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地方財政ダッシュボード

東京都多摩市の財政状況(2016年度)

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

多摩ニュータウンの整備に伴う人口増加等による税収の増加により、昭和62年度以降は、財政力指数が1を超え、普通交付税の不交付団体となっている。東京都の団体は全国的にも高い水準にあり、その中でも本市は類似団体50市中「3位」で、平均と比べても高い数値となっている。平成23年度から平成25年度は景気の低迷や、臨時財政対策債発行可能額の配分方式の見直しにより算定の基礎となる基準財政需要額が増加したため減少が続いた。しかし、平成26年度から平成28年度では大規模集合住宅の建設や一部企業の設備投資による固定資産税の増、平成26年4月からの消費税率引き上げによる地方消費税交付金の増により基準財政収入額が増加した。それにより単年度の指数が上昇し、平成28年度では3ヶ年平均でも増加となった。

経常収支比率の分析欄

平成28年度の経常収支比率は90.6%で、前年度より2.8ポイント上昇した。歳出側は、人件費の減や企業誘致奨励金の支払期間終了(1社)による減など改善要因があった。しかし、歳入側は平成27年度に暦年要因により13ヵ月分交付されていた地方消費税交付金が平成28年度は通常通り12ヵ月分の交付であったことなどで税連動交付金が減少したことや、税制改正による一部国税化及び実効税率の引き下げなどにより法人市民税が減少したことが要因となり、経常一般財源が減となり、前述の改善要因を上回り、結果として経常収支比率は上昇した。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

物件費については、多摩ニュータウン開発に伴い、高い水準で整備した公共施設が多いため、施設の維持管理や運営のために経費がかかること、また、民間委託を積極的に活用していることから、類似団体平均に比べ高くなっている。人件費については、職員配置の見直しや外部委託の活用による行政サービスの向上及び効率的運営に努め、近年人件費は減少傾向にあり類似団体平均程度となっている。今後も、「公共施設の見直し方針と行動プログラム」と「行財政刷新計画」を両輪とした「新生TAMA・行財政刷新プログラム」の取り組みを着実に実行するなど、経常経費の削減や運営方法の転換、職員の適正配置などにより改善を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

多摩市の給料表については、平成23年度から東京都給料表に移行したが、中高年齢層の職員比率が高いため、ラスパイレス指数が高水準となっている。また、多摩市では職員の大量退職期を迎え、若い職員を役職に多く任用したことにともない、平均給料月額が上がったことも要因のひとつである。今後も、国・東京都等の動向を踏まえ、給与水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成12年度に10年間で110人削減という目標を打ち出し、16年度から3年間の新規採用凍結などにより、163人の削減を達成し目標を大きく上回った。このような取り組みの成果として、類似団体平均を大きく下回る水準となっている。また、人財の効率的・効果的な配置により、行政運営の効率化を図り、実行力ある組織体制を目指すため平成26年3月に「多摩市定員適正化計画」を策定した。配置状況及び組織状況の変化を踏まえるとともに、行政サービスの質と量に応じた適正な職員数を維持していくため、現計画の一部見直しを行い2年間の年次更新を行うことで、今後も定員の適正管理に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

起債抑制策や繰上償還による公債費の減少、一部事務組合負担金の減少により、類似団体の中で5番目に負担の少ない団体となっているものの、元利償還金等に充当される特定財源の減少により増加している。今後、大型公共施設の更新に係る地方債の発行が増加するが、緊急度、住民ニーズを的確に把握した事業の選択により、起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

判断比率は「-」であり、財政状況は健全である。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

平成28年度は、職員の新陳代謝により職員給料が下がるなどの要因により、人件費に係る経常経費充当一般財源は前年比で減となった。しかし、歳入側の経常一般財源全体が減少したため、人件費の占める割合が増加し、数値としては0.1ポイント増加している。人件費については、今後も外部委託の活用などにより削減に努める。

物件費の分析欄

高い水準で整備した公共施設が多く、その維持管理や運営のために経費がかかるため、類似団体に比べ、物件費が高くなっている。また、近年は民間委託化、予防接種の定期接種化などにより委託料が増加傾向にある。平成28年度については、歳入側の経常一般財源全体が減少したことが大きな要因であるが、歳出側でも学校情報環境の機器の借上料や労務単価上昇による公園管理業務委託料などの増により経常経費充当一般財源も前年比で増となり、指標は悪化している。計画的な経常経費の削減と公共施設の総量の適正化を進めていく必要がある。

扶助費の分析欄

生活保護費の増加、幼稚園においての制度改正、新制度移行などにより教育費が増加したことが主な経常経費充当一般財源の増加要因。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は類似団体平均を下回っているが、国民健康保険特別会計では被保険者数の減少や保険料の増加などにより減少したものの、後期高齢者医療特別会計と介護保険特別会計への繰出金が増加したため指標は悪化した。

補助費等の分析欄

補助費等の大半は消防やごみなど、安全で衛生的な市民生活に不可欠な負担金である。それ以外の補助金も、市民生活に関係性が深く、公益性のあるもので、見直しに努めてはいるものの、短期間で大幅に削減するのは難しいのが現状である。平成28年度の指標の改善は、企業誘致奨励金1社分が終了したことや幼稚園就園奨励費補助金が園児の減により減少したことによるものである。

公債費の分析欄

多摩ニュータウン整備期に借り入れた大規模な債務の償還が進んでいるものの、近年借入を行った地方債の償還が始まったことにより、公債費の割合が高まった。今後数年は同水準で推移するものの、大型公共施設の更新時期には起債額が増加するため、公債費の割合は上昇すると見込まれる。

公債費以外の分析欄

多摩市のように都市基盤が進んだ都市部では、新たな施設建設などが減る反面、維持費用が増大するため、物件費の経常収支比率が高い傾向となる。また、市税などの歳入が急激に増加する見通しが困難な中で、高い水準にある市民サービスや公共施設について適正な水準に見直し、歳入に見合った歳出構造へ転換していくため、「多摩市行財政刷新計画」の取り組みによる経常経費の削減、また「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」の取り組みによる公共施設の総量の適正化を進めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

民生費は、住民一人当たり171,081円であり、平成28年度決算額は25,370,186千円で前年度比46,990千円の増となっている。国民健康保険特別会計繰出金が528,237千円減少となったものの、年金生活者等支援臨時福祉給付金の増加などにより臨時福祉給付金給付事業で326,856千円の増加、障害福祉サービス費の増加などにより障がい者自立支援推進事業が219,081千円の増加などの増要因があり、民生費全体としては増加となっている。教育費は、住民一人当たり53,781円であり、平成28年度決算額は7,975,353千円で前年度比699,948千円の減となっている。多摩第二小学校建替事業が1,874,973千円減少となったことが主な減要因である。公債費は、住民一人当たり14,192円であり、平成28年度決算額は2,104,564千円で前年度比29,262千円の増となっている。多摩ニュータウン整備期に借り入れた大規模な債務の償還が進んでいることに加え、新規の地方債の発行抑制や繰り上げ償還を行うなどの取り組みで近年減少していたが、近年借り入れた地方債の償還が始まったことで微増となっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

物件費は住民一人当たり61,837円となっており、類似団体と比較して一人当たりコストが高い状況となっている。平成28年度は複合文化施設大規模改修事業の業務委託料や学校情報環境整備事業の機器借上料の増加などにより前年度から増加した。多摩市は公共施設が多く、その維持管理のために経費がかかるため、他市に比べて物件費が高くなっている。また、外部委託を積極的に活用していることもその理由の1つである。「多摩市行財政刷新計画」の取り組みによる経常経費の削減、また「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」の取り組みによる公共施設の総量の適正化を進めていく。公債費は一人当たり14,192円となっており、類似団体平均を大きく下回る状況となっている。これは、多摩ニュータウン整備期に借入れた大規模な債務の償還が進んでいることに加えて、新規の地方債の発行抑制や繰上げ償還を行うなど、これまでの取組みの成果によるものである。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

平成19年度以降、景気低迷の影響を受けて、財政調整基金を取崩し財政運営を行う厳しい財政状況が続き、財政調整基金は20年度以降、標準財政規模に比して5%を割り込んでいた。しかし、平成24年度以降、予算執行の工夫により生み出した財源や、25年度に策定した「多摩市基金の見直し方針」の取り組みで廃止した減債基金の残高を財政調整基金へ積み立てるなど、年度末残高は年々増となり平成26年度に目標としていた標準財政規模の1割を達成し、平成28年度も引き続き維持している。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

平成19年度の算定開始以降、全ての会計が決算で黒字となっており、指標は「-」となっている。今後も行財政改革により、赤字決算とならない財政運営を持続していくものとする。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

元利償還金等が増加に転じたものの、算入公債費等に係る地方債の償還が終了したことや、一部事務組合が起こした地方債の元利償還金が減少したことなどにより、実質公債費比率の分子は微増している。多摩ニュータウン整備期に借り入れた債務の償還が進んでいるものの、大型公共施設の更新に係る地方債の発行が増えるため、元利償還金は増加する見込みである。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

将来負担額が年々減少していることから、将来負担比率の分子も年々小さくなってきている。特に、多摩ニュータウン整備期に借り入れた大規模な債務の償還が進んでいることに加えて、新規の地方債の発行を抑制していることから、一般会計等に係る地方債の現在高の減少が続いていることや、一部事務組合負担金が減少していることが主な要因である。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体平均・全国平均をともに下回ったものの、東京都平均を上回る結果となった。小・中学校の大規模改修工事等、施設の更新等により微減している。

債務償還可能年数の分析欄

債務償還可能年数は総務省で算出式を精査中であり、平成29年度より公表する

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は当面生じない見込みである。有形固定資産減価償却率は急激に増加しないよう計画的な改修を進めていく。※将来負担がないため、左表には表示されない。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は、今後施設の更新に伴う新規の地方債の発行により、緩やかに増加していくことが見込まれる。※将来負担がないため、左表には表示されない。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

認定子ども園・幼稚園・保育所、学校施設、公営住宅の一人当たり面積は全国平均を下回っているものの、児童館は全国平均を上回った。また、一人当たり面積では、児童館は類似団体中1位となり、公民館は全国平均と同程度であるものの、東京都平均の3倍であり、類似団体内で3位となった。今後も、「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」の取り組みによる公共施設の総量の適正化を進めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館、体育館・プール、福祉施設、市民会館について一人当たり面積が全国平均を上回り、類似団体内順位でも図書館2位、福祉施設1位、市民会館1位という結果となった。今後も、「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」の取り組みによる公共施設の総量の適正化を進めていく。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

資産総額は、一般会計等で366,794百万円、全体会計で368,709百万円となった。資産総額のうち、将来的に維持管理・更新コストのかかる有形固定資産の割合は、一般会計等について94.6%、全体会計で94.1%となっている。「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」に基づき、施設の機能転換や機能集約を進め、施設総量の縮減縮減を図っていくく。負債総額は、一般会計等で23,213百万円、全体会計で23,425百万円となった。負債の多くを占める地方債について、新規発行の抑制や繰上げ償還を行うなど、これまでの取組みの成果により、資産に対して少ない状況にある。今後、公共施設の更新に係る多額の財政負担が見込まれるが、国や都の補助金や、基金の活用など地方債に大きく頼ることのない財政運営に努める。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、物件費等の業務費用が23,724百万円、補助金や社会保障給付費等の移転費用が23,928百万円であり、全体会計では、業務費用が25,232百万円、移転費用が48,039百万円となっており、業務費用よりも移転費用が多い状況である。今後も高齢化の進行などによりこの傾向は続くことが見込まれるため、「多摩市行財政刷新計画」に基づき、しくみの転換や業務の効率化を進め、行政サービスの質・量の適正化を図ることにより、経費の縮減に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等において、財源(税収等33,076百万円・国県等補助金15,109百万円)が、純行政コスト(46,192百万円)を上回ったことから、本年度差額は1,992百万円となったこと等により、純資産残高は3,546百万円の増加となった。また、全体会計において、財源(税収等51,259百万円国県等補助金22,281百万円)が、純行政コスト(71,605百万円)を上回ったことから、本年度差額は1,935百万円となったこと等により純資産残高は3,490百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支は2,902百万円であったが、投資活動収支は△2,137百万円となっている。財務活動収支については、地方債償還支出が地方債の発行額を上回ったことから△259百万円となり、本年度末資金残高は506百万円増加し、2,089百万円となった。全体では、業務活動収支3,142百万、投資活動収支△2,228百万円、財務活動収支△259百万となり、本年度末資金残高は655百万円増加し、2,624百万円となった。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が、247.3万円、歳入額対資産比率は6.7年であり、類似団体平均と比較するとそれぞれ約1.9倍、約2.0倍となっており、非常に多くの資産を保有している。資産の老朽化に伴う大規模改修工事等が今後の財政運営に大きな影響を与えることが予想されるため、「第2次多摩市ストックマネジメント計画」や「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」に基づき財政負担の平準化を図るとともに、施設の機能転換や機能集約を実施していく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

類似団体と比べ、純資産比率は23.6ポイント高く、将来世代負担比率は12.3ポイント低くなっており、将来世代への負担は少なくなっている。これは、負債のうち地方債について、多摩ニュータウン整備期に借り入れた債務の償還が進んでいることに加えて、新規の地方債の発行を抑制していること等による。今後、公共施設の更新に係る財政負担が見込まれるが、国や都の補助金や、基金の活用など地方債に大きく頼ることのない財政運営に努め、受益者負担の適正化を維持していく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値と同程度となった。「多摩市行財政刷新計画」に基づき、しくみの転換や業務の効率化を進め、行政サービスの質・量の適正化を図ることにより、経費の縮減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均値の半分以下となる15.7万円となった。これは、2.資産と負債の比率にも記載のとおり、新規の地方債の発行抑制や繰上げ償還を行うなど、これまでの取組みの成果によるものである。今後、公共施設の更新に係る財政負担が見込まれるが、将来世代に過度な負担を負わせないよう、計画的に地方債の借入を行なっていく。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均値より低い3.1%となり、行政サービス提供に対し、直接的な負担の割合は比較的低くなっている。引き続き受益者負担の適正化に努めるとともに、効率的な事業運営を図り、税負担の公平性の確保に努めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,