長野県南相木村の財政状況(2010年度)
収録データの年度
財政比較分析表(2010年度)
財政力
東京電力㈱の揚水式発電ダムの建設に伴い、ダムに係る固定資産税収入が発生し、H18年度からH21年度までの4年間、普通交付税の不交付団体となった。そのため、財政力指数はH18年度以降、右肩上がりに上昇してきたが、H20年度をピークに減少傾向に転じた。ダムの固定資産税収入は、毎年度4千万円ほど減少していくことが推測されているため、それに伴い財政力指数も今後数年間はゆるやかに下降していくものと思われる。
財政構造の弾力性
経常収支比率はH17年度を境に類似団体の平均値を下回っており、財政構造の弾力性は維持できていると思われる。経常経費充当一般財源の額は、扶助費や補助費等はほぼ横ばいで推移しているが、人件費や物件費は若干増加傾向にある。一方、経常一般財源の総額は、ダムの固定資産税の減少に伴い、H18年度をピークに毎年度5千万円以上減少している。このため、経常収支比率は今後、増加していくものと推測される。経常経費に充当可能な特定財源を確保することが求められている。
人件費・物件費等の状況
人件費及び物件費は若干増加傾向にあり、H22年度決算額は、H18年度決算額から2.2%増加している。一方、南相木村の人口はH22年度末1,149人で、これはH18年度末人口1,192から43人(3.6%)減少している。このため、人口一人当たりの人件費・物件費等決算額は、H18年度から56,415円(12.2%)増加したことになる。類似団体の平均は、H22年度決算額はH18年度決算額から28,968円(9.8%)増加しているが、これに比べても南相木村の数値は高いことがうかがえる。今後は行政サービスの水準を落とすことなく、人件費及び物件費を抑制することが課題と言える。
給与水準(国との比較)
H22年度のラスパイレス指数は前年度比-0.1の86.9であり、2年連続で減少した。これは3年前のH19年度と同じ数値であるが、この間、類似団体の平均は1.1増加しており、類似団体との格差は縮まるどころか逆に開いている。給与水準の動向には人事院勧告が大きく影響しており、早急な改善は困難な状況となっている。しかしながら、審議会や外部機関等に意見を求めながら、組織全体での見直しや検討を行い、格差是正を図っていく必要がある。
定員管理の状況
人口千人当たりの職員数は、ここ数年類似団体の平均を大幅に上回っている。これは職員数の増加を抑制し適正な定員管理に努めてきた一方、人口減少に歯止めがきかなくなってきているためである。現在の行政サービスの水準を維持していくためには人員削減は困難であるため、外部組織を含めた中で、より効率的な人員配置や職務分担に努め、必要時に応じ業務の民間委託等を図っていく必要がある。
公債費負担の状況
実質公債費比率はH17年度から減少傾向にあり、H18年度からは類似団体の平均を下回っている。これは、近年、大型公共事業を控え、起債の発行を抑制してきたためである。今後も引き続き計画的な事業の立案・執行に努め、起債には有利な過疎債を活用するなど、公債費の抑制を図っていく。
将来負担の状況
将来負担比率は、財政健全化法が施行されたH19年度以来、「数値なし」という状況が続いているが、H22年度決算における実数は-386.4%であり、類似団体の中では1位(最良)という状況である。これは、将来負担額を充当可能財源等が大きく上回っているためであり、将来における財政負担は今のところ懸念された状況ではない。しかし、近い将来、老朽化等による公共施設や設備等の更新を行わなければならないため、その財源として基金の取り崩しが想定される。そこで、今後は中長期的な視点に立って基金や預貯金の効果的な運用を図っていかなければならない。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2010年度)
人件費
人件費充当経常一般財源のH22年度決算額は292,825千円で、前年度比5,433千円、1.9%の増となった。類似団体との比較では平均値を下回ってきていたが、H22年度決算では平均を上回った。これは、全国的に人件費の抑制や定員管理に努めてきたことにより類似団体の数値が減少したためと推測される。南相木村では給与水準が低い一方、人口一人当たりの職員数が多いという現状を踏まえ、人件費以外の経常経費とのバランスを図りながら、今後大幅な増加とならないよう留意していく必要がある。
物件費
物件費充当経常一般財源のH22年度決算額は172,504千円で、前年度比14,829千円、7.9%の減となった。しかしながら、類似団体の平均を上回っており、特定財源の確保や、業務委託や備品購入の見直しを進め、物件費の抑制を図る必要がある。
扶助費
扶助費充当経常一般財源のH22年度決算額は12,234千円で、前年度比4,179千円、51.9%の増となった。これは、職員に係る子ども手当、並びに児童や障害者への扶助費の増加が原因である。類似団体との比較では、過去5年間にわたり平均値を大きく下回っている。これは生活保護費(該当なし)や生活弱者等への扶助費のうち、経常一般財源充当額が低いことが原因と思われる。今後も引き続き低い水準が維持されるものと推測される。
その他
維持補修費充当経常一般財源のH22年度決算額は32,946千円で、前年度比21,288千円、182.6%の増となった。この主因は道路や橋梁の維持補修費の増加であり、今後も施設や設備に係る補修費の増加が見込まれる。また、繰出金充当経常一般財源のH22年度決算額は63,120千円で、前年度比3,715千円、5.6%の減となった。今後、国民健康保険事業や介護保険事業において財政負担の増加が見込まれるため、この数値はさらに増加するものと思われる。
補助費等
補助費等充当経常一般財源のH22年度決算額は111,967千円で、前年度比1,285千円、1.1%の減となった。南相木村ではH18年度に策定した「行政改革プラン」に基づき補助金等の見直しを図り、類似した補助金の一本化や段階的削減などを実施し、補助金支出の削減に努めてきた。今後も引き続き適切な執行に努める。
公債費
公債費充当経常一般財源のH22年度決算額は244,797千円で、前年度比36,232千円(12.9%)の減となった。これはH17年度に99,000千円、H19年度に212,000千円の起債を発行した以外、新たな起債の発行を抑制してきた成果が表れている。H22年度末の起債現在高は、普通会計で1,044,274千円、特別会計を含んだ全会計で1,125,388千円となっている。今後も大型公共事業の執行には国県補助金など財源確保を前提とし、起債の発行には引き続き留意していく。
公債費以外
公債費を除く経常経費充当一般財源の額は、過去5年間にわたり増加している。これは人件費や維持補修費に充当される経常一般財源の額が増加したことによる影響が大きいものと考えられる。全体から見ると経常経費の額は抑制されているものの、経常一般財源として村税、特にダムに係る固定資産税が毎年度4千万円以上減収となるため、今後も経常収支比率は増加の傾向にある。
実質収支比率等に係る経年分析(2010年度)
分析欄
過去5年にわたり実質収支額は黒字を計上し、それを財政調整基金へ積み立てをしてきたため、H22年度末の基金残高は714,585千円となった。これはH18年度末の209,229千円から比較して、505,356千円、241.5%の増である。決算収支は安定を保っているものの、今後は安易に財政調整基金に積み立てるのではなく、予算の適正な計上と執行に努め、余剰額の発生を抑制する必要がある。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2010年度)
分析欄
H19年度決算においてバス事業会計で実質収支額が赤字を計上している他はすべての会計で黒字となっている。「一般会計等」における「実質赤字比率」、公営事業会計を含んだ全会計における「連結実質赤字比率」とも、過去5年間においてすべて黒字を計上している。
実質公債費比率(分子)の構造(2010年度)
分析欄
「元利償還金等」及び「算入公債費等」とも毎年度減少している。このため「実質公債費比率の分子」の数値も毎年度減少している。これは新たな起債の発行を抑制し、元利の償還が進んだことによるものである。
将来負担比率(分子)の構造(2010年度)
分析欄
「将来負担額」は低く抑えられ、少しずつではあるが毎年度減少している。一方、「充当可能財源等」の額も少しずつ減少しているものの「将来負担額」を大きく上回り、「将来負担比率の分子」はマイナスとなっている。今後も引き続き「将来負担額」の発生の抑制に留意していく。
よくある質問
このページで何が分かりますか?
長野県南相木村の2010年度の財政状況資料集、主要指標、分析コメントを確認できます。
データの出典はどこですか?
総務省の『財政状況資料集』および『統一的な基準による財務書類に関する情報』をもとに構成しています。
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