三重県松阪市：松阪市民病院の経営状況（2020年度）

地域において担っている役割

地域医療に積極的に貢献するため、二次救急医療（三病院による輪番体制）の推進・強化に努め、住民への持続的かつ安全な医療の提供を行ってきた。また、第二種感染症指定医療機関として新型コロナウイルス感染症患者の受け入れを行うため、病床や診療体制を見直し、同時に経営改善についても一定の成果を上げている。今後の地域医療ニーズを踏まえ、地域の中核病院としての自治体病院の役割を果たす。

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	102.7	102.8	106.0	103.8	102.7	104.7	103.6	101.3	110.3
類似団体内平均値（％）	99.4	99.0	97.7	98.0	97.2	97.0	97.8	97.0	102.4

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	100.5	100.6	103.1	101.2	100.9	102.1	101.7	100.8	94.1
類似団体内平均値（％）	92.6	92.2	90.2	91.1	90.1	89.6	89.7	89.3	84.1

修正医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）							100.9	100.1	94.0
類似団体内平均値（％）							86.7	86.5	81.4

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	100.6	91.7	53.7	49.2	46.1	44.4	41.2	38.7	33.6
類似団体内平均値（％）	63.8	62.5	57.6	53.6	59.7	62.6	60.6	61.1	61.3

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	79.1	83.8	83.5	84.7	83.3	85.2	88.3	88.6	78.3
類似団体内平均値（％）	70.6	70.5	70.6	71.3	72.6	73.5	74.1	74.4	66.5

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（円）	50380.0	49492.0	51579.0	52828.0	54459.0	54056.0	54253.0	55229.0	58483.0
類似団体内平均値（円）	45929.0	48203.0	48941.0	50413.0	50510.0	50958.0	52405.0	53523.0	57368.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（円）	15357.0	16312.0	17894.0	20583.0	24610.0	23640.0	25642.0	28855.0	31075.0
類似団体内平均値（円）	11409.0	11941.0	12272.0	13096.0	13552.0	13792.0	14290.0	15111.0	15986.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	50.7	49.6	48.4	46.3	47.3	47.8	46.5	45.9	51.3
類似団体内平均値（％）	54.8	54.9	56.4	55.6	56.7	56.9	57.0	57.0	62.9

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	27.7	28.5	29.4	31.5	34.9	32.6	34.4	35.8	36.1
類似団体内平均値（％）	23.0	23.6	23.5	24.3	24.2	24.2	24.0	24.5	24.9

経営の健全性・効率性について

令和2年度は新型コロナウイルス感染症による経営への影響は極めて大きく、医業に係る収支指標は悪化したが、補助金により経常収支比率は全国平均を大きく上回る「110.3」となった。累積欠損金は減少しており、経営状況に係る指標は類似団体の全国平均を上回る状況にある。しかしながら、近年、医業収益に対する材料費の比率が増加しており、収益性は維持しつつも効率性が下がる傾向がみられるため、経営の健全性をさらに改善する方策を検討し、引き続き安定した収益確保に努める。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	57.4	59.4	61.0	61.7	62.6	64.4	65.6	64.9	65.8
類似団体内平均値（％）	45.5	45.8	48.9	50.3	49.8	50.9	51.9	52.9	54.3

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	70.2	73.3	76.0	76.2	75.7	76.4	75.9	69.2	69.4
類似団体内平均値（％）	62.5	59.9	65.4	65.7	65.0	66.8	68.2	69.4	69.9

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（円）	49068649.0	49547704.0	50230604.0	51181506.0	50865256.0	50693125.0	50491442.0	49646119.0	50484628.0
類似団体内平均値（円）	39169586.0	40264615.0	41593368.0	42578034.0	45645830.0	47082778.0	48918364.0	49696718.0	50234873.0

老朽化の状況について

器械備品の更新により減価償却率及び1床あたりの有形固定資産は全国平均とほぼ同等となっているが、有形固定資産の減価償却率が高く推移していることから、施設老朽化の進行を想定し、優先順位を見定めた医療機器の更新と、施設管理計画に基づいた適切な施設投資を行う。

全体総括

「公立病院改革プラン」に基づく数値目標や実施期限による改善は、病院の健全性や効率性において一定の成果を得ているものの、新型コロナウイルス感染症のまん延により経営形態のあり方等の検討が遅れている。少子高齢化や人口減少により医療環境が変化する中、将来にわたり地域住民が安心して生活できる医療提供体制を構築する必要があり、市民病院としての地域医療に果たすべき役割を踏まえた検討を行う。