経営の健全性・効率性について
本市の公共下水道は、平成13年度に事業着手、平成20年度に供用開始し、比較的新しい下水道である。以下に本市公共下水道の経営分析の要点を示す。①収益的収支比率前年度比▲0.7%の88.77%と減少にて推移。この要因については、2つのポンプ場の長寿命化計画に基づく改修工事を行ったことによる維持管理費の増加。雨水事業については一過性の要因とも考えられ、今後は全体での維持管理費等の経費削減にて改善を行う。④企業債残高対事業規模比率本市は類似団体の平均値に比し、1.6倍と多いものの普及率が低く、整備途中という現状から借入の負担は多くなるものと思料。汚水整備事業による整備面積は前年度整備分18.6haに比し、+2.8ポイントの21.4haと増加したものの比率は同水準にて推移しており今後は償還に伴い改善していく予定。⑤経費回収率回収率は前年度同水準にて推移しており、勧奨業務等にて下水道接続率の改善を行い、使用料収入を増加させ、改善を図る方針。⑥汚水処理原価浄化センターはまだ整備途中であり、資本費が下がる可能性は低い。改善するには有収水量を増やし、処理経費を下げる努力を行っていく。⑧水洗化率平均値より15.37ポイント下回っているものの、当市は前年度に比し+1.03と着実に増加傾向にあり、今後も水洗化率の向上に努めていく方針。
老朽化の状況について
供用を開始してから10年と法定耐用年数を超えた下水道施設がないため、老朽化対策は行っていない。今後ストックマネジメントの策定に着手し、相応の年数が経過した際には管渠の点検などを行っていく方針。
全体総括
平成30年度末の処理区域面積は523.3ha、普及率は45.99%となったものの、類似団体と比較すると依然として低調に推移しており、今後も財政状況を考慮した上で整備を進めていく。その上で料金収入の増加のため、効率的な普及促進活動が必要である。同時に、経営の健全性を確保していくため、事業採算性を考慮しつつ、より一層の維持管理費等の経費削減を行っていく方針。公営企業会計については令和2年4月からの運用開始予定。経営戦略策定については令和3年3月までに策定予定。