経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率については、単年度の赤字を示しており、昨年度よりもやや減少している。今後は元利償還金が減少傾向にあることから、使用料収入の確保及び維持管理経費の削減に努める必要がある。④企業債残高対事業規模比率については、管渠整備に伴う処理区域の拡大が概ね終了したため、新規の起債発行が抑制され、今後は減少傾向を示すと予測される。⑤経費回収率については、使用料対象経費を賄えていない状況にあり、これは元利償還金が汚水処理費の6割を占めていることが要因と考えられる。今後元利償還金は減少傾向にあるため、使用料収入の確保及び効率的な施設管理を行い経費削減に努める必要がある。⑥汚水処理原価については、類似団体に比べ高い数値を示している。これは汚水処理費のうち6割を元利償還金が占めていることが要因と考えられるが、今後は減少傾向にあるため、水洗化率の向上により有収水量の増加に取り組む必要がある。⑦施設利用率については、類似団体に比べ良好な値を示しており、今後、接続件数の増加に伴い上昇していくと予測される。⑧水洗化率については、類似団体に比べ良好な値を示している。管渠整備に伴う処理区域拡大が概ね完了したため、水洗化による環境衛生面での効果、水洗化支援策などの広報周知等により、水洗化促進に一層取り組む必要がある。
老朽化の状況について
下水道管渠の法定耐用年数は、一般的に50年とされている。当町の下水道事業は供用開始から14年を経過したばかりであり、小規模な公共桝などの修繕を除き、管渠自体に関する修繕、更新等を行った実績はない。
全体総括
下水道事業は供用開始から14年を経過し、これまで管渠延長に伴う区域拡大を優先して行ってきたが、整備が概ね完了したため、経営指標としては全体として改善されていくことが想定される。今後も、資本費平準化債を含む起債の新規発行の抑制に取り組み、元利償還金の負担を抑制することが必要である。同時に、水洗化による環境衛生面での効果、水洗化支援策などの広報周知等を行うことで、使用料収入の確保に一層取り組むことが必要である。