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静岡県静岡市:公共下水道の経営状況(2023年度)

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経営比較分析表(2023年度)

経常収支比率

累積欠損金比率

流動比率

企業債残高対事業規模比率

経費回収率

汚水処理原価

施設利用率

水洗化率

経営の健全性・効率性について

①は、過去5年間は100%以上となっており、黒字経営を維持している。令和4年度は電気料金の高騰等による動力費の増加、令和5年度は人口減少の影響による下水道使用料の減収、労務単価の上昇による委託料や新規供用開始に伴う減価償却費の増加などにより令和3年度から低下した。③は、類似団体と比べ良好な値を示している。令和4年度は電気料金の高騰等や有価証券の購入、令和5年度は企業債の一括償還によりそれぞれ流動資産(現金預金)が減少し、指標が100%を下回っているものの、令和5年度については企業債の償還年次が進み、翌年度の償還額が減少したことにより流動負債(企業債)が減少したため、前年度からは上昇した。今後数年間、企業債償還額は減少傾向であり指標が上昇する要因になり得るが、建設改良事業の増減に伴い指標も変動するため、現金預金など流動資産と併せて注視する必要がある。④は、令和4年度に一般会計負担分の算出方法を見直したため大幅に低下したが、類似団体と比較すると依然として高水準となっている。しかし、今後は企業債の償還年次が進み、未償還残高は減少見込みであるため、指標の低下が見込まれる。⑤及び⑥は、類似団体と比較して普及率が低いことや、処理区域内の人口密度が低いことにより、汚水処理経費に対する下水道使用料収入が低くなっているため、⑤は継続して100%を下回り、⑥は類似団体と比較して高い値となっている。今後も下水道使用料の減収、維持管理費の増による汚水処理費の増加が見込まれるため、処理場等の施設規模の適正化や使用料体系の見直しを行う必要がある。⑦は、過去5年間類似団体と比較して上回っているが、今後の人口減少等の社会情勢の変化に対応して、施設規模の適正化を図る必要がある。⑧は、過去5年間は年々向上しているものの、類似団体と比較すると大幅に下回っている。新規供用開始区域への積極的な臨戸訪問により早期の接続につなげ、水洗化の促進に取り組んでいく必要がある。

有形固定資産減価償却率

管渠老朽化率

管渠改善率

老朽化の状況について

①は、類似団体と比較して低い値で推移しており、耐用年数を超えた管や施設等が少ないといえる反面、今後昭和50年代以降に急速に整備した有形固定資産が耐用年数を経過する見込みであり、当該値は上昇する見込みであるため、計画的な改築等を実施する必要がある。②及び③についても同様に、類似団体と比較して良好な値で推移している。これはテレビカメラ調査等による状態監視保全を前提とした再構築基本計画に基づき、管渠の改善を計画的に行っていることが要因として考えられる。しかし今後、昭和50年代以降に急速に整備した管渠の老朽化率の増大が懸念されるため、改築事業への投資額の適正化・平準化を行い、アセットマネジメント手法の考え方に基づき、計画的かつ効率的な更新を進めていく必要がある。

全体総括

財務の健全性に係る指標は、継続して黒字経営を続けているため健全な経営であるといえるものの、人口減少等による下水道使用料収入の減や、物価高騰・労務単価の上昇による維持管理費の増、さらに今後発生が想定される南海トラフ地震等に備えるための耐震化に係る建設事業費の増が今後の懸念事項である。資産の健全性に係る指標はおおむね良好であるが、今後、昭和50年以降に下水道全体計画区域内を急速に整備した管・施設が老朽化していくことが見込まれ、その更新需要への対応が課題となる。今後は、これらの課題を踏まえつつ、令和5~16年度までの「静岡市上下水道事業経営戦略(下水道編)」に基づき、下水道管や下水道施設の老朽化・減災対策などを限られた財源で計画的に設備投資を行い、引き続き持続可能な事業運営に努めていく。また、適正な使用料体系については、有識者による外部の「知」を活用しながら投資・財政計画を見直し、その結果をもとに、「市民生活への影響」と「下水道事業への影響」を勘案した上で、適正な時期での使用料体系の見直しを引き続き検討していく。

出典: 経営比較分析表,

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