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平成26年度は、少子高齢化の進展による高齢者保健福祉費等の増加により基準財政需要額が増加となったが、市税や、地方消費税交付金等の基準財政収入額の増が大きかったため、単年度及び3年平均ともに増加した。今後は、市税収入が減少傾向にあると見込まれ、高齢者保健福祉費などは増加傾向にあると見込まれることから、厳しい状況が続くものと考えられる。
経常収支比率は、平成20年度から99~98%を推移しており、平成24年度には97%台に戻ったが、平成26年度は、物件費、維持補修費、扶助費等の増加により98.1%となった。県内平均より高い要因は、小学校給食、ごみ収集・処理、消防等の事業を直営単独で実施していることにより、人件費の割合が比較的高いことと思われる。人件費の削減については、努力しているところであるが、経常的な歳入の増が見込めない中、少子高齢化への対応として扶助費、物件費の増、また臨時財政対策債の償還などによる公債費費などの増もあり、今後も厳しい見込みとなっている。
平成26年度は前年度に比べ、人口は横ばいであるが、物件費が増加したため、人口1人当たり人件費・物件費等の決算額は増となった。増額の主な要因は、焼却灰の資源化委託等によるものである。人口1人当たり決算額が類似団体平均を上回っているのは、ごみ収集、消防業務、その他施設運営等を直営単独で行っている等によるものと思われる。民間委託の推進等、コストの削減に取り組んでいるところであるが、行政需要の拡大などもあり、なかなか削減の成果が表れない状況である。今後も、民間でも実施可能な部分については、指定管理者制度の導入などにより委託化を進め、コストの低減を図っていく方針である。
職員構成の変動等により、前年度比0.5ポイントの減となったが、依然として類似団体平均を上回っていることから、近隣他市の状況等を勘案し、今後も一層の給与の適正化に努める。
県内平均、類似団体平均に比べ、高くなっているのは、ごみ収集、消防、その他施設運営等を直営、単独で行ってきたことによるものであるが、ごみ収集の民間委託推進、技能労務職員の退職者不補充、非常勤職員の活用や指定管理者制度への移行等により、職員数の削減に努めていく。
平成26年度単年度比率は、前年に引き続き、下水道事業債償還充当繰入金の減少により下がっており、3カ年平均についても減少した。下水道事業債償還充当繰入金の減少が見込まれるが、(仮称)療育・教育総合センター整備、神武寺トンネル改良の施設整備などによる公債費の上昇が見込まれ比率が上昇することも考えられる。
大型事業の実施により、市債残高が大幅に増加した平成25年度に比べ、2ポイント低下となった。これは下水道事業債残高の減少、土地開発公社保有土地の計画的な買取りによる債務負担行為に基づく支出予定額の減少等によるものである。平成27年度以降も(仮称)療育・教育総合センター整備、神武寺トンネル改良の実施に伴い地方債残高の増加が見込まれ、引き続き厳しい状況である。
ごみ収集、消防、その他施設運営等を直営、単独で行っていることが人件費の占める割合が高い大きな要因である。平成24年度は、定年退職者数の減により退職手当が減額になったことや職員給の減により、若干ではあるが、数値が好転したが、平成25年度は前年度に比べ退職者数が増加したことにより数値が増加した。平成26年度は、退職者数の減(13名から9名)により数値が若干好転した。引き続き、業務の民間委託の推進、指定管理者制度の活用などを進め、コスト削減に取り組む。
物件費に係る経常収支比率は近年増加傾向にある。平成26年度の増加の要因は、焼却灰の資源化委託や文化プラザホールを指定管理者制度に移行した要因が大きい。今後も、民間委託推進等による技能労務職員の退職者不補充、指定管理者制度等により人件費の縮小を図るため、物件費へのシフトが見込まれる。
扶助費に係る経常収支比率は類似団体を下回ってはいるものの、社会福祉費や児童福祉費が増加していることから、全体としても増加傾向にある。平成26年度は臨時福祉給付金や障害者自立支援給付等の増加に伴い前年度より数値が増加した。今後も、障害者自立支援給付等支給事業や生活保護費、保育所入所事業など引き続き増加が見込まれる。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、国民健康保険事業繰出金が主な要因である。税収を主な財源とする普通会計の負担額を減らしていくよう、特別会計繰出金の適正化に努める。
公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を4.4ポイント下回ってはいるものの、平成14年~19年度に建設した文化・教育ゾーン整備事業、平成18年度~平成23年度まで借り入れている退職手当債、そして臨時財政対策債が大きな要因となり、高止まり傾向が続いている。平成26年度は、平成7年度及び8年度に借り入れた減税補てん債の償還完了等に伴い、元金償還金が減少したため、前年より減少した。今後数年間は、施設整備に伴い公債費の増加要素もあるが減税補てん債の償還完了に伴い、減少傾向が見込まれる。
公債費以外の主な特徴は、人件費に係る経常収支比率が類似団体内平均を上回っている(分析は前述)。また、扶助費に係る経常収支比率が類似団体内平均を下回ってはいるものの、社会福祉費や児童福祉費が増加していることから、全体としても増加傾向にある。(分析は前述)