経営の健全性・効率性について
ふじみ野市下水道事業は、平成28年度から地方公営企業法の全部を適用し、地方公営企業へ移行したため、平成27年度は打ち切り決算を行った影響で「収益的収支比率」、「経費回収率」及び「汚水処理原価」の数値は減少しています。①収益的収支比率は、打ち切り決算をしなかった場合で算定すると101.79%となり、収益で費用を賄い利益が発生していたと言えます。④使用料収入に対する起債残高の割合である企業債残高対事業規模比率は、打ち切り決算をしなかった場合で算定すると247.66%となり類似団体平均値(以下「平均」といいます。)を大幅に下回り債務残高を低く抑えられている状態を継続しています。⑤経費回収率は、打ち切り決算をしなかった場合で算定すると102.18%となり平均を上回る結果となり、使用料で回収すべき経費を賄えています。⑥有収水量1㎥あたりの汚水処理に要した費用である汚水処理原価は、打ち切り決算をしなかった場合で算定すると83.4%となり前年度とほぼ横ばいで平均を下回る結果となっています。⑦下水処理場を有していないため、該当しません。⑧現在処理区域内人口のうち、実際に水洗便所を設置して汚水処理している人口の割合である水洗化率は、平均を上回る結果となっています。しかし、今後予定している公共下水道の新規整備を実施した場合、高い水洗化率の維持が課題となります。※②、③は、地方公営企業法非適用団体のため、該当数値なし
老朽化の状況について
本市の下水道事業は、昭和40年代以降の人口の急増への対応や普及促進に重点を置いて整備した多数の施設を保有しています。供用開始から30年以上が経過し、施設の老朽化が顕著になっています。今後、高度経済成長期に集中して整備した施設が一斉に更新時期を迎えるため、平成26年度から管渠の経年劣化による老朽化を調査するとともに、不明水対策として地下水位の高い地域を対象に調査を実施し、平成30年度に長寿命化修繕計画を策定する予定です。また、老朽管の更新整備に加え公共下水道未整備地域の整備方針を定めるとともに新規整備を進めるため、平成29年度に公共下水道整備計画を新たに策定する予定です。※①、②は、地方公営企業法非適用団体のため、該当数値なし
全体総括
これまでの下水道事業は、施設の新増設を積極的に行い、水洗化の普及促進に重点を置いてきましたが、施設は老朽化しつつあり、長寿命化や更新の取り組みが必要となっています。さらに、今後の大規模な施設の新規整備や更新整備により、資金需要が高まることが見込まれますが、収益は下水道普及率が固定していることや節水意識の定着などの要因から大幅な増加は期待できません。このような状況をふまえ、平成30年度から10年間の経営指標となる下水道事業経営戦略を策定するとともに適正な使用料収入を確保し、将来にわたり地方公営企業本来の目的である福祉の増進が図られるよう、経営基盤強化へのより一層の取り組みを進めます。