島根県安来市：安来市立病院の経営状況（2020年度）

地域において担っている役割

①救急告示病院として、二次救急を主体とした急性期医療を提供②地域医療拠点病院として、関係機関との連携により在宅医療に対応する機能③高度医療機器等を活用し、人間ドックやがん検診等により予防活動に対応する機能④卒後臨床研修の地域利用実習をはじめ、看護師・薬剤師等の医療技術職や地域の中学生等の医療現場体験等の受入れを行うなど、医療技術職の人材育成を行う機能

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	97.9	94.9	97.6	97.1	96.1	96.5	94.1	95.4	99.6
類似団体内平均値（％）	97.1	96.3	96.9	98.3	96.7	96.6	97.2	96.9	100.6

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	90.0	86.5	83.9	83.2	82.3	84.0	81.0	82.7	80.9
類似団体内平均値（％）	87.7	86.6	85.4	85.3	84.2	83.9	84.0	84.3	80.7

修正医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）							75.3	76.9	74.2
類似団体内平均値（％）							80.4	80.6	77.1

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	55.2	63.4	67.9	72.8	69.7	65.0	64.0	58.1	64.1
類似団体内平均値（％）	92.4	95.4	84.4	85.2	87.1	88.4	92.3	94.7	97.2

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	78.5	74.8	72.4	72.7	71.6	75.9	85.9	85.2	84.8
類似団体内平均値（％）	69.0	68.5	68.3	67.9	69.8	69.7	70.1	70.4	65.8

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（円）	28260.0	28348.0	28415.0	29584.0	29880.0	31009.0	30720.0	31140.0	30304.0
類似団体内平均値（円）	31025.0	31577.0	32431.0	32690.0	33491.0	34136.0	34924.0	35788.0	37855.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（円）	10004.0	9938.0	10211.0	10248.0	10110.0	10107.0	9869.0	10138.0	10105.0
類似団体内平均値（円）	9176.0	9437.0	9726.0	10037.0	9976.0	10127.0	10241.0	10602.0	11234.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	61.4	64.5	67.2	68.4	70.0	68.3	72.6	69.8	75.2
類似団体内平均値（％）	61.2	61.8	62.9	63.3	64.2	64.2	64.7	64.4	70.2

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	14.7	15.8	15.9	15.1	14.0	13.9	13.3	13.1	12.5
類似団体内平均値（％）	19.4	19.5	19.2	19.2	18.9	18.6	17.9	17.8	18.0

経営の健全性・効率性について

病床機能の適正化を図るため平成29年11月に183床から148床へ病床再編を行ったこと、また、令和2年度は稼働病床数を130床としたことにより、病床利用率は高い水準を維持していまが、入院患者1人1日当たり収益及び外来患者1人1日あたり収益は類似病院平均値を下回っています。経営の健全化のためには患者数を増やすことに加えて単価向上への取り組みが必要となってきます。費用面では、特に職員給与費対医業収益比率が類似病院平均をかなり上回っていることから、抜本的な見直しが必要となっています。引き続き費用の適正化と削減にむけた検討を行うことが必要となっています。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	61.4	62.9	70.5	70.1	72.9	74.6	74.9	77.0	78.6
類似団体内平均値（％）	48.3	48.0	52.2	52.4	52.5	53.5	54.1	54.6	56.9

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	66.2	64.7	80.3	72.8	78.4	80.9	77.6	81.0	84.8
類似団体内平均値（％）	64.3	63.3	69.6	69.2	69.7	71.3	71.4	71.7	72.9

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（円）	34410367.0	35274578.0	38690918.0	38845082.0	38926776.0	48453358.0	48096372.0	48153797.0	48411304.0
類似団体内平均値（円）	33533100.0	34139294.0	35115689.0	35730958.0	37752628.0	39094598.0	40683727.0	41891213.0	42806727.0

老朽化の状況について

有形固定資産減価償却率及び器械備品減価償却率が全国平均や類似病院平均を上回っており、施設及び機械備品が全体的に老朽化している状況です。現在、当院を含めた安来市全体の医療提供体制のあり方が検討されている最中であることから、それが結論付けられるまでの間は、施設改修や機械備品の整備など、診療提供体制維持のための必要最小限の更新に留めることとしています。

全体総括

安来市立病院新改革プランに掲げた経営の効率化の取り組みを前年度に引き続いて実行したが、整形外科医の退職や看護師の中途退職に伴う影響は、収益の減少の要因となり、さらには、新型コロナウイルス感染症拡大に備えて、病床の一部を患者受け入れ用として確保するために入院を抑制したことにより、病院経営に大きな影響を与える要因となりました。今後は、引き続き経費削減を行いながら、断らない医療の実践、他の医療機関との連携強化、広報活動等を行い、患者確保を図るとともに、人口減少が続く中であっても選ばれる病院になれるよう努めていく必要があります。