経営の健全性・効率性について
本市の公共下水道は平成13年度に事業着手、平成20年度に供用開始し、比較的新しい下水道である。以下に本市公共下水道の経営分析の要点を示す。①収益的収支比率前年度比▲2.64ポイントの86.13%と大きく減少しているものの、その要因は令和2年3月末の公営企業会計移行に伴う打切り決算により、使用料の減少と地方債償還金の増加によるものと思料。法適後においても、更なる経費削減と使用料の改定を視野に入れ改善に努めていく。④企業債残高対事業規模比率本市は類似団体の平均値に比し、1.7倍と多いもののその要因は普及率が低く、整備途中という現状から企業債残高の増加によるものと思料。汚水整備事業による整備面積は前年度整備分21.4haに比し、+7.6ポイントの29.0haと増加しており、事業継続中は同水準にて推移するものと考えられる。⑤経費回収率回収率は前年同水準にて推移。勧奨業務等による下水道接続率の改善を行うとともに、使用料の改定を視野に入れ改善を図る方針。⑥汚水処理原価浄化センターは未だ整備途中であり、資本費が下がる可能性は低い。改善には有収水量を増やし、処理経費を下げる努力を行っていく。⑧水洗化率平均値を下回っているものの、前年度に比し+1.25ポイントと着実に増加傾向にあり、今後も水洗化率の向上に努めていく方針。
老朽化の状況について
供用開始してから10年程度と法定耐用年数を超えた下水道施設はないため、老朽化対策は行っていない。令和2年度にて、ストックマネジメント計画を策定し、その計画に基づき相応の年数が経過した際には管渠の点検等を行っていく方針。
全体総括
令和元年度末の処理区域面積は552.3ha、普及率47.8%となったものの、類似団体と比較すると依然として低調に推移しており、今後も財政状況を考慮した上で整備を進めていく。その上で料金収入の増加のため、効率的な普及促進活動が必要である。同時に、経営の健全性を確保していくため、事業採算性を考慮しつつ、より一層の維持管理費等の経費削減を行っていく方針。経営戦略については、令和2年度に策定予定。