経営の健全性・効率性について
本市においては、平成23年3月11日に発生した東日本大震災において、埋立地を中心に大規模な液状化現象が起こり、下水道施設に甚大な被害が発生したところである。被害については下水道課管路総延長295キロメートルに対し、約60キロメートルが液状化の土砂で閉塞、人孔の浮上および管渠のクラック等が生じた。経営の健全性や効率性を示す①収益的収支比率⑤経費回収率は、国庫補助事業による災害復旧工事について終了し⑥汚水処理原価が減少したことより、直近2年の水準から回復した。⑤経費回収率については回復基調にあり、今後も経営の効率性を改善していくうえで注視していく。
老朽化の状況について
H26年度は、東日本大震災の影響で被害を受けた管渠等について、災害復旧工事を行ったことにより一時的に管渠改善率が上昇していたが、H27年度は更新をしていないため改善率は0となった。本市には設置から50年を経過した老朽管は現状無いが、老朽は確実に進んでおり、更新設備の平準化を図るなどストックマネジメント計画を策定のうえ、老朽化対策を進めていく予定である。
全体総括
東日本大震災より5年が経過し、国庫補助事業の災害復旧工事については終了し、付帯工事や工事事後補償等引き続き実施しているところである。今後はストックマネジメント計画策定による管路の更生や改築を検討している一方で、平成32年度からは地方公営企業法の一部適用も予定している。下水道使用料と維持管理費等のバランスを考慮し経営計画策定を行い、経営基盤の強化に向けて取り組んでいく。