経営の健全性・効率性について
本市の下水道事業は人口の減少、節水意識の高まりや節水機器の普及などにより、下水道使用料収入は減少傾向にあります。また、処理人口普及率が99.9%と概成しており、今後も普及拡大による大幅な下水道使用料収入の増加は期待出来ない状況です。経費回収率、経常収支比率はいずれも100%以上の数値で推移しており、累積欠損比率も0%のため、経営の健全性は維持されています。これは経営戦略に基づく資産の有効活用による収入などがあるためです。企業債残高対事業規模比率は、経営戦略に基づき企業債残高を減少させていますが、対前年度比でほぼ横ばい傾向にあります。汚水処理原価は経費の節減等の結果、対前年比で2.24円の減となっています。施設利用率、水洗化率はいずれも類似団体平均値を上回っています。引続き水洗勧奨を進めており、R2年度の水洗化率は99.73%となっております。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値と同程度であり、他都市と同程度の年数を経過した資産が多いと考えます。類似団体平均値と比較して、管渠老朽化率は低く、管渠改善率はほぼ同程度であります。今後、管渠の老朽化率が上昇していくと予測しており、適切な施設の管理及び計画的な改築更新に努めていきます。
全体総括
平成28~令和2年度まで旧経営計画に基づき、事業を実施してきました。経営目標は、「安全・安心で質の高いサービスを提供し、現行料金を維持する」であり、達成することができました。今後は、令和3~7年度までの新経営計画に基づき、事業を実施します。今後も、人口の減少、節水意識の高まりや節水機器の普及などにより、下水道使用料収入は減少傾向が続くと予想されます。また、処理人口普及率が99.9%と概成しており、今後も普及拡大による大幅な下水道使用料収入の増加は期待できません。一層の経費節減や増収対策に取組む必要があります。また、資産については、長寿命化に努めていく必要があります。