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企業業績改善等により基準財政収入額は増加したが、臨時財政対策債振替額の減少に伴い、基準財政需要額が大幅に増加したため、財政力指数は低下した。引き続き自主財源の確保に努めていく。
経常的な歳出が公債費や社会保障関係費の増等によって44億円増加し、分母の経常一般財源が臨時財政対策債の大幅減等により66億円もの減少となったため、経常収支比率は前年度に比べて3.5ポイント悪化した。今後、公債費・社会保障費のさらなる増大が予想される中、安定した財政運営を確保するため、引き続き積極的な歳入の確保と経常的な歳出削減に努めていく。
物件費が事業終了等により減少し、人件費も職員の定数削減や給与カットの効果により減少した結果、これらの合計は前年度に比べ減となった。しかしながら、半島という地理的な条件により職員の分散配置が必要なことなどから、グループ内や都道府県平均値に比べ依然として高い水準にあるため、引き続き人件費の抑制に努めていく。
本県のラスパイレス指数は、108.7(平成24年4月1日)であり、昨年度の100.1と比較すると、8.6高くなっている。主な要因は、国家公務員の給与が臨時特例法により減額支給されていることによるものと思われる。また、本県の参考値が100.4(平成24年4月1日)であり、昨年度の100.1と比較すると、0.3高くなっているのは、年齢構成の差及び現給保障者による影響が原因と思われる。また、グループ内平均値及び都道府県平均値を上回っているのは、各団体において財政上の理由により行われている給料カット率の差異等によるものと考えられる。給与制度については、従来から必要な見直しを行い、国に準じた制度となっていることから、適正ものと考えており、今後とも適正な運用に努め、国の動向を見ながら、必要な改正を行っていく。
人口10万人当たり職員数については、グループ゜内平均値よりも多くなっているが、南北に長く南部を中心に過疎地域を有する本県の地理的環境に対応するため、小中学校や振興局などの地方機関への職員配置の必要性等によるものである。平成24年3月に策定した「新行財政改革推進プラン(改定版)」に基づき、事務事業の見直しや簡素で効率的な体制の構築による定数削減に引き続き取り組んでいく。
グループ内平均値を下回っているが、前年度に比べ0.6ポイント悪化している。今後は、退職手当債等の交付税措置のない地方債の償還が本格化し、公債費は増加していくことから、退職手当債等の資金手当債の発行を抑制するとともに、20年償還を基本としていた銀行等引受債の30年償還への転換を継続し、公債費負担の平準化に努めていく。
「新行財政改革推進プラン」に基づき職員の定数削減を進めたことにより退職手当負担見込額が減少したこと等によって、前年度に比べて1.1ポイントの改善となった。今後は、退職手当債や行政改革推進債等の発行により、将来負担が増加するおそれもあるため、事業の効率化・重点化により県債発行を抑制するなど行財政改革の推進により健全化を図っていく。
「新行財政改革推進プラン」に基づく定数削減や給与カットを行っているものの、退職者数が増加したことにより、前年度から1.3ポイントの上昇となった。半島という地理的な条件により職員の分散配置が必要なことなどからグループ内平均値を上回っている現状にあるため、引き続き人件費の抑制に努めていく。
生活保護費の増加等により前年度に比べ0.1ポイントの増となっているものの、依然グループ内平均値を0.4ポイント下回っている。これは、他団体に比べて進展した市町村合併により、生活保護費や児童扶養手当の県負担割合が減少したこと等によるものであり、引き続き制度の適正な運用に努めていく。
道路の維持補修経費等が減少したものの、分母の経常一般財源が減少したことにより、比率は前年度と同じ1.1ポイントとなった。今後、インフラの老朽化により、財政的な負担が増大するおそれがあるため、計画的かつ予防的な維持補修を行うことで費用を平準化し、コストの縮減に努めていく。
前年度に比べて0.8ポイントの上昇となっており、その主因は介護保険や後期高齢者医療に係る負担金等の増加によるものである。引き続き、各単独補助金等について受益者負担の観点からの見直しを検討するなど、一層の抑制に努めていく。
公債費がグループ内平均値を大きく下回っているのは、繰上償還を行う等、将来の公債費負担軽減に努めてきたことや、出来る限り交付税措置のある地方債に発行を限定し、県債発行の抑制に努めてきたこと等による。臨時財政対策債等の償還額が増加したことにより前年度から上昇しており、今後とも事業の効率化・重点化による県債発行額の抑制により、公債費負担の軽減に努めていく。
社会保障関係費等の増加により、前年度に比べて2.3ポイント上昇した。人件費の影響が大きく、グループ内平均値を上回っている現状にあるため、引き続き諸経費の抑制に努めていく。