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山口県萩市:市民病院の経営状況(2020年度)

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収録データの年度

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経営比較分析表(2020年度)

地域において担っている役割

当院は山口県北部地域において唯一の公立病院として、急性期医療を担っている。具体的には、病院群輪番制による救急医療を担うとともに、萩地域で唯一入院施設を有する小児科及び急性冠症候群については、24時間体制で受け入れを行っている。救急医療については、令和2年度から病院群輪番制が4病院から3病院に減少し、更に当院の役割が増加している。また、へき地医療拠点病院として離島の公立診療所の診療支援(代診や遠隔画像診断システム)を実施、新型コロナウイルス感染症については、入院協力医療機関としての役割を担うとともに、CTやMRIなどの医療機器について共同利用も行っている。

経常収支比率

医業収支比率

修正医業収支比率

累積欠損金比率

病床利用率

入院患者1人1日当たり収益

外来患者1人1日当たり収益

職員給与費対医業収益比率

材料費対医業収益比率

経営の健全性・効率性について

令和2年度においては、コロナ禍による受診控えの影響や外来の縮小、新型コロナウイルス感染症患者の入院協力医療機関としての病床確保により病床数が一時的に削減された影響もあり、医業収支比率が前年度比-2.4%の80.0%と落ち込んだ。一方で令和元年度から活用している経営アドバイザーの指導により取り組んできた経営改善の効果が表れ、入院基本料も令和2年12月には「1」に格上げとなり、僅かではあるが、入院単価は上昇に転じている。また、コロナ患者入院協力医療機関等に係る補助金受け入れにより補助金が増加し、経常収支比率は97.3%と前年度比+3.5%の改善となった。給与費については職員の平均年齢の上昇により増加傾向が続いており、コロナ禍による医業収益悪化により、給与費対医業収益比率が大きく上昇している。引き続き、経営改善の取組を進め、ベッドコントロールによる看護必要度の引き上げ等、更なる収益改善に努める。

有形固定資産減価償却率

器械備品減価償却率

1床当たり有形固定資産

老朽化の状況について

開院から既に20年以上が経過し、有形固定資産減価償却率も年々増加、類似病院平均値を10ポイント以上上回るなど施設の老朽化が進んでいる。平成12年4月の移転改築であり、一括して施設設備の整備を行っていることから、同時期に法定耐用年数が経過するため、今後は空調設備の更新(令和元年度~令和3年度)、屋根・外壁の改修(令和6年度~令和8年度)等の大規模な改修を実施しなければならない。器械備品減価償却率が類似病院平均値を8.8ポイント上回っているが、これは耐用年数の1.5~2倍の使用を想定し適切な保守や修繕等によりできるだけ延命化を図っているためである。しかし、1床当たりの有形固定資産額は類似病院平均値、全国平均値よりも高い。施設設備と器械備品の更新について、大幅な事業費の変動を避けつつ、地域医療における公立病院として必要な機能・設備と経営の効性を比較考慮して実施する必要がある。

全体総括

少子化や人口減少、医療従事者不足等、萩医療圏域を取り巻く環境は一層厳しいものとなっている。そうした中でも、山口県北部地域における唯一の公立病院として、急性期医療に求められる病院の役割を果たし、病院機能の維持・強化、医療の質の向上に努めている。新型コロナの協力入院機関としての対応も求められており、このような状況においても、経営安定のための収入確保及び施設・設備の計画的な維持管理等による経費削減に努め、一層の経営改善に取り組む。また、令和元年度より導入した総務省の公営企業経営支援人材ネット事業の病院経営コンサルタントによる経営支援の効果も徐々に表れている。引き続き、地域の実情に即した持続可能な医療提供体制を構築していくため、関係機関との調整を続けながら、経営形態の見直しや中核病院の形成に向けた検討協議を進める。

出典: 経営比較分析表,

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