経営の健全性・効率性について
経営の健全性に係る指標(④・⑤・⑥)に改善が見られるが、これは一般会計繰入金の「分流式下水道等に要する経費」の基準額について、平成22年度に示された算定方法にもとづく計上を行ったためである。一方で効率性を示す指標(⑦・⑧)の改善は、直接的に経営状態の向上に寄与しているといえるが、類似企業平均や全国平均を考慮すると、今後の上げ幅には限界があると考えられる。以上から中長期的な経営改善のためには使用料の適正化が必要になるものと考え、現在(平成29年度)、御殿場市公共下水道審議会において検討を行ってる。
老朽化の状況について
御殿場市の公共下水道事業は、昭和63年より整備を開始し、平成6年に供用を開始した。このため、初期に布設した管渠でも経過年数が30年未満となっており、老朽化は維持管理上の大きな問題とはなっていない。今後に関しては、平成28年度に策定したストックマネジメント計画にもとづき、計画的な点検・調査及び修繕・改築を行う予定である。終末処理場については、平成25年度に策定した御殿場浄化センター長寿命化計画にもとづき改築・更新を行っている。
全体総括
御殿場市公共下水道事業は、平成31年度からの地方公営企業法の適用を目指しており、企業会計方式での運営により減価償却費等が明確になることで、より実態に則した経営が可能になると考えられる。これにより独立採算の理念にもとづく経営がこれまで以上に求められることになるため、一般会計からの繰入金や使用料水準の適正化に向けた検討を進めるとともに、区域の見直しや改築・修繕計画の策定などを通して、中長期的に持続可能な経営を目指していきたい。