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平成29年度は、地域経済・雇用対策費の減等により基準財政需要額が減少し、道府県民税収の増等により基準財政収入額が増加したため、財政力指数は前年度に比べ0.01ポイント上昇した。
平成29年度は、経常的経費について、公債費の利子償還金の減(約43億円)のほか、県立看護大学法人化や教職員数の減に伴う人件費の減(約20億)等があったものの、補助費等がこれを上回って増加したため、前年度と比較して0.5ポイント上昇した。類似団体の中では低い水準となっているが、今後も社会保障関係費の伸びや、国体開催に伴う施設整備、公共施設の老朽化対策等による県債発行額の増に伴い公債費の増加が見込まれることから、財政改革の取組を不断の取組として着実に実行し、比率増加の抑制に努める。
これまでの行財政改革の取組による総人件費抑制や執行段階での経費節減の徹底等により類似団体の平均値を大きく下回っている。平成29年度においては、維持補修費が漁業調査取締船の定期検査費用の増等により、前年度から0.3ポイント上昇しているが、経営比較分析表にあるとおり人件費が0.6ポイント減、物件費が0.2ポイント減となったことから、人口一人当たりの人件費・物件費等の決算額は前年度を下回っている。引き続き適正な人員管理等により人件費の抑制に努めるとともに、今後、公共施設の老朽化対策による経費の増加が見込まれる中、公共施設等総合管理計画に基づく長寿命化対策等により財政負担の軽減や平準化を図っていく。
昇給昇格を厳格に行うなど、給与の適正な管理に取り組んできた結果、国及び都道府県平均を下回る水準となっている。また、特殊勤務手当の適正化や、普及指導手当の引き下げ、地域手当の異動保障廃止、旅費の適正化など、ラスパイレス指数に表れない諸手当等の見直し等も行ってきており、今後ともこれまで同様給与水準の適正な管理に努めていく。※ラスパイレス指数は前年度の数値を引用している。
これまで行財政改革の一環として適正な定員管理に取り組んだ結果、平成17年4月以降1,400人を上回る職員数の純減を行っている。今後とも、組織の簡素合理化や事務の効率化、民間委託等に取り組むとともに、スクラップ・アンド・ビルドを基本とし、新たな行政需要に応えていくための必要な人材の確保を図るなど、引き続き、適正な定員管理に努めていく。
平成29年度は、元利償還金の減少等により、対前年度比で1.3ポイント改善しているが、類似団体平均値と比較するとやや高くなっている。これまでの県債発行額の抑制等の取組により平成26年度から公債費の減少及び実質公債費比率の改善が図られているが、今後は、公共施設の老朽化対策や国体開催に伴う施設整備等による公債費の増加が見込まれることから、財政改革を不断の取組として着実に実行し、比率増加の抑止に努める。
投資的経費の重点化や県債発行額の抑制等のこれまでの取組により、地方債残高は着実に減少してきており、将来負担比率の改善が図られている。平成29年度においては、地方債残高が前年度に比べ約165億円減少したことにより、将来負担比率は9.3ポイント改善した。しかしながら、今後は、公共施設の老朽化対策や国体開催に伴う施設整備等による公債費の増加やそれに伴う地方債残高の増加が見込まれることから、財政改革を不断の取組として着実に実行し、比率増加の抑制に努める。
これまで行財政改革の一環として、適正な定員管理等に取り組んできた結果、平成17年度以降1,400人を上回る職員数の純減を行っており、類似団体と比較すると低い水準となっている。平成29年度においては、県立看護大学の法人化や児童数の減に伴う教職員数の減等により歳出額が減少しており、当該経費に充てられる経常一般財源が減となったため、経常収支比率は前年度を0.6ポイント下回った。今後も引き続き、行財政改革に取り組み、人件費の伸びの抑制に努めていく。
行財政改革の一環として経費節減に取り組んでおり、平成28年度から類似団体の平均値を下回っている。平成29年度においては、県立看護大学の法人化により歳出額が減少したこと等により、前年度を0.2ポイント下回った。引き続き、厳しい財政状況を踏まえ、経費節減に努めていく。
近年は、同水準で推移しており、類似団体の中では平均値となっている。平成29年度においては、児童入所施設等措置費や指定難病医療費の増等に伴い、当該経費に充当される経常一般財源が増加したことから、経常収支比率は前年度に比べ0.1ポイント上昇した。
【その他:維持補修費、貸付金】その他は、類似団体の平均値を下回っている。平成29年度は、維持補修費については、漁業調査取締船の定期検査費用(5年に1度)の増等、また、貸付金については、木材産業等高度化推進資金の貸付けの増等により、前年度から0.3ポイント上昇した。今後も、公共施設の老朽化対策による経費の増加が見込まれるが、公共施設等総合管理計画に基づく長寿命化対策等により、財政負担の軽減や平準化を図っていく。
施設型給付費や介護保険財政支援事業等の社会保障関係費の増のほか、県立看護大学の法人化による運営費交付金の新設等により2.3ポイント上昇した。社会保障関係費については、今後も増加が見込まれることから、引き続き財政改革の取組を不断の取組として着実に実行していく。
県債の新規発行額の抑制(臨時財政対策債を除く。)等の取組により、毎年度着実に改善が図られ、平成27年度以降は類似団体の平均値を下回っており、平成29年度は前年度に比べ1.4ポイント改善した。しかしながら、今後は、国体開催に伴う施設整備や公共施設の老朽化対策等による県債発行額の増に伴い公債費の増加が見込まれることから、財政改革の取組を不断の取組として着実に実行し、将来を見据えた健全な財政運営に努める。
社会保障関係費(補助費等、扶助費)の増等により、経常収支比率は1.9ポイント上昇したが、類似団体の平均値と比較して低い水準となっている。今後も、引き続き財政改革の取組を進め、経費の伸びの抑制に努める。
(増減理由)・「減債基金」や「大規模災害対策基金」等について残高が減少した一方で、国の交付金により積み立てた「国民健康保険財政安定化基金」残高が約18億3千万円、「地域医療介護総合確保基金」残高が約16億7千万円それぞれ増加したこと等により、基金全体としては約20億4千万円の増となった。(今後の方針)・社会保障関係費、防災・減災対策、国体開催に伴う施設整備や公共施設の老朽化対策等に多額の財政負担が見込まれることから、「財政調整基金」及び「減債基金」の2基金残高については、同程度の規模を維持する必要があるとともに、県有施設維持整備基金については、今後も計画的な積立、取崩を行っていく。
(増減理由)・増減なし(今後の方針)・減債基金を合わせた2基金残高については、当初予算編成時おける収支不足への対応や大規模災害等の危機事象等による突発的な財政需要への対応に要する財源として、同程度の規模を維持していく必要がある。
(増減理由)・償還のため約5億2千万円を取り崩したことにより減少(今後の方針)・財政調整基金を合わせた2基金残高については、当初予算編成時おける収支不足への対応や大規模災害等の危機事象による突発的な財政需要への対応として、同程度の規模を維持していく必要がある。
(基金の使途)・県有施設維持整備基金:県有施設の維持整備・大規模災害対策基金:県内で予想される大規模災害に対して被害を最小限にするための対策や県外で発生した大規模災害により重大な影響を受けた被災者の支援並びに被災地の早期復興及び再建を図るための措置等(増減理由)・県有施設維持整備基金:防災拠点庁舎等の整備に要する財源として約7億5千万円を取り崩したことにより減少。・大規模災害対策基金:建築物耐震化促進事業、県庁舎BCP対策事業等に要する財源として約4億8千万円を取り崩したことにより減少。(今後の方針)・県有施設維持整備基金:国体開催に伴う施設整備や公共施設の老朽化対策等に多額の財政負担が見込まれることから、今後も計画的な積立、取崩を行っていく。・大規模災害対策基金:県内で予想される大規模災害に対し被害を最小限とするための対策等を実施するため、今後も計画的な活用を図る。
有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値をやや上回っている。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。
将来負担比率は、類似団体平均値を大きく下回っている一方、有形固定資産減価償却率はやや上回っている。今後は、国民スポーツ大会開催に伴う施設整備等による地方債残高の増加が見込まれることから、将来負担比率が増加する一方で、施設の更新が図られることに伴い有形固定資産償却率は減少する見込みとなる。このため、行財政改革を不断の取組として着実に実行するとともに、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど公共施設等の適正管理に努めることにより、将来負担比率の増加の抑制を図る。
実質公債比率は、類似団体平均値をやや上回っているものの、将来負担比率は大きく下回っている。両比率とも、近年改善傾向にあるものの、今後は、国民スポーツ大会開催に伴う施設整備等による地方債残高の増加が見込まれることから、行財政改革を不断の取組として着実に実行することにより、両比率の増加の抑制に努める。