京都府福知山市：福知山市民病院　大江分院の経営状況（2022年度）

地域において担っている役割

大江分院は、市の国保新大江病院を平成27年4月から市立福知山市民病院の分院として開院した。開院後は福知山市民病院本院と連携するとともに、地域に根付いた住民の医療拠点として、訪問診療や訪問看護などの在宅医療の充実に努めている。さらに、本院と連携し将来地域の医療を担う家庭医を目指す総合診療医の養成施設としての役割を果たしている。

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022
当該団体値（％）	85.7	91.8	84.9	92.4	103.1	100.7	97.9	103.0	106.4	101.1	107.2
類似団体内平均値（％）	98.1	97.7	98.5	98.0	98.4	98.2	97.5	97.7	100.7	103.6	101.9

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022
当該団体値（％）	83.3	90.7	83.8	83.2	89.8	87.5	84.8	83.5	87.6	84.1	92.3
類似団体内平均値（％）	83.2	82.5	79.7	79.6	77.9	78.1	77.0	77.1	73.8	75.5	74.6

修正医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022
当該団体値（％）							84.8	83.5	87.6	84.1	92.3
類似団体内平均値（％）							73.2	73.2	69.9	71.6	70.8

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022
当該団体値（％）	16.9	24.8	43.8	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0
類似団体内平均値（％）	71.9	70.5	64.1	65.7	71.4	78.1	82.8	84.8	90.5	86.3	87.2

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022
当該団体値（％）	76.5	87.8	90.8	83.3	92.8	89.6	87.8	88.3	84.2	79.7	88.3
類似団体内平均値（％）	69.2	68.6	67.4	66.6	66.8	67.9	67.2	66.1	62.3	62.1	60.2

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022
当該団体値（円）	17387.0	16569.0	15593.0	18573.0	19463.0	20548.0	21257.0	21603.0	21635.0	21359.0	25158.0
類似団体内平均値（円）	23061.0	23475.0	23857.0	24371.0	24882.0	25249.0	25597.0	26415.0	27227.0	28176.0	29348.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022
当該団体値（円）	12037.0	12615.0	13064.0	8161.0	8750.0	8672.0	9007.0	8297.0	8942.0	8683.0	7310.0
類似団体内平均値（円）	8338.0	8603.0	8471.0	8736.0	8797.0	8852.0	9034.0	9135.0	9509.0	9548.0	9996.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022
当該団体値（％）	71.7	63.5	72.6	65.3	60.6	67.3	69.5	67.7	77.6	76.5	72.6
類似団体内平均値（％）	64.7	65.3	67.9	68.0	70.0	70.8	71.6	72.5	78.5	76.3	76.0

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022
当該団体値（％）	29.9	29.2	27.7	7.3	6.9	6.0	6.0	6.8	5.9	6.6	5.8
類似団体内平均値（％）	19.6	19.1	18.0	18.0	17.6	17.2	16.6	16.1	15.8	14.8	15.3

経営の健全性・効率性について

医業収支は100％を下回り、厳しい経営状況であるが、不採算病院等の基準に基づく一般会計からの繰入により、経常収支では黒字を計上している。令和4年度から一般病床を地域包括ケア病床に転換・減床したことにより入院患者数は減少したが、入院単価と病床利用率が上昇し、医業収益は前年度比99.1％を確保できた。また、減床し費用が抑えられことで、医業収支比率、経常収支比率ともに前年度を上回り、今年度も当期純利益を計上した。なお、療養病床が全体の5割以上を占めるため入院診療単価は平均値を下回っている。医業収益に対する給与費、材料費は減少し平均値を大幅に下回っている。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022
当該団体値（％）	64.2	65.5	55.3	7.4	15.7	24.1	32.2	40.4	45.4	48.8	51.5
類似団体内平均値（％）	43.0	43.9	52.4	52.6	54.2	53.8	56.1	56.4	56.9	58.3	59.2

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022
当該団体値（％）	98.1	96.8	60.3	17.0	33.7	50.5	66.3	82.7	89.2	90.6	90.8
類似団体内平均値（％）	60.6	59.1	68.9	68.0	70.0	71.0	73.2	73.4	72.5	72.3	72.0

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022
当該団体値（円）	16282736.0	16365153.0	19846681.0	16992167.0	17055153.0	17071292.0	17134250.0	18133206.0	18226368.0	18273412.0	23949558.0
類似団体内平均値（円）	33688486.0	34462126.0	34878088.0	36094355.0	36941419.0	38480542.0	38744035.0	40117620.0	42330999.0	43068047.0	44341948.0

老朽化の状況について

平成27年に市から移譲を受ける際に主要な医療機器等整備を行ったため、移譲直後は減価償却率が低くなっていたが、減価償却が進み器械備品の減価償却率は令和元年度から平均値を上回っている。回復期、慢性期を中心とした医療を提供するため、高額な手術機器や検査機器等への設備投資がないため、1床当たりの有形固定資産は平均値を大きく下回っている。

全体総括

大江分院は福知山市民病院本院と連携をとりながら住民の一般診療、救急医療、在宅医療などを担っている。人口減少等により患者数が減少しており厳しい経営状況ではあるが、不採算病院等の一般会計繰入により黒字経営を維持している。令和4年度から、人口減少と高齢化が進む当地域の医療ニーズに合わせ病床機能の見直しを図り、一般病床を地域包括ケア病床に転換した。高度急性期、急性期病院の後方支援病院としての役割を果たすとともに、引き続き訪問診療や訪問看護などの在宅医療を提供し、地域の実情に合わせた病院機能や病床機能などを維持しつつ、効率的な事業運営していく必要がある。