経営の健全性・効率性について
①②平成30年度の経常収支比率は113.78%であった。使用料収入は、元々少額なうえ既に水洗化率がほぼ100%になっていることから今後の増加は見込めず、一般会計からの基準外繰出金で補っている状況である。③流動比率が484.34%と高いのは、企業債現在高が少ない(流動負債が少ない)ためである。④企業債残高は減少し令和10年度でなくなる。企業債残高対事業規模比率について「0」となっているのは、現状、今後の償還については総務省が示す繰出基準(分流式下水道に係る経費)に全額該当するものと判断し、残高の全額を一般会計からの繰入により償還するとしたことによるものである。⑤⑥経費回収率、汚水処理原価は、いずれも類似団体との比較では劣る状況である。今後も収入確保や経費削減のための対策を検討、実施していく必要がある。⑦施設利用率は34.38%と低く、類似団体も下回っているが、当面このまま推移するものと見込んでいる。⑧整備が既に完了し、水洗化率はほぼ100%近い数字となっている。
老朽化の状況について
①平成8年に供用開始しており、比較的老朽化は進んでおらず、有形固定資産減価償却率は3.99%と低い値である。老朽化への対策あるいは新たな整備手法の検討をしなければならない時期に来ている。
全体総括
林業集落排水事業は平成30年度から法適用となった。当該事業地区は山間部にある小さな集落で、冬期間は特に雪が多くなる場所にある小規模施設である。水洗化率はほぼ100%だが、処理区域内人口も約50人と少なく、使用料収入の増加は期待できない状況である。施設の老朽化とともにその対策や新たな整備手法を検討する必要がある。