経営の健全性・効率性について
平成に入ってから本格的に整備を進めたことで、企業債残高が大きくなり、元利償還金を使用料収入で賄うことができないため、一般会計から多額の繰入金を受けて事業運営を行っている状況です。一方で、平成25年10月には使用料を10%増額改定したことや汚水処理に要する経費の算定方法が変更となった影響等により、経費回収率の改善を図りましたが、依然として100%を下回っている状況です。なお、流動比率については、平成25年度から新会計基準の適用に伴い減少しています。施設利用率については、処理施設を保有していないためグラフには表れません。水洗化率は、平成24年度に集中浄化槽地域の接続が完了したことにより向上しましたが、それ以降は、一般住居地域を整備してきたことから、水洗便所設置済人口と処理区域内人口は緩やかに増加しており、97%前後で推移しています。
老朽化の状況について
枚方市の下水道は、昭和30年代から民間の大規模開発に伴い、整備を進めてまいりました。管渠老朽化率は類似団体を下回っていますが、管渠改善率も下回っており、老朽化が進んでいる状況です。そのため、管渠やポンプ場などの下水道施設については、点検・調査、修繕・改築コストが増加しており、適切なストックの維持管理を図る必要があります。
全体総括
昭和30年代の大規模開発に伴い、整備をスタートし、昭和60年度以降、人口普及率の向上を最優先課題として、汚水管渠をはじめ雨水管渠や排水ポンプ場など、多くの施設を建設しました。平成に入ってから本格的に整備を進めたことにより、経営面では企業債の償還が大きな負担となっています。住居系地域については、平成30年度に事業概成を迎えることとなりますが、それ以降は、老朽化が進む管渠等について本格的な維持管理が必要となるため、「下水道長寿命化計画」やストックマネジメントの考え方に基づく更新・改築事業、及びその財源計画を検討するなど、「経営戦略」の策定に向けた取組みを進めます。