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令和3年度は、地域デジタル社会推進費の新設や国の補正に基づく事業等を円滑に実施するための臨時経済対策費等の創設(再算定)により基準財政需要額が増加したとともに、法人事業税等の税収減の見込み等により基準財政収入額が近年で最も低い水準となったことから、財政力指数が0.02ポイント低下した。
令和3年度は、新型コロナ対策事業に伴う物件費の増により、人口一人当たりの人件費・物件費等の決算額は前年度と比較して増加となった。これまでの行財政改革による総人件費抑制や経費節減の徹底等の取組の継続により、類似団体の平均値を下回っているが、引き続き適正な人員管理等により人件費の伸びの抑制に努めていく。
昇給昇格を厳格に行うなど、給与の適正な管理に取り組んできた結果、国及び都道府県平均を下回る水準となっている。また、特殊勤務手当の適正化や、普及指導手当の引き下げ、地域手当の異動保障廃止、旅費の適正化など、ラスパイレス指数に表れない諸手当等の見直し等も行ってきており、今後ともこれまで同様給与水準の適正な管理に努めていく。
令和2年度から教育関係の臨時職員を職員数に含めて算出しているため増加しているが、これまで行財政改革の一環として適正な定員管理に取り組んだ結果、平成17年4月以降1,300人を上回る職員数の純減を行っている。今後とも、組織の簡素合理化や事務の効率化、民間委託等に取り組むとともに、スクラップ・アンド・ビルドを基本とし、新たな行政需要に応えていくための必要な人材の確保を図るなど、引き続き、適正な定員管理に努めていく。
令和3年度は、普通交付税と臨時財政対策債発行額が増加して標準財政規模が増えたものの、3年平均では前年度と変わらず10.6%となった。これまでの県債発行額の抑制等の取組により、公債費の減少及び実質公債費比率の改善が図られているが、今後は、防災・減災、国土強靱化対策や公共施設の老朽化対策、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催に伴う施設整備等による公債費の増加が見込まれることから、財政健全化に向けた取組を着実に実行していく。
令和3年度は、減債基金や国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催基金等の将来負担額から控除される「充当可能基金」が増加したこと、普通交付税と臨時財政対策債発行額が増加して標準財政規模が増えたこと等により、将来負担比率は前年度と比較して7.9ポイント改善した。類似団体の平均値を下回っているが、今後は、防災・減災、国土強靱化対策や公共施設の老朽化対策、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催に伴う施設整備等による地方債残高の増加が見込まれることから、財政健全化に向けた取組を着実に実行していく。
令和3年度は、退職手当債の発行抑制に伴い(令和2年度:約16億円→令和3年度:0)充当一般財源が増加した一方、地方税や地方交付税の増加等に伴い経常一般財源等総額が増加したことにより、前年度と比較して3.3ポイント減少した。これまで行財政改革の一環として、適正な定員管理等に取り組んだ結果、類似団体と比較すると低い水準となっているが、今後も引き続き、適正な定員管理等による人件費の伸びの抑制に努めていく。
【その他:貸付金、繰出金、維持補修費】令和3年度は、維持補修費が増加したものの、貸付金及び繰出金が減少したこと等により、前年度と比較して0.3ポイント減少した。維持補修費については、今後も公共施設の老朽化対策による経費の増加が見込まれるため、公共施設等総合管理計画に基づく長寿命化対策等により、財政負担の軽減や平準化を図っていく。
令和3年度は、介護保険財政支援事業など社会保障関係費の増加等に伴い充当一般財源が増加した一方、地方税や地方交付税の増加等に伴い経常一般財源等総額が増加したことにより、前年度と比較して2.1ポイント減少した。社会保障関係費については、今後も増加が見込まれることから、引き続き財政健全化に向けた取組を着実に実行していく。
過去の県債の新規発行額の抑制(臨時財政対策債を除く。)等の取組により、平成30年度までは減少傾向で推移し、近年は概ね同水準で推移していた。令和3年度は公債費が減少するとともに、地方税や地方交付税の増加等に伴い経常一般財源等総額が増加したことにより、前年度と比較して2.9ポイント減少した。
令和3年度は、人件費や補助費等において充当一般財源が増加した一方、地方税や地方交付税の増加等に伴い経常一般財源等総額が増加したことにより、前年度と比較して5.9ポイント減少した。社会保障関係費については、今後も増加が見込まれることから、引き続き財政健全化に向けた取組を着実に実行していく。
(増減理由)・基金残高が増加した主な要因としては、「減債基金」で約169億円、「地域医療介護総合確保基金」で約20億円、「宮崎県人口減少対策基金」で約8億円の事業実施等に伴う基金の取崩しを行った一方で、「財政調整基金」で約98億円、「減債基金」で約296億円、「宮崎県国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催基金」で約79億円、「県有施設維持整備基金」で約55億円を積み立てたこと等により基金全体としては約330億円の増となった。(今後の方針)・「財政調整基金」及び「減債基金」の2基金残高については、一定規模の確保に努めるとともに、「県有施設維持整備基金」及び「宮崎県国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催基金」については、計画的な積立、取崩を行っていく。
(増減理由)・令和3年度の法人関係税収が好調であったことに伴う地方交付税の減額精算(令和4年度以降の3年間で減額)に対する備えとして積み立てたこと等により、約98億円の増となった。(今後の方針)・減債基金を合わせた2基金について、令和3年度の残高は増となった。しかしながら、毎年度の予算編成において多額の基金取崩し※を計上する厳しい状況が継続しており、今後も一定規模の基金残高の確保に努めていく。※令和5年度当初予算においては財政調整基金35億円、減債基金約212億円の取崩を計上。
(増減理由)・防災・減災、国土強靱化対策や今後本格化する国民スポーツ大会施設等の整備に伴う公債費増加への備えとして積み立てたこと、普通交付税の再算定により措置された臨時財政対策債償還基金費を積み立てたこと等により、約127億円の増となった。(今後の方針)・財政調整基金を合わせた2基金について、令和3年度の残高は増となった。しかしながら、毎年度の予算編成において多額の基金取崩し※を計上する厳しい状況が継続しており、今後も一定規模の基金残高の確保に努めていく。※令和5年度当初予算においては財政調整基金35億円、減債基金約212億円の取崩を計上。
(基金の使途)・県有施設維持整備基金:県有施設の維持整備・宮崎県国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催基金:令和9年に開催予定の国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会の開催・地域医療介護総合確保基金:地域における医療及び介護の総合的な確保・後期高齢者医療財政安定化基金:後期高齢者医療に係る財政の安定化・介護保険財政安定化基金:介護保険に係る財政の安定化(増減理由)・県有施設維持整備基金:県有施設の維持整備に要する財源として約55億円を積立て。・宮崎県国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催基金:開催に要する財源として約79億円を積立て。・地域医療介護総合確保基金:地域における医療及び介護の総合的な確保に要する財源として約20億円を取崩し。・宮崎人口減少対策基金:人口減少対策に要する財源として約8億円を取崩し。(今後の方針)・県有施設維持整備基金:公共施設の老朽化対策等の財源として、今後も計画的な積立、取崩を行っていく。・宮崎県国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催基金:令和9年度に開催予定の国民スポーツ大会等の財源として、計画的な積立、取崩を行っていく。
有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値をやや上回っているが、新たに取得した資産額よりも減価償却費の方が大きいため、有形固定資産減価償却率が年々増加している。今後とも、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について計画的な予防保全による長寿命化を進めるなど、公共施設等の適正管理に努めていく。
債務償還比率は、類似団体平均値を大きく下回っており、主な要因としては、減債基金や国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催基金等の将来負担額から控除される「充当可能基金」が増加したこと等が考えられる。しかしながら、今後は、防災・減災、国土強靱化対策や公共施設の老朽化対策、国民スポーツ大会開催に伴う施設整備等による地方債残高の増加が見込まれることから、財政健全化に向けた取組を着実に実行し、債務償還比率の伸びの抑制に努めていく。
将来負担比率は、類似団体平均値を大きく下回っている一方、有形固定資産減価償却率はやや上回っている。今後は、防災・減災、国土強靱化対策、国民スポーツ大会開催に伴う施設整備等による地方債残高の増加が見込まれることから、将来負担比率が増加すると想定される。このため、財政健全化に向けた取組を着実に実行するとともに、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど公共施設等の適正管理に努めることにより、将来負担比率の増加の抑制を図っていく。
実質公債費比率は、類似団体平均値とほぼ同水準である一方、将来負担比率は大きく下回っている。両比率については、県債発行額(臨時財政対策債を除く。)の抑制等の取組により、近年改善傾向にあるものの、今後は、防災・減災、国土強靭化対策や公共施設の老朽化対策、国民スポーツ大会開催に伴う施設整備等による地方債残高の増加が見込まれることから、財政健全化に向けた取組を着実に実行することにより、両比率の増加の抑制に努めていく。