改修をはじめとした公共施設(建物)の改修、及びインフラ施設の新設ならびに補修を行っているため、地方債残高は増加傾向にあり将来負担比率は微増傾向にある。しかし、一部の改修及び補修だけでは、既存施設の減価償却率の進行を上回るほどのものにならず、結果として有形固定資産減価償却率についても若干比率が悪化している。類似団体に比べ、将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに類似団体より高い比率になっているため、施設整備等事業費の抑制に努めながらも交付税措置が有利な起債等を選択しつつ、確実に施設の更新を行い比率の改善に努める必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

平成25年度に発生した大雨災害(激甚災害)による災害復旧費用が多額になったことから、一時的に将来負担比率が増加したが、平成26年度を境に減少傾向にある。また、実質公債費比率についても、単年度比率が高かった平成27年度分(9.45073%)が三年平均から外れたため比率としては減少している。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

当町は県内においても上位に面積が広大な町であり、十和田八幡平国立公園に隣接している立地条件により水源が豊かな町である。したがって、橋梁をはじめとしたインフラ施設の延長が総じて長いことや、地域別における小学校施設の点在によってそれぞれの有形固定資産減価償却率が高い傾向にある。橋梁については、施設の長寿命化計画に基づき優先度の高いものから適切に維持補修を行うよう努めていく。また、小学校施設については、学校統廃合により校舎の統合が行われたため、今後使用していく校舎については随時改修が予定されている。そのため、学校施設の減価償却率は減少していく見込。児童館については、老朽化が著しいが利用者数も少なく、町営住宅は減価償却ため、今後の活用方法や施設改修については多角的な視点により検討を進めていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、図書館、体育館、福祉施設、一般廃棄物処理施設、消防施設、庁舎であり、低くなっている施設は保健センターである。図書館については、一人当たり面積も低く、施設の老朽化が進んでいるが、現在のところ建替えの予定は見込んでおらず、維持補修を行いながら施設の利用を進めていく。庁舎については、老朽化が著しいため、今後、策定した個別施設計画に基づき施設の長寿命化対策を早急に進める必要がある。福祉施設については、老朽化が進んでいる一部施設について、公共施設総合管理計画に基づき除却を行った。また、償却率が非常に高くなっている消防施設については、ポンプ車の更新や屯所の立替を随時行っていく予定である。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

資産については、減価償却費が資産形成費よりも多くかかったことから前年度と比較すると減少している。負債については、一般会計等では小学校統合に係る学校関係の大規模改修、消防施設等整備事業、前年度災害に係る復旧事業等の起債の借り入れを多くしたことから前年度と比較すると増加している。一方、全体会計についても一般会計等の増加要因に加え下水道事業会計の起債額172.1百万円により、前年度比253百万円増加している。固定負債の中でも地方債の額が増加しており、今後については、翌年度以降の学校施設の改修及び防災無線のデジタル化に係る地方債の増加が見込まれていることから、交付税措置率の高い起債を適切に活用するように努める。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

行政コストの状況は、全体財務書類において、経常費用は15,037百万円となり、前年度比107百万円の増加(+0.7%)となった。経常費用の合計は職員の給与・議員歳費・退職手当など人にかかるコストが2,216百万円(前年度比+286百万円)、物品購入・光熱水費・施設などの修繕費・減価償却費など物にかかるコストが6,633百万円(前年度比+693百万円)、社会保障給付費・各種団体への補助金などの移転支出的なコストは5,981百万円(前年度比△869百万円)であり、前年度からの増加の要因は人件費と物件費の増加である。今後想定される扶助費や人件費の増額を考慮した予算作成に努め、経常経費の抑制に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

全体会計において、純行政コスト(△13,531百万円)に対し税収等の財源(11,477百万円)、資産評価差額(21百万円)、その他の変動額(△123百万円)の合計により財源純資産残高は前年度から2,155百万円減少した。今後については税収の減少、交付税についても大きな増加が見込まれないことに加え、扶助費等の経常費用が増えていくことから、純資産変動額は減少傾向を見込んでいるが、行政コストを抑え、純資産変動額が今年度より下がらないように財政運営をしていく必要がある。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

全体会計において資金収支の状況は業務活動収支差額1,627百万円(前年比△120)、投資活動収支差額△1,918百万円(前年比△449)、財務活動収支差額214百万円(前年比+304)であり、昨年度と比較すると財務活動収支差額において収入額が支出額を上回っており、投資活動支出の財源を賄う起債額の増加による影響が大きいことから、業務活動収支差額とのバランスが崩れないように財政運営をしていくように努める。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

当町は雫石診療所特別会計の決算数値が算入されているため、類似団体より高い数字を計上している。前年度と比較すると資産取得額よりも減価償却費に係る減少額が大きかったために、1人当たりの資産額は4.6万円程減少したが、今後については、引き続き学校施設の改修や、防災無線のデジタル化などの大規模な投資的支出が見込まれている。公共施設等総合管理計画、及び今後策定する個別施設計画に基づく適正な施設保有量の把握と、適正な施設計画の更新に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

当町は雫石診療所特別会計の決算数値が算入されているため、類似団体より高い数字を計上している。歳入額対資産比率について、前年度と数値を比較すると0.12ポイント下がっており、類似団体との差は縮小されているが、今後も大規模改修工事による資産増加が見込まれていることから、歳入の確保と計画的な資産更新に努め、当該年数が7年を超えないようにする。施設の大規模改修が続いており、財源として地方債を充てていることから、交付税措置が確保されていても将来世代負担率が前年度に比べて1.0%増加している。類似団体と比較すると約半分の負担率となっているが、人口減少と今後の行政コストの増額を考慮し、極端な増加にならないように地方債の借り入れについては抑制に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

当町は雫石診療所特別会計の決算数値が算入されているため、類似団体より高い数字を計上している。行政コストについて前年比減少率より分母である人口の減少費が高いことから、住民一人当たりの行政コストは前年に比べ2.6万円増額している。人口については今後も減少が見込まれることから、行政コストの抑制に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

平成30年度は地方債の借入により前年度に比べて44.2百万円増加しており、住民一人当たりの負債額は3.6万円の増加、将来世代の負担額は1.0%増加した。臨時財政対策債、小学校統合に係る学校施設の大規模改修、公共施設整備に伴う地方債の借り入れにより、負債額は増加傾向にあるが、今後も極端な増加にならないように努め、地方債の借り入れに際しては交付税措置額の大きい地方債を選択するように努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担金は類似団体平均を下回っており、行政サービスの提供に対する直接的な割合は比較的低くなっている。また、前年度と比較すると経常収益が43百万円増加しているのに対経常費用は388百万円増加している。経常収益の増額を見込める公民館や火葬場の利用料の増額を検討し、公共施設等総合管理計画を基に施設利用に係る受益者負担額の適正化を図ると同時に類似団体との差を埋めるよう努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,