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旧産炭地特有の経済構造として、生活保護率が高いなど低所得者が多く、併せて人口の減少、高齢化の進展に伴う税収等の低迷により0.50と類似団体平均を大きく下回っている。今後は、中心市街地活性化事業、浸水対策事業、小中学校施設整備事業、新庁舎建設事業などの大型事業が本格化していくことから、事業費の適正化や事業実施年度の分散などの見直しを実施するとともに、地方税の徴収率の向上や企業誘致の促進などにより財政基盤の強化を図る。
歳入においては、地方消費税交付金及び地方交付税の増加により216百万円の増となったが、歳出において、物件費、扶助費、公債費、繰出金にかかる経常一般財源が増加したことにより1,006百万円の増となっている。その結果、経常収支比率は前年度比2.5ポイント増加している。今後の対応としては、普通交付税の合併算定替の終了を見据え、安定した財政基盤の確立にむけ第二次行財政改革前期実施計画の着実な実施と、施策評価制度の導入による財源配分の重点化など行政運営の効率化を推進しつつ、歳入確保の取組みとしては、企業誘致の取組みはもとより、債権の適正管理及び全庁的な体制強化による未収金対策を実施することで、自主財源を確保する取組みに努める。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額が類似団体平均を上回っているのは、維持補修費が依然として高い水準にあることが主な原因となっている。合併により重複した施設や老朽化した施設の維持管理に経費がかかっており、公共施設総合管理計画に基づく施設の統廃合、長期継続契約等による管理経費の合理化、行財政改革実施計画の確実な実施など総合的な歳出抑制に努める。
行財政改革実施計画に基づく定員削減により、前年度と比較して0.09人減となっている。今後も、市民サービスを維持しながら全体的な事務事業の見直し、機構改革等の取り組みを推進し、適正な定員管理を図る。
公債費については、合併特例事業債、臨時財政対策債の元金償還の開始などで増加しているが、普通交付税措置率の高い地方債を活用することで算入公債費等の額が増加しているため、実質公債費比率としては前年度比1.9ポイント減となった。今後も、中心市街地活性化事業、浸水対策事業、小中学校施設整備事業、新庁舎建設事業などの大型事業の実施により公債費が増加していく見込みであることから、健全な財政運営に努めるため、事業費の適正化や事業実施年度の分散などの工夫により償還額の平準化及び実質公債費比率の急激な上昇を抑える。
将来の公債費負担を軽減するために減債基金に604百万円の積立を行ったこと及び財政調整基金に決算剰余金を含む積立を935百万円行ったこと等により充当可能基金が1,282百万円の増となっている。また、合併特例事業債の有効活用を基本とした大型事業の実施により地方債現在高は増加しているが、普通交付税の措置率が高い地方債を積極的に活用しているため、将来負担比率は6.4ポイントの増にとどまっている。今後も地方債現在高の増加は続く見込みであるため、事業費の適正化を図りつつ、合併特例事業債等の交付税措置率の高い地方債を活用することにより将来負担の適正化を図る。
類似団体平均に比べ人件費に係る経常収支比率が5.6ポイント下回っている。これは、平成18年度に策定した行財政改革実施計画に従って、職員数の削減を実施してきたことによるものである。平成18年4月1日現在の普通会計での職員数が1,022人にであったのに対し、平成27年4月1日現在の普通会計での職員数は772人と250人の削減を達成している。今後も市民サービスを維持しながら全体的な事務事業の見直し、機構改革等の取り組みを推進し、適正な定員管理のもとに人件費の抑制を図る。
類似団体平均に比べ物件費に係る経常収支比率が低くなっている主な要因として、ごみ処理業務等の一部を一部事務組合が行っていることが挙げられる。今後、業務の民間委託が進むにつれて物件費が増加することが予想されるため、施設管理経費の削減をはじめ、各種委託業務の見直しなど物件費の水準を低く保つための取り組みを行う。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体を大きく上回っている。これは、旧産炭地域特有の経済構造として、生活保護率が高いなど低所得者が多いことが大きな要因である。資格審査等の適正化を図るとともに、就労支援等自立に向けた取り組みの強化により、増大する扶助費の抑制を図る。
類似団体平均に比べ高い水準になっている主な要因として、繰出金の増加が挙げられる。高齢化の進展等に伴う医療費増が影響し、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計などで繰出金が増加傾向にあり、普通会計の負担増につながっている。本市が掲げている「健幸都市いいづか」を実現するために健康づくり事業や介護予防事業等の推進に取り組んでおり、医療費・サービス給付費の抑制と保険料適正化による収入増といった双方の取り組みにより、負担額を減らすよう努める。
類似団体平均に比べ補助費等に係る経常収支比率が高くなっている主な要因として、一部事務組合負担金や企業会計・外郭団体等をはじめとする各種補助金の経費が高いことが挙げられる。特に、一部事務組合負担金においては、ごみ処理業務等を行う一部事務組合が直営とは別に2つ存在するなど合併後の統廃合がまだなされていない状態である。負担金・補助金等については、行財政改革実施計画や補助金のあり方検討委員会等の指針を踏まえ、合理化を図るとともに、外郭団体の運営・事業についても効率化を図る。
公債費については、合併特例事業債、臨時財政対策債の元金償還の開始などで増加している。今後も、中心市街地活性化事業、浸水対策事業、小中学校施設整備事業、新庁舎建設事業などの大型事業の実施により増加していく見込みであることから、健全な財政運営に努めるため、事業費の適正化や事業実施年度の分散などの工夫により公債費負担の均衡を図る。