経営の健全性・効率性について
平成29年4月使用分より使用料改定を行ったため、収益的収支比率は上昇したが、未だに料金収入では維持管理費の全額を賄えていないことに加え、下水道台帳の整備や管渠の点検等の新たな事業を開始したため、企業債に対しては全額一般会計からの繰入が必要となり、企業債残高対事業規模比率は0.0%となると同時に、経費回収率は低下し、汚水処理原価は増加した。
老朽化の状況について
処理場施設については、定期的に修繕を行ってきたが、10年が過ぎ、老朽化が進むとともに修繕、更新が必要な機器が増えてきている。また、管渠については、平成29年度より目視点検を行っているが、管渠は塩ビ製であり、老朽化はほとんど進行していないが、マンホールポンプ吐出先のマンホールの腐食や、マンホールポンプ自体の腐食が始まっている個所もあるため、注意深く観察していく必要がある。更新や修繕が必要な機器等が増えてきているが、単独事業と補助事業による修繕や更新費用を比較し、安価で十分な効果がある方法を十分検討し、修繕や更新を行っていく必要がある。
全体総括
事業の持続的経営のため、包括的民間委託やコンセッション方式、広域化等が論議されているが、それらの方式の導入の検討に当たっては、委託料や改築、更新費用が適正なものであるか、適正な維持管理が行われているか等を担保するため、下水道公社を中心とした民間委託や広域化を検討していく。また、平成32年度より公営企業会計に移行するが、人口減少等による使用料収入の減少が見込まれているため、下水道接続率が低い地区に対し、引き続き接続推進を行うとともに、使用料改定等を含めた経営計画を作成し、中長期的な安定した経営を目指す。