経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率についてここ数年間は100%前後を維持していた(平成29年度については寒波による宅内漏水の増に伴い有収水量及び料金収入が増加した為、例外的に120%を超えている。)が、人口減に伴う給水収益の減及び老朽化する施設の修繕費の増加を見据え、令和3年4月より料金改定を行ったことにより、152.05%となった。④企業債残高対給水収益比率について建設当初に発行した起債の償還が一部完了していることや、大規模な施設の更新が進んでいないことから類似団体と比較すると低い水準にあるが、令和元年度に策定した若狭町上下水道ビジョンに基づいた統廃合工事や大規模な施設更新工事を進めて行く上で企業債残高が増加することは明確である。⑤料金回収率について⑥の給水原価が安価なこともあり、ここ数年間は100%である。また、令和3年4月からの料金改定により給水収益が増加したことにより、144.69%となった。⑦施設利用率について類似団体や全国平均と同水準であるが、給水量は年々減少傾向にある為、統廃合を含めた施設の更新により適正化を図る必要がある。⑧有収率について類似団体と比較すると良好ではあるが、管路の老朽化に伴う漏水発生により低下傾向にある。今後、計画的な管路更新等により漏水防止に努める必要がある。
老朽化の状況について
現在、当町では12の簡易水道施設を運営している。そのすべての施設において資産台帳が整備されていなかったため、近年では漏水の発生が多い路線を優先して管路更新にあたっていた。今後は策定した若狭町上下水道ビジョン及び整備した資産台帳をもとに、計画的に施設統合を及び費用負担を平準化した上で施設更新する必要がある。
全体総括
現状において、単年度的には経営は健全であるように見えるが、人口減少に伴い給水収益が減少傾向にある中、老朽化した施設の大規模な更新や、統廃合をするために積み立てられた基金は十分ではなく、現時点からの資金の確保は必要である。そこで、令和元年度より上下水道事業経営審議会を開催、若狭町上下水道ビジョンを策定。また、令和3年4月より改定前の約1.3倍の収入を見込んだ料金改定を実施した。また、令和4年4月より若狭町水道事業と経営統合し公営企業会計化して運営することで、減価償却による資産の管理を行い、事業の健全化を進めて行く。