山梨県笛吹市：簡易水道事業の経営状況（2020年度）

経常収支比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）											128.54
類似団体内平均値（％）											97.61

累積欠損金比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）											0.0
類似団体内平均値（％）											143.65

流動比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）											287.09
類似団体内平均値（％）											94.01

企業債残高対給水収益比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）											532.05
類似団体内平均値（％）											1421.84

料金回収率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）											40.38
類似団体内平均値（％）											35.72

給水原価

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（円）											130.16
類似団体内平均値（円）											471.3

施設利用率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）											0.05
類似団体内平均値（％）											0.05

有収率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）											92.0
類似団体内平均値（％）											61.29

経営の健全性・効率性について

笛吹市簡易水道事業は、令和2年度より公営企業会計に移行し経営を行っている。①経常収支比率について、平均を上回っているが、収益の多くは一般会計からの補助金であり、安定した運営とは言えない状況にある。②累積欠損金比率は、公営企業会計移行初年度の決算であり発生しなかったが、給水収益が低いため今後欠損金が発生することも推測される。③流動比率は、類似団体や全国平均を上回っているが、主に一般会計からの補助金で賄っているためである。④企業債残高対給水収益比率は、類似団体や全国平均を大幅に下回っている。要因として給水収益が低いためであり、今後は料金水準の見直しが必要と考えられる。⑤料金回収率は、100%を大きく下回っている。施設の維持管理費は一般会計からの補助金によって運営している状況であるため、健全性が保たれているとは言えない状況である。今後は料金水準の見直しが必要と考えられる。⑥給水原価は、有収水量に対して費用の割合が低いため、平均より低く抑えられている。しかし、給水人口が年々減少しているため、有収水量も減少し、原価が上昇することが推測される。⑦施設利用率、⑧有収率ともに平均値よりも高い水準を保っているが、給水人口が年々減少しているため、施設の統廃合やダウンサイジング等の検討も必要となってくる。

有形固定資産減価償却率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）											5.48
類似団体内平均値（％）											24.16

管路経年化率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）											0.0
類似団体内平均値（％）											19.54

管路更新率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）											0.0
類似団体内平均値（％）											0.25

老朽化の状況について

現状、①有形固定資産減価償却率、②管路経年化率、③管路更新率ともに低い状況である。しかし、今後、人口減少や施設の老朽化に伴い施設利用率、有収率ともに下がってくることも予想されるため、将来を見据えた更新工事を行っていく必要がある。また、更新財源の確保のために定期的な料金水準の見直しも必要である。

全体総括

簡易水道事業については、令和2年度より公営企業会計へ移行した。本来なら独立採算を目指し、更なる使用料の改定を目指さなければならないところであるが、地域的にごく限られた高齢者の圧倒的に多い僻地なため、採算を考えた料金改定は非常に難しいと思われる。平成30年度に料金改定を行い、令和4年度に再度改定を行う予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、市民生活にも影響を及ぼしていることから延期となった。現状、収入の多くは一般会計からの補助金で賄っている状況であり、今後も料金水準の見直しが必要と考えられる。また、近隣との連携も地理的に困難な施設なため広域化も難しいが、今後効率化・合理化が図られる部分があるか検討していく必要がある。