経営の健全性・効率性について
本市の下水道事業は、市の重要施策として位置付け、供用開始から約20年余りの比較的短期間で急速に整備拡大を図りました。事業の進捗に伴い企業債の借入も多くなり、経営の均衡を保つため、内部の行政改革(人件費の削減や委託業務の拡大等)と一般会計からの繰入を行い使用料の市民負担の軽減を図ってきましたが、平成16年度に実質収支不足となりました。平成19年に下水道事業健全化計画を策定し39.9%の使用料改定を、平成23年度にはその計画を変更し22%の使用料改定を実施した結果、平成21年度決算における約19億円の実質収支不足が平成26年度決算では約6億5千万円まで解消しました。しかし、整備拡大での資本費の残高「債務残高」が大きく、「汚水処理原価」も影響され平均値を上回っており、依然経営は厳しい状況です。なお、「施設利用率」については、単独処理場を設置していないため、当該値を計上しておりません。
老朽化の状況について
本市の下水道事業は、昭和45年から流域関連公共下水道として下水道整備に着手し、昭和60年度より供用開始しました。法定耐用年数を経過した管渠はありません。
全体総括
近年の節水意識の向上や節水機器の普及により使用料収入は伸び悩んでおり、経営改善するために必要な使用料の不足額については、依然として一般会計繰入金に依存する部分が大きい状況です。1年でも早く実質収支の不足を解消するとともに、施設の老朽化対策についても長寿命化計画の策定等が急務です。平成31年度法適化にむけて、中期的な収支計画を見直し、下水道事業における財政状況の把握及び持続可能な経営に必要な施策を検討していきます。