門真市：公共下水道

経営の健全性・効率性について

①収益的収支比率は、100％未満となっており、単年度の収支が赤字となっている。主な要因として、維持管理費の増加及び平成4年から平成21年まで公共下水道事業の集中的な整備を実施(第二京阪道路事業に伴う幹線管渠整備など)したため、地方債残高が大きく増加したことが主な原因であるといえる。前年度より8.24%減少しているが、借換債の発行及び償還が原因であるため、借換債を計上しなければ、前年度とほぼ横ばいになっている。④企業債残高対象事業規模比率は、企業債残高が微増で下水道使用料が増加傾向のため、若干減少傾向である。しかし、類似団体と比較しても高い水準であるため、今後も収益確保への取組み、経営改善が必要であるといえる。⑤経費回収率は、100％超を維持しており、汚水処理費に係る下水道使用料を高い徴収率で確保できているといえる。⑥汚水処理原価は、類似団体と比較して低い水準であるが、有収水量に対して地方債償還や維持管理費が増加しているため、増加傾向にある。⑦公共下水道の処理施設を保有していないため、数値の計上無しとなっている。⑧水洗化率は、職員の水洗化促進に対する意識が高いため、類似団体と比較して高い水準となっており、100％に近い数値となっている。

老朽化の状況について

昭和42年に整備(事業着手)した地域を対象として平成24年度から、老朽管の長寿命化対策に取り組んでいる。一方、カメラ及び目視調査の結果、腐食がほとんど見受けられず、改築更新の必要な管渠が、調査対象の約1.8％にとどまることが分かった。このため、耐用年数の迫る管渠があるものの、現状で改築更新が必要な管渠は少ないと分析している。平成27年度は、管渠及びマンホール蓋の長寿命化を実施している。

全体総括

経営状況は、下水道使用料が増加傾向ではあるが、維持管理費等が増加していることから健全な状況とはいえない。また、下水道普及率が87.7%（平成27年度末）と低く、市域には汲み取り家屋があるため、早期概成を目指して汚水整備をする必要がある。さらに、今後は管渠の老朽化が進むことから、施設の改築更新・維持補修は、既存施設を有効活用して長寿命化を図るストックマネジメントの手法を取り入れ、事業費の平準化を図る。平成29年４月より経営基盤の強化及び財政マネジメントの向上等に取り組むため、地方公営企業法の適用を行うが、維持管理費や投資的経費の最大限の合理化をはじめ、経営改革を図った上で、必要な経費を賄うため、料金体系の見直しを検討していく。