横浜市:公共下水道

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経営比較分析表(2018年度)

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率⑤経費回収率下水道使用料収入等の収入で経費をどの程度賄えているか、事業の収益性を表す指標で、単年度の収支が黒字であることを示す100%以上である必要があります。本市では、収入確保や経費削減等に取り組んでおり100%を超えています。確保した経常的な利益は、今後増加する施設の更新事業費に対応するための財源として積み立てていきます。なお、過去の開発に伴い受贈した膨大な施設等の更新費を下水道使用料で賄うものとして経費の中に含め、経費回収率を算出すると111.8%となります。③流動比率1年以内に返済すべき企業債等の流動負債に対して、すぐに支払いに充てることができる現金等の流動資産をどの程度有しているか、短期的な債務の返済能力を示す指標です。他の政令指定都市と同様、約70%程度となっていますが、流動負債の大半を占める建設改良等に充てた企業債の返済原資は、毎月の下水道使用料収入等により得ることが予定されているため、支払い能力は有しています。平成26年度から流動比率が100%を下回っていますが、これは地方公営企業会計制度の改正に伴い、1年以内に返済期限が到来する企業債を流動負債に計上したことによるものです。④企業債残高対事業規模比率使用料収入等に対する長期借入金(企業債)の割合であり、事業の規模に対する企業債残高の比率を示す指標です。本市は膨大な資産を保有し、事業規模が大きいため、政令指定都市の平均(537%)と比較するとやや高めですが、これまで収入確保や経費削減等により企業債残高を着実に削減しており、低減傾向で推移しています。⑥汚水処理原価1m³の汚水をきれいにするために必要な経費を示したものです。下水道施設の保守管理を一部委託化する等の経費削減努力などにより、政令指定都市の平均(118.55円)を下回っており、安定して推移しています。⑦施設利用率水処理施設の一日の処理能力に対する一日平均処理水量の割合を示したものです。現有施設へ流入する汚水量は、年間を通じて変動することから、常に処理能力に不足が生じないよう、最大の流入水量に対応できる処理能力を確保する必要があります。当該指標は、この処理能力に対する一日平均処理水量の割合で算出しており、他の政令指定都市等と同様、6割程度で推移しています。⑧水洗化率30年度末で99.72%と高い水準にあります。未接続世帯に対する個別訪問等の取組により、水洗化が進んでいます。

老朽化の状況について

本市では、昭和40年代以降、集中的に多額の建設投資を行った結果、管きょ延長は約11,900㎞に達するなど膨大な資産を有しています。①有形固定資産減価償却率数値が高いほど耐用年数に近い資産が多いことを示し、資産の老朽化度合いを示す指標です。本市の数値は、政令指定都市平均(47.06%)と比較して耐用年数を迎える施設が増加しつつあり、老朽化が進んでいます。そのため、施設の状態を適切に把握し、事故やトラブルを未然に防ぐ予防保全型維持管理と計画的な再整備を進めます。②管渠老朽化率下水道施設のうち、管きょの総延長に対し、老朽化している割合を示す指標です。現時点では、政令指定都市平均(9.63%)を下回っていますが、29年度と比較し0.08%増加し、老朽化が進んでいます。今後は、管きょの清掃と同時に行うノズルカメラによるスクリーニング調査を推進し、老朽化の進行度に応じた修繕や再整備を実施していきます。③管渠改善率管きょの総延長に対し、更新した割合を示す指標です。本市では、昭和45年頃までに敷設したエリアの再整備等を計画的に進めています。また、スクリーニング調査により再整備の優先度が高い箇所を効率的に抽出するとともに、工事期間の短い管更生工法を活用し、長寿命化を図るなど老朽化対策のスピードアップを図ります。

全体総括

これまで予防保全型の維持管理や計画的な更新等必要な事業を効率的・効果的に進めるとともに、収入確保や経費削減、企業債残高の着実な縮減などに取り組んできたことにより、経営の健全性・効率性は確保できています。今後は、新たに策定した横浜市下水道事業中期経営計画2018の取組を推進し、大規模更新時代の本格的な到来を見据え、一層の効率的・効果的な事業推進に努めるとともに、引き続き収入確保と支出削減の取組を推進し、持続可能な財政運営を目指します。

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