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地方財政ダッシュボード

兵庫県南あわじ市の財政状況(2019年度)

🏠南あわじ市

地方公営企業の一覧

特定環境保全公共下水道 農業集落排水 漁業集落排水 国民宿舎慶野松原荘


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は0.41で類似団体平均程度となった。今後も少子高齢化や人口流出等により税収の大幅な増加は見込むことができず、数値を改善させるためには歳出の見直すとともに、地方への人の流れを加速させる移住・定住施策の推進に取り組む必要がある。このため「第3次南あわじ市行政改革大綱」及び「南あわじ市財政計画(以下、財政計画という。)」に基づき、定員管理・給与等の適正化、補助金の整理統合、経常経費の見直し等を徹底するとともに、歳入確保のため地方税の徴収強化や使用料・手数料の定期的な見直し等に努める。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は93.2%となり、前年度よりも1.0ポイント改善した。歳出においては、繰上償還の実施による公債費の減や、扶助費の減などにより減となった。また経常経費一般財源においては、市税や地方消費税交付金の減、合併算定替の縮減による普通交付税の減があったものの、幼児教育無償化等にともなう地方特例交付金の増により増減が相殺されほぼ横ばいとなり率が改善した。今後も普通交付税の縮減や市税、税交付金の減少等による比率悪化が懸念されるが、歳出面において、引き続き計画的な繰上償還の実施等の経常経費の抑制に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

少子高齢化や人口流出による人口減少に加え、今回は物件費等の増が1人当たりの金額を大きくする要因となっている。人件費においては勤勉手当の増、県議会議員、参議院議員選挙による時間外手当の増、物件費等はプレミアム付商品券事業の増等による。また、人口は前年度から574人減少したことで1人当たりの決算額は前年度より4,970円の増額となった。類似団体比較では平均程度となっているものの、全国や兵庫県平均と比較すると大きな差がある。今後も移住・定住促進事業等を進めながら、定員管理や給与の適正化、物件費等の抑制に取り組んでいく。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度より0.4ポイント上昇し、類似団体と比較すると0.8ポイント高い数値となった。経験年数階層の変動による上昇が0.2ポイントと大きな要因となっている。引き続き適正な人事配置と行政効率の高い組織づくりを進めていくことで、一層の給与適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

「第1次・第2次定員適正化計画」に沿って新規採用者を退職者の1/2以内に抑制してきたことや、平成28年度からの「定員管理計画」に沿って定員管理を実施したことにより、平成17年4月時点で661人であった職員数を令和2年4月時点で483人まで減少させた。今年度の普通会計における人口1,000人当たりの職員数は新部門設立による増員2名や人口の減少により0.16人増加した。今後も業務内容と職員総数、職員の年齢構成等を踏まえながら、引き続き適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は14.1%となり、前年度の横ばい。計画的な繰上償還により、算定分子である公債費は減少した一方で、算定分母となる普通交付税も合併算定替えの段階的縮減等の影響により減少していることが主要因。類似団体比較でもやや順位は改善したが、依然として水準は低くなっている。今後は普通交付税の合併団体に対する特例措置が終了することも踏まえ、引き続き財政計画に基づいた繰上償還を実施するともに、新たな施設整備は必要最低限とし、計画的に施設の長寿命化、統廃合を進めることで、公債費の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は前年度より17.5ポイント改善した。主な要因は一般会計等における計画的な繰上償還の実施等により地方債残高が減少したこと、下水道事業における地方債現在高に占める将来負担額が減少したことなど。しかし、類似団体と比較すると下位に位置しており、合併前から実施してきた生活基盤整備に発行した地方債が要因の1つ。今後、下水道事業等における人口減少による使用料収入の減や、施設等の老朽化による更新など、大幅な改善は見込まれないが、引き続き計画的な繰上償還の実施、地方債発行抑制等に取り組み、ゆるやかな改善を目指す。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は類似団体と比較すると最上位となっている。給料表・管理職手当等の見直しや55歳昇給抑制のほか、定員管理計画等に基づき職員数の適正化に取り組んでいることが要因である。今後も引き続き、給与の適正化や事務事業の効率化を図り、計画的な定員管理に取り組む。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は14.3%と前年度の横ばいとなり、類似団体平均をやや下回った。主な要因としては、プレミアム付商品券取扱業務委託料などの増による。今後は、外部委託業務の精査や指定管理者制度の活用など、一層の経費削減に努めるものの、GIGAスクール構想のタブレット端末の導入や埋蔵文化財調査が見込まれていることから上昇傾向にある。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は前年度より0.3ポイント改善した。扶助費は前年度とほぼ横ばいであったが、前年度まで市単独で幼児教育無償化をおこなっていたが、私立こども園等の扶助費が国庫補助による無償化となったことが主要因。今後も高齢者福祉の向上と、生活困窮者に対する支援や、乳幼児医療への追加助成など効果の大きい市独自施策については、類似団体平均から大きく逸脱しないよう注意しながら、引き続き諸施策を実施していく。

その他の分析欄

その他の経常収支比率は、前年度より0.3ポイント悪化したが、類似団体比較では上位にあり、全国・県平均よりも比率は低くなっている。比率悪化の要因としては、後期高齢者医療療養給付費繰出金の増、介護給付費繰出金の増が挙げられる。現在の水準を保てるよう健康寿命の延伸に関する事業展開をおこなっていく。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は前年度から0.3ポイント改善し、主要因は国庫補助金の返納金の減。移住・定住に関する市単の補助金等により、歳出全体において占める割合が高くなっており、類似団体と比較すると下位に位置している。今後も、単独で実施している補助事業の見直しをおこないつつ、高齢化社会や人口減少を抑制する必要な補助事業を実施していく。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、前年度よりも1.0ポイント改善した。これは、これまで計画的に実施してきた繰上償還により、これまで発行してきた地方債の元利償還金が減少したことが主な要因である。しかし、類似団体の中では下位にあり、引き続き地方債の発行抑制や、計画的な繰上償還の実施、償還期間の調整などによって比率の改善に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は、前年度の横ばい。類似団体平均値からやや上回った。類似団体平均を大きく下回ったのは補助費等のみであり、その他については平均水準もしくはそれ以上を保っている。しかし、比率は全体的にやや悪化傾向にあるため、今後もより一層の経費削減に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

全体的に住民一人当たりのコストが増加傾向にあり、目的によって支出額が増加していることが要因の場合もあるが、人口減少が進んでいることが主要因となっている。総務費は前年度より7,822円増。ふるさと南あわじ応援寄附金事業費、移住・定住促進事業費の増が主要因。民生費は前年度より10,897円増。市保育所建替事業、福祉の里整備事業、地域介護拠点整備事業等の普通建設事業費が増となったことが主要因。衛生費は沼島焼却場解体事業費が前年度に完了したことによる皆減等により、前年度より3,531円減。農林水産業費は前年度より6,473円増。浮桟橋耐震改修事業、畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業補助金の実施が主要因。消防費は前年度より3,888円増。防災公園整備事業の実施にが主要因。教育費は前年度より6,874円増。中学校プール解体や公民館耐震改修事業等の普通建設事業の実施が主要因。公債費については、住民一人当たり85,879円と類似団体平均や全国平均等と比較しても大きな金額となっているが、前年度より3,676円減となっている。計画的な繰上償還の実施や市債発行抑制の効果による公債費の歳出総額が減少したため。今後、公共施設等の老朽化による建て替えなどの大型事業の実施が予想されることから大幅な改善を見込むことは難しいが、引き続き「市財政計画」に基づく計画的な繰上償還や市債発行の抑制により、公債費の縮減に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

全体的に住民一人当たりのコストが増加傾向にあり、性質によって支出額が増加していることが要因の場合もあるが、人口減少が進んでいることが主要因となっている。歳出総額は住民一人当たり574,601円となっており、前年度と比較すると31,874円増となった。主な構成要素である人件費は、住民一人当たり78,698円となっており、平成28年度より緩やかに増加している。これは職員数削減効果の下げ止まりや、人口減少によるものである。物件費については、プレミアム付商品券取扱業務委託料が増えたことなどによって前年度より3,031円増となっている。補助費等については支出額は前年度より減少しているが、人口減少の影響により住民一人当たり3,757円の増となっている。普通建設事業費のうち更新整備については福良地区公民館の耐震改修や市保育所建替工事等の大型事業を実施したことから大幅増となり、前年度より21,641円増となった。今後も単独で実施している事業の見直し等、経費削減に努めるが、公共施設の老朽化対策が本格化することから大幅な改善は見込めない。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

財政調整基金は令和元年度も取り崩しを行わず、標準財政規模比で見ると前年度比0.16ポイントの増となった。実質収支額は6億4,480万円となり、標準財政規模比は4.09%となった。これは実質収支額が6,177万円減少したこと、標準財政規模が6,797万円減少したことから、標準財政規模比は前年度より0.37ポイント下がった。また、実質単年度収支については、財政調整基金への積立てや繰上償還の実施により6億1,757万円(前年比-4億7,402万円)となり、標準財政規模比は前年度より2.98ポイント減少した。平成29年度以降は黒字を確保している。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

連結実質赤字比率においては、農業共済事業会計が2年連続で赤字となった。家畜共済において1頭あたりの評価額の高騰に加え、平成31年1月からの制度改正により支払共済金が増加したことが主要因。令和2年度からは農業共済事業の運営は県に一本化される。一部赤字となった会計はあるものの、全会計の合計では引き続き黒字となっている。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

実質公債費率における分子の構成要因では、新規の地方債発行を抑制しながら、計画的な繰上償還を継続的に実施していることから、元利償還金を減少させることができている。また、毎年増加してきていた下水道事業会計への公営企業債の元利償還金に対する繰入金については、平成30年度から下水道事業会計において、資本費平準化債を発行したことにより、大幅に減少したものの、依然として類似団体よりも高い水準にあるため、今後は施設老朽化対策等による多額の発行が見込まれており、数年度には比率悪化が懸念されるところであるが、計画的な繰上償還や発行抑制に取り組み、比率の抑制に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

将来負担比率における分子の構造要因では、ケーブルテレビ事業の民間化に伴い、過去に地方債を発行して整備した関連設備の繰上償還を減債基金を活用して実施したことや、公共施設の解体を公共施設等整備基金を活用して実施したこと等により、償還元金への充当可能財源は減少した。しかし、一般会計等における計画的な繰上償還の実施や地方債発行抑制などによる地方債残高の減少、下水道事業における資本費平準化債発行による準元利償還金が減少したことなどにより、比率は改善した。今後は施設老朽化対策等による多額の発行が多く見込まれており、比率悪化が懸念される。しかし、計画的な繰上償還や発行抑制により、比率の悪化抑制や改善に努める。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金等への基金運用益(定期預金、債券運用)の積み立てや、ふるさとまちづくり基金への当年度ふるさと南あわじ応援寄附金の積み立てなどにより、令和元年度中積み立て総額は10億8,752万円となった。一方で、ケーブルテレビ事業の民間化に伴い、ケーブルテレビ関連設備の繰上償還の財源等として減債基金の取り崩しや、ふるさと南あわじ応援寄附金充当事業のためにふるさとまちづくり基金の取り崩し、中学校のプール解体等の公共施設の解体事業のために公共施設等整備基金の取りくずしなどを行い、令和元年度中の取り崩し総額は12億233万円となり、合計は1億1,482万円の減となった。(今後の方針)財政調整基金には基金運用益(定期預金、債券運用)のみの積み立てとし、余剰金については将来の繰上償還の財源や老朽化した公共施設等の改修、解体の財源とすべく、減債基金と公共施設等整備基金に積み立てていく。また、財源の補填として各種目的に合った事業に基金を取り崩して充当していく。

財政調整基金

(増減理由)基金運用益(定期預金、債券運用)の積み立てを行なったため。(今後の方針)標準財政規模の10~15%を基準としており、現状は確保されているため地方財政法に基づく決算剰余金の1/2の積み立ては行わない。決算剰余金は本市の地方債残高が類似団体よりも高位にあることから、既発債の繰上償還財源として活用することを優先する。

減債基金

(増減理由)将来の繰上償還等の財源とするため4億5,417万円を積み立てたが、ケーブルテレビ事業の民間化に伴い、過去に地方債を発行して整備したケーブルテレビ関連設備の繰上償還の財源等として、5億275万円を取り崩しため、令和元年度末の残高は4,859万円の減となった。(今後の方針)将来の繰上償還等の財源とするため、計画的に積み立てを行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)地域振興基金:市民の連帯強化および均衡ある地域振興を図るための事業。公共施設等整備基金:公共施設等の整備や解体、撤去に関する事業。ふるさとまちづくり基金:活力に満ちた魅力あるふるさとの創造と人材の育成を促進し、ゆたかでうるおいのある住みよいまちづくりに関する事業。淡路鳴門岬公園開発基金:鳴門みさき荘、大鳴門橋記念館およびこれらに附属する施設の整備や健全な運営等に対する支援に関する事業。水道事業調整基金:水道事業の将来の健全経営及び水道水の安定供給の確保に資する事業。(増減理由)地域振興基金:増減なし公共施設等整備基金:基金利子を650万円積み立てたが、公共施設の解体事業のために1億7,085万円を取り崩し、1億6,435万円の減。ふるさとまちづくり基金:ふるさと南あわじ応援寄附金充当事業のために3億8,998万円を取り崩したが、当年度のふるさと南あわじ応援寄附金等を4億9,278万円積み立て、1億280万円の増。淡路鳴門岬公園開発基金:大鳴門橋記念館のレストラン改修事業等のため1,170万円を取り崩したが、施設使用料等により6,954万円を積み立て、5,784万円の増。水道事業調整基金:基金利子を340万円積み立てたが、上水道高料金対策補助金に充当するため6,243万円を取り崩したため、5,909万円の減。(今後の方針)地域振興基金:利活用方針について検討を行い、事業に充当していく。公共施設等整備基金:必要に応じて事業に充当する。ふるさとまちづくり基金:ふるさと南あわじ応援寄附金分について、毎年計画的に事業に充当する。淡路鳴門岬公園開発基金:計画的に取り崩して施設整備等に充当する。水道事業調整基金:基金運用益以外の積み立ては行わない。必要に応じて上水道高料金対策補助金に充当する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

昨年度と比較するとやや悪化しており、類似団体の中でも高い数値となっている。要因としては、合併前に整備した施設の老朽化が進んでおり、市民一人当たりの公共施設等の面積も全国平均と比べると大きく、施設の保有量が多いことがあげられる。施設については、公共施設等総合管理計画に基づき、統廃合や複合化、長寿命化による公共施設等保有量の最適化、また資産の適正な管理に努める。インフラ整備においても橋梁長寿命化修繕計画をはじめ、既に策定済みの個別の長寿命化計画の見直しを継続的に行い維持管理、修繕、更新を行う。

債務償還比率の分析欄

昨年度と比較すると債務償還比率の分子となる将来負担額については、借入額の抑制や計画的繰上償還の影響により減少している。一方で分母については、経常一般財源等(歳入)等が減少し、上水道事業の高料金対策補助金が減となったこと等により経常経費充当財源等が減少しているが、分母全体としてはほぼ横ばいとなっている。分子となる将来負担額は減少し、分母はほぼ横ばいであることから、債務償還比率は改善している。しかし、今後大幅な収入増を見込むことは難しく、老朽化による公共施設等について多額の更新費用が見込まれることから、引き続き財政計画に基づいた計画的な繰上償還や借入額の抑制に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、計画的な繰上償還により地方債残高が減少したことや、一般会計から下水道事業への操出見込額が減少したことにより、昨年度から改善したが、類似団体と比較すると高い比率となっている。また、有形固定資産減価償却率については昨年度よりやや悪化しており、類似団体と比較すると公共施設等の老朽化が進んでいることがわかる。今後、老朽化した施設やインフラ整備のための地方債発行が想定されることから、引き続き、将来負担比率の改善を目指すために、積極的な繰上償還を行うだけでなく、公共施設等総合管理計画や橋梁長寿命化修繕計画に基づいた施設等の統廃合や長寿命化の実施など、計画的な地方債の借り入れや発行抑制に取り組む。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は14.1%と前年度から横ばいとなったが、将来負担比率は104.9%と17.5ポイント改善した。計画的な繰上償還の実施や、財政計画に基づく地方債の発行抑制によりどちらも改善傾向にはあるが、類似団体と比較すると比率は高いため、引き続き積極的な繰上償還の実施や地方債発行抑制など、公債費の抑制に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路は有形固定資産減価償却率が80%を超え、橋梁・トンネルについては70%を超えた高い数値となっており、老朽化が進んでいることが読み取れる。港湾・漁港については、全国平均を上回っており、一人あたりの有形固定資産額についても本市が海に囲まれた土地であり、人口46,978人(令和2.1.1現在)と小規模であることから、県平均や全国平均より高い数値となっている。一方で、認定こども園・幼稚園・保育所や学校施設、公民館等の有形固定資産減価償却率については、統廃合や大規模改修による施設の長寿命化を計画的に進めており、類似団体及び全国平均と同程度もしくは下回っている。また認定こども園等については、令和元年度に市立こども園を整備したことにより一人当たり面積はやや増加しており、本市では「安心して子どもを産み育てやすい体制の充実」を市の基本政策で掲げていることもあり、類似団体内でも高く、県平均、全国平均よりも高い数値となっている。道路等のインフラ整備については極めて老朽化が進んでいることから、橋梁長寿命化修繕計画をはじめ、その他長寿命化計画等の見直しを継続的に行い、維持管理や修繕、更新などより効果的な取り組みを進めていく。また、施設についても、公共施設等総合管理計画に基づき、統廃合や長寿命化を計画的に実施していく。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

庁舎の有形固定資産減価償却率が低い数値であるのは、平成27年度に新庁舎を建設したためであり、庁舎一人当たり面積が県平均や全国平均より大きな数値となっているのは、合併前の旧庁舎が一部残存しているためである。また、市有の施設については、全体的に老朽化は進んでいるものの、老朽化の度合いや使用状況、必要性などを総合的に判断しながら、長寿命化や統廃合を進めており、体育館等の利用頻度の高い施設の大規模改修などに計画的に取り組んでいる。また、消防施設については災害の発生に備え老朽化した消防車両や屯所施設の更新・改築を計画的に進めていることから、県内平均、全国平均ともに下回っている。今後も公共施設等総合管理計画に基づき、個々の施設等の状況を把握し、統廃合や複合化、長寿命化を進めていく。また、資産の適切な管理に努めるとともに、引き続き施設等保有量の最適化を目指す。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等について、資産は平成30年度と比較し△1,138百万円となっている。主な要因は有形固定資産に対する投資額よりも減価償却費のほうが大きかったことによる。負債についても平成30年度から△1,006百万円となっており、主な要因としては計画的な繰上償還により地方債残高が減少したことがあげられる。特別会計を含む全体会計については、平成30年度と比較すると資産が△2,256百万円、負債が△2,015百万円となっている。資産は一般会計等における減額や下水道事業の減価償却費の減が主な要因であるが、負債については下水道事業会計において、企業債償還額が借入額を上回っていること等が減額の要因となっている。連結会計においては、平成30年度と比較し資産が△2,865百万円となっている。これは広域行政事務組合、広域消防事務組合、衛生事務組合、学校組合等の施設が建設から年数が経過し、減価償却累計額が大きくなっていることが要因とみられる。計画的な長寿命化や統廃合を実施し、適切な施設の維持管理に努める必要がある。各会計共通の動きとして、老朽化が進んでいる建物等が多く、減価償却費等累計額が年々大きくなっていくことで、資産額が減少すると推測される。公共施設等総合管理計画や個別施設計画により、適切な維持管理に努めつつ、実態に即した公共施設のあり方の検討を進めていく必要がある。負債については、今後火葬場建設、下水放流施設建設、灘黒岩水仙郷リニューアル、大鳴門橋周辺環境整備等の大型建設事業を地方債を活用して実施予定のため、上昇が見込まれているが、国庫補助金等の財源確保や計画的な繰上償還等により、数値上昇の抑制を図る。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においての純経常行政コストは20,944百万円となっており、人件費の3,562百万円、減価償却費4,061百万円、物件費4,598百万円、他会計への繰出金3,976百万円、社会保障給付3,350百万円が主なものとなっている。平成30年度と比較して△194百万円となっており、主な要因は補助金等566百万円の減となっている。一方で維持補修費は291百万円の増となっており、合併前の旧町時代から保有している多数の公共施設の老朽化が原因の一つとしてあげられるため、引き続き公共施設等総合管理計画や個別施設計画により、適切な維持管理や公共施設のあり方の検討を行い経費削減に努める。全体会計は、国民健康保険や介護保険特別会計の保険給付費が加算されることにより、主に移転費用においてコスト増となっている。連結会計は、淡路広域水道企業団や淡路広域消防事務組合の減価償却費や維持管理費が加算されることにより、コスト増となっている。前年度比較で、各科目でコスト増となっているのは保有している施設の老朽化によることが主な要因としてあげられ、市有施設のみならず関係団体の施設も建設から長期間経過しているものが多数存在するため、適切な維持管理に努めつつ、計画的な長寿命化や集約化、統廃合を実施して、施設を更新していく必要がある。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等は、平成30年度と比較すると561百万円好転している。令和元年度は純行政コスト21,111百万円に対し、税収等が20,979百万円となっており差額が△132百万円となっている。これは人件費、補助金等支出の減少により純行政コストが減となっている一方で、税収等がやや増となっていることが要因である。今後も、行政コストを抑制する一方で国県等補助金の財源確保や徴収体制の強化を図り、税金や使用料の徴収率上昇による歳入確保に取り組む。また、建物の老朽化やそれに伴う維持管理費の増加の影響は依然として大きいため、公共施設等総合管理計画や個別施設計画による適正な維持管理を行い、施設の集約化や統廃合に取り組み経費削減に努める。全体会計については、純行政コストが2,727百万円の増加となっている一方で、税収等も2,973百万円の増加となっており、差額は平成30年度と比較すると246百万円好転している。連結会計については、水道料金等の収入よりも補助金等支出による行政コストの増加のほうが大きいため、差額は△928百万円となっており、平成30年度と比較すると847百万円減少している。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、経常的な活動に関する収支を表す業務活動収支が人件費や物件費等支出、社会保障費等の歳出に対して、税収等収入、国県等補助金収入の歳入が上回ったことから、令和元年度は3,603百万円となり、平成30年度と比較して842百万円好転している。投資的活動収支は平成30年度と比較すると△1,037百万円となっており、主な要因は市こども園の新築や福良地区公民館の改修など公共施設等整備支出が大きかったため。全体会計の業務活動収支については介護保険等の保険料収入が入に加算される一方で、移転費用支出が増加したことにより、収支差額は一般会計等と比較するとやや大きくなっている。連結会計の業務活動収支については水道使用料などが歳入に加算されている。平成30年度と比較して収支は増となっているが、主な要因は一般会計等における増加であり、連結会計において大きく金額に差額が生じる要因はない。各指標の財務活動収入が赤字となっているが、令和元年度は新規借入額よりも償還額が大きくなったことにより、平成30年度と比較して好転している。引き続き借入額抑制と計画的な繰上償還に努める。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

本市は合併団体であり、合併前の旧町からの公民館や社会体育施設等多くの施設を保有している。合併前に整備した各施設は建設から数十年が経過したものがほとんどであり、有形固定資産減価償却率が平成30年度と比較して1.5ポイント上昇しており、類似団体と比較すると8.9ポイントも高いことからも老朽化した施設が多いことがわかる。今後の維持管理・更新に係る経費削減のためにも、公共施設等総合管理計画や個別施設計画により、適切な維持管理を行い、施設の長寿命化や集約化、統廃合を実施し施設保有量の適正化に取り組む。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は平成30年度と比較して0.6ポイント好転していある。しかし類似団体平均値と比較しても13.7ポイント低く、純資産額は毎年減少しており将来世代の負担割合が高い状態となっている。また、将来世代負担比率についても平成30年度と比較して0.2ポイント好転しているが、類似団体平均と比較すると11.5ポイント低く依然として将来世代への負担の先送りが課題となっている。引き続き新規に発行する地方債を抑制しつつ、計画的な繰上償還により将来世代の負担減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは平成30年度と比較して0.4ポイント好転している。これは使用料及び手数料等の経常収益の増加による純行政コストの減少が主な要因となっている。一方で、公共施設の老朽化による維持補修費は増加傾向にあるため、引き続き公共施設等総合管理計画や個別施設計画による適切な維持管理を行い、集約化や統廃合による行政コスト削減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は平成30年度と比較して1.2ポイント好転している。これは計画的な繰上償還の実施が主な要因となっている。基礎的財政収支は業務活動収支の黒字(3,881百万円)が投資活動収支の赤字(△1,944百万円)を上回ったため、1,937百万円の黒字となった。投資的活動収支の赤字が平成30年度と比較して増加したのは、市こども園の新築や福良地区公民館の改修などの単独事業を多く実施したため。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担は平成30年度と比較して5.2ポイント高くなっている。経常費用については合併団体であることから広い市域と多の公共施設を有しているため、維持管理経費等に要する経費が大きいことが要因としてあげられる。社会体育施設、公民館等の同種公共施設が複数あること、多の施設が建設から数十年が経過し老朽化も進んでいることか公共施設等総合管理計画に基づき施設の集約化、統廃合などを実施し、施設保有量の適正化による経常経費の削減に努める。また、経常収益においては、施設使用料や減免基準などについて定期的な見直しを実施し、公平・適正な受益者負担を求めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,