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財政力指数については,類似団体平均を0.19ポイント上回っているが,指数は平成21年度以降,微減の傾向で推移しており,今後も税収の急激な増加は見込めない状況が予想されるが,町民税,固定資産税等の徴収強化,公有地の民間への売却など税収の安定的確保に努める必要がある。
平成28年度については前年度と比較して,地方消費税交付金や臨時財政対策債といった一般財源の減により,経常収支比率が4.7ポイント上昇し,類似団体平均を2.1ポイントと若干下回った。さらに今後は,公債費においては統合小学校建設に係る償還が開始することや,扶助費,繰出金の増が懸念される一方,町税の増収は期待できない状況であるため,当該比率の抑制のため一層の経常経費の削減と,税収の確保に努める。
類似団体平均を上回っているのは人件費が要因となっている。これは,常備消防を町単独で運営していることや,復興事業,観光事業及び原子力防災関連事業の実施により人員を要していることによる。人件費については,平成24年度から減少傾向にあるが,今後は再任用職員等を活用することにより引き続き人件費の抑制を図っていく。物件費については,平成27年度よりふるさと納税による寄附が増大し,その返礼品等に係る費用が増となっていることなどが主な要因となって,ほぼ前年度と同額となっている。
対前年度比較では0.5ポイント減となったが,類似団体平均値を0.4ポイント上回っている状況である。これは職員年齢構成の不均衡によるものであり,昇格等が他の団体より早期となるため,当該指数が高くなる傾向がある。前出の理由により今後は50歳以上の職員の割合が低くなるため,職員の平均年齢が下がり,人件費総額については減少していく見込みである。
産業振興施策の強化,震災復興事業の推進,子育て支援・教育環境の充実など喫緊の課題や行政需要の増加に加え,まち・ひと・しごと創生総合戦略,茨城国体の推進など,新たな行政需要に対応できる配置を行っていることや,消防業務を単独で運営していることから,類似団体内平均値を2.08ポイント上回っている。今後も,再任用職員や嘱託職員等の多様な雇用形態を活用するとともに,事務事業の見直しを行うことにより,定員管理の適正化を図る。
類似団体平均を4.7ポイント下回っており,昨年度まで算定に含まれていた平成25年度の数値が除かれたため対前年度比においても0.6ポイント下回った。しかしながら今後数年間は,統合小学校建設等,直近の借り入れに係る新たな償還が開始することにより公債費の急増が見込まれ,指標の更なる上昇が予測されため,その他の地方債の発行を抑制するなど,急激な比率の上昇を抑える必要がある。
平成26年度から,統合小学校校舎建設事業,役場庁舎耐震改修事業等の大規模事業の新規借り入れが増えたことにより地方債現在高が増え,それによって類似団体平均を56.6ポイントと大きく上回っている状況となっている。今後数年間は,これらの関連事業の継続もあることから更なる上昇が見込まれるため,その他の地方債の発行を抑制し,基金の積み立て等により急激な比率の上昇を抑えていく必要がある。
人件費に係る経常収支比率については,普通建設事業費の減少による支弁人件費分の人件費の減により,対前年度比で2.0ポイント増加した。依然として類似団体平均を8.9ポイント上回っているが,これは,当町に原子力施設が立地しており,また,常備消防業務の必要性から町単独で消防を運営していること,さらには,全国有数の観光地としての積極的な施策の展開などに人員を要していることが要因である。今後,職員年齢構成の変動により50歳以上の職員の割合が低くなるため職員年齢が低下し減少が見込まれるが,適正な定員管理と行財政改革の取り組みを通して,人件費の削減に努める。
物件費に係る経常収支比率については,光熱水費の減などにより昨年度より0.2ポイント減少した。しかしながら,類似団体平均には及ばないため。引き続き施設管理経費の節減や施設使用料等の財源確保に努め,更なる改善に努める。
扶助費に係る経常収支比率については,ここ数年はほぼ横ばい(対前年度比で0.1ポイント増)であるが,今後については高齢化等により増加傾向が見込まれるため,制度の改正等を含め注視していく必要がある。
その他に係る経常収支比率については,類似団体平均を2.1ポイント上回っている。対前年度比においては,下水道事業特別会計をはじめとする特別会計への繰出金が増加したことを要因として0.8ポイント増加した。今後更なる特別会計の健全経営に努め,繰出基準を超える特別会計への繰出金を抑制し,普通会計の一層の負担軽減に努める。
補助費等に係る経常経費については,人件費で述べたとおり,町単独で消防を運営しているため,広域消防に加入している傾向の高い類似団体と比較して経常的にその平均を下回っている。本年度についても類似団体平均を6.0ポイント下回っているが,対前年度比においては,大洗,鉾田,水戸環境組合や町社会福祉協議会への負担金の増等により,0.8ポイント増加した。今後についても,当該組合への組合負担金の増額が見込まれるため,その他の補助費等の抑制に努める。
公債費に係る経常収支比率については,新たに償還が開始した公債費により対前年度比で1.2イント上昇した。類似団体平均を3.4ポイント下回ってはいるが,ここ数年統合小学校建設等に係る多額の地方債発行があり,また,今後についても関連する地方債の発行も見込まれるため,その他の地方債の発行を抑制し,急激な数値の上昇を抑える必要がある。
公債費以外の経常収支比率については,類似団体平均を5.5ポイント上回っている。これは人件費に係る経費が大きく影響しており,要因としては,既に記したとおり,当町の原子力施設の立地から常備消防業務を単独で運営していること,また,全国有数の観光地としての観光事業の積極的な展開等によるものである。今後,人件費は徐々に減少する見込みであるが,その他項目についても扶助費や他会計への繰出金等,増加が見込まれる経費についてもこれを注視し,抑制していく必要がある。
実質公債費比率については,類似団体と比較して過去5年間低い状態となっているが,将来負担比率については26年度からの統合小学校建設事業や役場庁舎耐震改修事業等の大規模事業の新規借入れが増えたことにより地方債残高が増えたため上昇したと考えられる。今後数年間はこれらの関連事業の継続もあることから更なる上昇が見込まれるため,その他の地方債の発行を抑制し急激な比率の上昇を抑える必要がある。
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