経営の健全性・効率性について
(本町は、公共下水道事業と特定環境保全公共下水道事業を実施しておりますが、会計処理は統一で行っております。企業債は事業別に借入をしていますが、他の収益費用については、各地区の汚水処理量で按分を行っており、平成30年度の按分率は公共78%、特環22%となります。よって企業債が関わる指標以外については下水道事業を総合的に見た分析となります)・経常収支比率では、前年度に引き続き100%未満となり、赤字となりました。・累積欠損金比率については、平成26年度の会計制度見直しに伴い、利益剰余金が増加した事によって減少しておりましたが、これまで通りの赤字決算では右肩上がりに増加していく見込みです。・流動比率については、これまでの企業債の借入が少ないため、高い水準となっております。・企業債残高対事業規模比率については、開発地等の整備に伴う経費が業者負担により賄われたものが多いという経緯があるため、企業債の借入は最低限で済んでおり、類似団体平均値よりも大幅に低くなっております。・水洗化率がとても高く、区域内のほとんどが水洗化している状況ですが、汚水処理に係る費用の7割しか使用料で賄えていません。町内には汚水処理施設を所有していない為、大阪府の原田処理場で処理を行うための経費と管渠等の整備等に必要な減価償却費が費用全体の9割近くを占めており、費用の削減は見込めません。よって料金設定が適切であるか見直しが必要です。
老朽化の状況について
平成30年度までに法定耐用年数を迎えた管渠等はありませんが、近年中に徐々に増加していく見込みとなっているので、管渠等更新を実施するには、多額の財源の確保が必要となるので、平成30年度に策定したストックマネジメント計画や経営戦略に基づき、特定の年度だけに負担がからないよう、財源については慎重に確保する事とともに必要性の高いものから優先的に更新等が実施できるよう計画的かつ効率的に更新に取り組む必要があります。
全体総括
経営成績が表される経常収支比率が100%未満となっているため、経営状況は良いとは言えません。汚水処理に係る費用は使用料収入をもって賄えなければなりませんが、費用全体の7割しか賄えていません。経営改善のため、費用の削減を図ることは第一ですが、費用全体の9割近くを処理場で処理を行う為の経費と減価償却費が9割近くを占めており、これについての削減は見込めません。今後、企業債残高の減少に伴い、経営改善が見込まれますが、将来の人口減少など収入の減少予測から、料金設定が適切であるか見直しが必要です。