2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度
指数算出値である基準財政需要額は、6.2%(前年度比)増に対し、基準財政収入額は、5.9%増(前年度比)となっている。財政力指数は0.01ポイント下がり、依然として東京都平均との乖離は大きく、今後とも緊急に要する事業を峻別し、投資的経費の計画的平準化による抑制をするなどして、歳出の徹底的な見直しと更なる歳入確保を務めつつ、財政基盤の強化を図る。
教育施設及び公園維持管理経費等の物件費の増や公債費の増により分子が14億38百万円増加したものの、特別区交付金や地方税の増額などにより分母も78億64百万円増加したため、前年度比3.7ポイント減(改善)となった。平成19年度ぶりに70~80ポイントの範囲内となった。今後は新型コロナウイルスの影響に加え、地方法人課税の一部国税化に伴う特別区交付金の減少などにより、経常収支比率の悪化が見込まれるため、事務事業の見直しなど、財政構造の弾力化に向け取組を継続していく。
人件費は、職員給、退職手当の増が影響しており、物件費は、プレミアム付商品券事業や高濃度PCBの廃棄処分などの増により、前年度より2,437円増加している。人的資源を時代の変化や行政需要に対応し、非効率的かつ効果的な配置を行うとともに引き続き職員定数の適正化に務めるだけでなく、会計年度任用職員制度の導入に伴う増加にも留意する。物件費等についても、徹底した事務事業の見直しなどにより精査していく。
昇給査定が「極めて良好」及び「特に良好」の場合の昇給号給数が国よりも低いためラスパイレス指数も国より低い水準で推移している。行政系人事制度改正に伴う差額支給者の昇任や退職状況による影響を受けていると考えられる。
保育園及び学校の調理・用務業務の委託化、学童クラブ運営業務の委託化などのアウトソーシングや区施設における指定管理制度の積極活用など、公共サービスの民間開放を中心に職員数を削減してきた。一方、少子高齢化、子どもの貧困、児童虐待への対応等、行政需要の拡大に伴い、今後について職員数の増を見込んでいる。
3ヶ年平均で見ると、実質公債費比率は-3.6%、前年度比0.2%となっているが、元利償還金等は減少しており、令和元年度単体では、-4.5%と減少傾向にある。
計画的な起債発行に努めていることで、地方債現在高は減少傾向にあることに加え、退職手当負担見込額の減少により、将来負担額は減少している。平成30年度と同様、将来負担比率は生じていない。
退職手当の増などにより、経常的経費は0.2ポイントの増となったものの、特別区交付金の増などにより経常収支比率は前年度から0.9ポイント減となっている。今後も業務の委託化や指定管理者の活用などによる事務事業の効率的・効果的な見直しの検討を行うことなどにより、職員定数の適正化に努めるとともに、会計年度任用職員の導入に伴う経費負担を注視していく。
教育施設及び公園維持管理経費等の増により、経常的経費は前年度比2.2ポイント増となったものの、特別区交付金の増などにより経常収支比率は前年度から0.9ポイント減となっている。事業の見直しを行うことにより、経費の縮減に努めていく。
前年度に比べ、0.8ポイント減となったものの、扶助費に係る経常収支比率が類似団体等の平均を大幅に上回っている。待機児童対策推進や自立支援給付経費の増などによるものである。新型コロナウイルスの影響などにより今後も増加が見込まれるが、扶助費の増加は財政硬直化を招く大きな要因となることから動向に注意を払う。
保育の無償化に伴う私立幼稚園保護者負担軽減の減などにより0.3ポイントの減となっている。類似団体内順位について、経常であり形骸化した補助や他自治体の実績に基づき、毎年度縮減に向けた見直しに努めているところではあるが、新型コロナウイルスの影響により更なる見直しを図っていく。
公債費については、元金償還金(減債基金積立金)の増により前年度から0.3ポイント増となっている。今後、小・中学校を含めた公共施設の更新が本格化することに加え、新型コロナウイルスの影響に伴う緊急財政対策の中で起債の計画的・戦略的な活用が必要となるため、財政見通しを判断しながら、後年度負担の増大を抑制していくことが必要となる。
(増減理由)財政調整基金については、令和元年度に東武東上線連続立体化事業基金の積立のために45億円繰り入れたことなどにより、前年度から減となっている。東武東上線連続立体化事業基金を新たに新設し、財調基金から積立を行った。元年度末の残高は約45億円であり、前年度から皆増である。住宅基金は今後の区営住宅の改築への財政需要に対応するため、約25億円積み立てたことにより前年度比132.1%、約24億円の増となった。3月最終補正予算編成時の剰余金により義務教育施設整備基金に49億円、公共施設等整備基金に36億円積立てたこと等により、基金全体では前年度比14.0%、87億円の増となった。(今後の方針)令和2年度も特別区交付金の大幅な減や、新型コロナウイルス対策などの緊急を要する財政需要に対して財政調整基金の活用を行っている。今後も景気後退期に必要な金額を確保することを考慮し、戦略的に活用を図る。義務教育施設整備基金と公共施設等整備基金は、歳入の大幅な減収局面が継続すると想定されるため、計画的な積立を当面見合わせる。
(増減理由)財政調整基金については、令和元年度に東武東上線連続立体化事業基金の積立のために45億円繰り入れたことなどにより、前年度から減となっている。(今後の方針)令和2年度も特別区交付金の大幅な減や、新型コロナウイルス対策などの緊急を要する財政需要に対して活用を行っている。今後も景気後退期に必要な金額を確保することを考慮し、戦略的に活用を図る。
(増減理由)前年度から変更なし。
(基金の使途)・義務教育施設整備基金:義務教育施設の増改築、大規模改修及び耐震補強工事に要する資金に充てる。・住宅基金:住宅対策事業の推進により、快適な住宅環境の形成に寄与する事業に充当する。・平和基金:平和事業の推進により、世界平和の実現に貢献する事業に充当する。・佐藤太清青少年美術奨励基金:青少年の美術奨励に資するため、佐藤太清氏からの寄付金を基に設置し、区民等の寄附金をもって充てる。・いたばしボランティア基金:区民とともにボランテイア活動を推進し、もって区民の福祉の向上に資するため設置し、区民等の寄付金をもって充てる。・櫻井徳太郎民族学研究奨励基金:民俗学の研究奨励に資するため、櫻井徳太郎氏からの寄付金を基に設置し、区民等の寄付金をもって充てる。・公共施設等整備基金:公共施設(義務教育施設を除く)の建設、増改築、大規模改修、耐震補強工事、用地の取得その他の整備及び緑化の推進委資する用地の取得に要する資金に充てる。・東武東上線連続立体化事業基金:東武東上線連続立体化事業及びこれに関連する事業に充当する。(増減理由)・義務教育施設整備基金、公共施設等整備基金:決算剰余金による増・住宅基金:今後の改築に対応するため積立の増・東武東上線連続立体化事業:基金新設による皆増(今後の方針)・義務教育施設整備基金と公共施設等整備基金は、歳入の大幅な減収局面が継続すると想定されるため、計画的な積立を当面見合わせる。
平成30年度と令和元年度を比較した際に、取得価格が29億増、減価償却累計額が54億増となっており、その結果、減価償却率が1.5ポイント増加している。これは、令和元年度に取得日と建築年月日が不一致による台帳整備(公営住宅等)を行ったことが影響しており、仮に当該台帳整備を行わなかった場合の減価償却率は0.7ポイント増となっていた。
債務償還比率の計算式によると、分子(将来負担額-充当可能財源)は-21,418,762千円、分母(経常一般財源等-経常経費充当財源等)は72,734,928千円となり、債務償還可能年数は、「-」となった。税制改正による普通交付金の減や新型コロナウイルスの影響などによる極めて厳しい財政運状況のなかで、戦略的な起債発行が求められるが、新たな収入確保策の確立、事務事業の見直し及び公共施設の適正配置など、更なる行財政改革を推進していく。
将来負担比率は生じていない一方で、小・中学校をはじめとした公共施設の更新需要は継続して見込まれている。今後も区民ニーズを的確に捉えながら、施設更新や複合化について計画的にすすめ、中・長期的視点による施設の維持・管理を推進していく。
将来負担比率については、一般会計等が負担する将来負担額に対し、充当可能財源の額が上回るため、将来負担比率はマイナスとなっている。実質公債費比率については、早期健全化基準を大きく下回る算定結果となっている。分子である地方債に係る元利償還金等が7百万円減少したものの、元利償還金・準元利償還金にかかる基準財政需要額算入額が1億34百万円減少し、単年度の比率は0.2ポイント悪化した。
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