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地方財政ダッシュボード

群馬県安中市の財政状況(2022年度)

🏠安中市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 公立碓氷病院


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

基準財政収入額は4.2億円増加し、基準財政需要額も3.0億円増加した。需要額より収入額が大きく増加したことで、単年度の数値は上昇(改善)した(令和3:0.748→令和4:0.763)。3か年平均は0.77で変動せず、類似団体平均は上回っている。コロナ禍のような時勢の急変にも対応できるように、事業の見直しや適正な定員管理による歳出削減、未利用公有地の処分・活用、ネーミングライツ事業による新たな歳入の確保など更なる財政基盤の強化を進める。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は、2.4ポイント上昇(悪化)し、類似団体平均と比較すると1.5ポイント上回っている。歳出では、公立碓氷病院への負担金などにより補助費等の割合が高い。電気料の高騰などにより物件費が大幅に増加したため、総額としても増加した。義務的経費である人件費、扶助費、公債費を合計した割合は49.2%から48.7%に低下した。歳入では、法人市民税が大幅に増加したが、臨時財政対策債の減少もあり、総額はほとんど変動がなかった。今後も物価は高止まりの状態が続くとみられ、今まで通りの経費削減策では対応が困難になりつつある。既存の公共施設、公共サービスの見直しを徹底することで、持続可能な行政運営を目指していく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

住基人口が800人以上減少しており、悪化要因となっている。人口減少に合わせて経費削減が必要だが、人件費、物件費、維持補修費のすべてが増加している。人件費は、会計年度任用職員の報酬が増加しており、職員数の抑制が必要である。物件費は、電気料の高騰により、多くの市有施設で光熱水費の増加が見られた。今後も社会情勢の変化等により想定外の支出に見舞われることもあるため、安定的な財政運営のために経常経費の削減に努める必要がある。維持補修費は、道路の維持補修費が増加傾向にある。道路に限らず施設全般が老朽化しており、今後も減額は困難であるが、計画的に修繕するとともに、統廃合や再配置を検討していく必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

例年通り類似団体平均と近い数値となり、平均的な水準といえる。今後とも国や近隣市町村の動向を踏まえ、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

職員数は410人で1人減少となったが、人口も減少したことで指標は増加した。現状は類似団体平均と同程度なので、ここから乖離しすぎることのないよう注意する。DXの推進などで業務を効率化するとともに、人員の適正配置を進め、職員数を抑制していく。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は0.5ポイント低下(改善)し、単年度で比較しても前年度より0.15ポイント低下(改善)している(令和2:8.17、令和3:7.42、令和4:7.27)。しかし、類似団体平均と比較すると1.0ポイント上回っている。改善した要因として市債の元利償還金が減少したことがあげられるが、依然として公債費は27億円と多額になっている。今後は、建設事業の増加が見込まれているが、類似団体の平均水準を目安として、新規発行の抑制と利子負担の軽減に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、前年度から引き続き、将来負担額よりも将来負担額に充当可能な財源が多いため算定されなかった。主な要因としては、地方債の元金償還額が新規発行額を上回ったことで地方債現在高が減少したこと、財政調整基金などの充当可能基金が増加したことがあげられる。引き続き、将来負担額を抑えるため、新規地方債発行事業の適正化を図り、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人件費は0.25億円減少し、比率は0.1ポイント低下した。主な要因は退職手当の減少だが、これは一時的なものであり、会計年度任用職員の報酬などは増加傾向にある。類似団体平均と比較すると1.6ポイント下回っているが、今後、税収規模の縮小が予想されることから、真に必要な職員数を見極め、人件費を必要最小限に抑制していく。

物件費の分析欄

物件費は、3.77億円と大幅に増加し、比率は2.2ポイント上昇した。電気料の高騰により、多くの市有施設で光熱水費が増加したことによる。類似団体平均と比較すると0.9ポイント下回っている。今後も社会情勢の変化等により想定外の支出が発生することもあるため、安定的な財政運営のために経常経費の削減に努める必要がある。

扶助費の分析欄

扶助費は0.56億円増加し、比率は0.4ポイント上昇した。類似団体平均と比較すると0.1ポイント下回っている。扶助対象の増減により年度ごとに事業費の増減が大きいが、前年度に引き続き増加となった。コロナ禍の影響と考えられるが、不測の事態にも対応できるよう歳入確保等安定的な財政運営に努める必要がある。

その他の分析欄

比率は0.4ポイント上昇した。維持補修費は0.93億円増加している。類似団体平均と比較すると1.0ポイント上回っている。施設全般が老朽化しており、今後も維持補修費の減額は困難である。公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき施設を計画的に維持するとともに、施設の取捨選択を進め、統廃合や再配置を検討していく必要がある。

補助費等の分析欄

補助費は0.14億円増加し、比率は0.1ポイント上昇した。類似団体平均と比較すると2.7ポイント上回っている。主な要因として、公立碓氷病院への負担金がある。公立碓氷病院の経営改善に向けて、地域で求められている機能や役割を整理するとともに、医師の確保や病床稼働率の向上に努めなければならない。

公債費の分析欄

公債費は1.05億円減少し、比率は0.6ポイント低下したが、依然として27億円ほどの支出があり、経常一般財源に対する公債費の比率が高い状態にある。類似団体平均と比較すると0.4ポイント上回っている。今後、大規模な建設事業が見込まれており、公債費の増加に転じる可能性がある。地方債の発行の平準化・抑制のため、既存の施設は、統廃合を検討しながら計画的に修繕・更新する。新規の施設は、地域で本当に必要とされているものか市民のニーズを精査し、慎重に計画しなければならない。

公債費以外の分析欄

比率は3.0ポイント上昇し、類似団体平均と比較すると1.1ポイント上回っている。物価は高止まりの状態が続くとみられ、経費削減策だけでは対応が困難になりつつある。既存の施設、サービスの見直しを徹底することで、持続可能な行政運営を目指していく。また、市税等の徴収率の向上や、新たな歳入の検討など、一般財源を安定的に確保する取組も積極的に進めていく必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

前年度同様に議会費、民生費、公債費で類似団体平均を上回る結果となった。類似団体より手厚い分野が特定の目的に偏っている状態といえる。また、新たに衛生費が類似団体平均を上回った。数値の変動率が特に大きかったのは衛生費、農林水産業費、商工費、土木費である。衛生費は、住民一人当たり4,773円増加し、53,380円になった。水道料金減額事業、墓苑建設事業の増加などによる。農林水産業費は、住民一人当たり2,460円減少し、9,196円になった。群馬県畜産競争力強化対策整備事業の減少などによる。商工費は、住民一人当たり4,026円増加し、13,299円になった。碓氷峠の森公園指定管理料の増加などによる。土木費は、住民一人当たり8,104円減少し、36,899円になった。西毛広域幹線道路関連の街路事業の減少などによる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

主な経費では前年度と同様に、人件費、扶助費、補助費等、公債費、繰出金が類似団体平均を上回っており、物件費、普通建設事業費が平均を下回っている。また、新たに維持補修費が類似団体平均を上回った。数値の変動率が特に大きかったのは、物件費、維持補修費、扶助費である。物件費は、住民一人当たり6,427円増加し、62,740円になった。電気料の高騰により市有施設で光熱水費が増加したことなどによる。維持補修費は、住民一人当たり2,074円増加し、7,759円になった。クリーンセンター、給食センターなどの維持補修費が増加したことによる。扶助費は、住民一人当たり13,146円減少し、105,672円になった。住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金給付事業など新型コロナウイルス感染症対応事業の減少などによる。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

実質収支は14.2億円から13.0億円に悪化し、単年度収支も1.1億円の赤字となった。さらに、財政調整基金を4億円取崩している状況である。早期に経常経費を削減し、基金の取崩しに依存した財政状況から脱却する必要がある。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

前年度に引き続き、各会計とも黒字を維持しており、全体の標準財政規模比合計も増加した。一般会計は、前年度は財政調整基金の取崩しが無かったが、令和4年度は4億円取り崩している。また、病院事業会計は依然として一般会計からの繰入金が多い。病院への繰出が一般会計の財政を悪化させている要因の一つであり、経営改善が喫緊の課題である。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

元利償還金の減少などにより、実質公債費比率は改善した。近年は建設事業の厳選により、地方債発行額を抑えることができているが、今後は、大規模な建設事業の増加が見込まれている。引き続き、公債費をコントロールする観点からも、建設事業量を計画的に管理し、公債費の平準化を図ることが重要である。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度は地方債発行が8.5億円に対し、公債費の償還元金が27.0億円と償還額が大幅に上回ったため、地方債現在高は18.4億円減少し、比率も改善した。将来負担は新発債を抑制すればすぐに減少するが、新発債の発行状況によっては容易に比率が悪化に転じる状況である。財源の不足に対しては、交付税措置のない地方債に頼るより、税収の減少から考えても公債費以外も含めた歳出規模の是正が必要である。将来負担を増大させないために、基金に頼らず地方債残高を抑制することが重要である。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)・令和4年度末の基金残高は、普通会計で115.6億円となっており、前年度末から9.7億円増加した。・主な要因としては、財政調整基金の5.0億円の増加、庁舎建設基金の3.7億円の増加などがある。(今後の方針)・財政調整基金は、歳入の変動に備えるため現在の残高水準を維持する。・資産の有効活用のため、特定目的基金で役目を終えたものがあれば整理していく。

財政調整基金

(増減理由)・令和4年度末の基金残高は、67.4億円となっており、前年度末から5.0億円増加した。・これは、前年度決算剰余金を9.0億円積み立てた一方で、取崩しが4.0億円だったことによる。(今後の方針)・本市の歳入は景気動向・企業業績に影響されやすい市税(法人市民税)の割合が高く、コントロールできないため、市税の減少が数年続いた場合に予算編成に支障が生じるおそれがある。歳出の抑制によって取崩しを減らし、現在の残高を維持する必要がある。

減債基金

(増減理由)・令和4年度末の基金残高は、8.8億円となっており、前年度末からは利息分のみの増加となっている。(今後の方針)・今後、長寿命化対策等で見込まれる公債費の増加に対応するため、財政調整基金と併せて残高を維持することが必要である。

その他特定目的基金

(基金の使途)・地域振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興に充てるため・庁舎建設基金:庁舎建設に必要な財源の確保に資するため・職員退職手当基金:職員の退職手当の財源に充てるため・福祉基金:福祉事業の推進を図るため・ふるさと創生基金:地域づくりに必要な財源の確保に資するため(増減理由)・庁舎建設基金は庁舎の建設に備えて、平成28年度から毎年度1億ずつ積み立てている。令和3年度は2億円、令和4年度は4億円を積み立てた。・福祉基金は高齢者タクシー料金補助等の財源として取り崩している。・職員退職手当基金は一定のルールにより取崩しと積立を行っている。・ふるさと創生基金はふるさと納税の目的に沿った事業へ充当するため積み立てており、事業実施とともに取り崩している。(今後の方針)・庁舎建設基金は庁舎建設事業を開始していることから、財源として取り崩していく。・利子の積立しか動きのない基金が存在するため、役目を終えた基金を整理していく。・公共施設等の更新・改修等のため、令和3年度に公共施設等整備基金を新設した。今後見込まれる財政支出に備える。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産の取得価額で道路が全体の約半分を占めるが、その道路の中でも4割強が道路台帳が整備された昭和62年3月を取得年月日としているため、道路の有形固定資産減価償却率は類似団体平均より低い数字となっている。また、そのことが全体の有形固定資産減価償却率も引き下げていると推測されるが、古い資産の減価償却が進むにつれて、徐々に類似団体平均との差が小さくなってきている。

債務償還比率の分析欄

平成27年度まで集中的に行っていた学校施設の耐震補強などの事業の起債の影響で、比率の分子である将来負担額を増大させていたが、近年は新発債を抑えることで地方債残高は減少傾向にあり、債務償還比率も類似団体平均を下回っている。しかし、今後は庁舎の建替えや各施設の老朽化対策など、地方債残高の増加が見込まれるため、慎重な財政運営を行う必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

交付税措置のない地方債は極力起債しないこと、地方債の償還期間が比較的短いこと、学校等の耐震改修・大規模改修事業が平成27年度に終了した後は新発債を抑止できていることなどから、将来負担比率は減少傾向となり、令和4年度は前年度に続きマイナスとなった。しかし、今後は庁舎の建替えや施設の老朽化に対する経費の増加などが想定されるため、公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づき効率的かつ効果的な施設の整備を行う必要がある。また、有形固定資産減価償却率については、前述のとおり、道路により数値が下がっていると推測される。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率については上記の理由等により、比率が減少傾向にあると推測される。実質公債費比率についても減少傾向にあるが、類似団体と比較すると依然として高い数値になっている。これは平成27年度まで学校施設の耐震補強等の事業が続いていたこと、比較的償還期間を短く設定した地方債が多いことの影響が大きいと考えられる。今後も庁舎の建替えなどの大規模事業により各比率への影響が想定されるため、長期的な計画に基づく適正な財政運営に努める必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が特に低くなっている施設は、【道路】、【認定こども園・幼稚園・保育所】である。要因としては、【道路】については整備された時期が不明の市道の取得年月日を道路台帳が整備された昭和62年3月としていること、それ以降も市道の新規整備や資本的支出を伴う修繕が続いていることが考えられる。【認定こども園・幼稚園・保育所】については、現在、市立保育所が2園あるが、それぞれ平成22年度築、平成27年度築と経過年数が耐用年数の半分以下ということもあって減価償却率が低くなっている。一方で、【学校施設】については類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高く、その差も年々開いてきている。要因としては、老朽化した校舎を建替えではなく耐震補強を行ったことにより、減価償却累計額が多くなっていることが挙げられる。今後、体育館の改修を行うなど、老朽化対策に取り組んでいく予定である。また、一人当たりの数値が類似団体平均を大きく上回っているものとして、【道路】、【橋りょう・トンネル】、【公営住宅】が挙げられる。【道路】と【橋りょう・トンネル】については、市の立地条件として山地が多いことの影響が大きいと推測される。特に橋りょう・トンネルは面積・延長当たりの新設・修繕にかかる費用が多額になるため、今後は台帳を精査しながら、橋りょう整備について慎重に検討していく必要がある。【公営住宅】の一人当たり面積は類似団体平均の倍以上となっており、老朽化に伴う修繕費の増加も予想されることから、個別施設計画に基づき適切に管理を行っていく必要がある。【認定こども園・幼稚園・保育所】については、市立の保育所が2園と数が少ないため、一人当たり面積が少ないと推測される。市民ニーズに合わせた子育て環境の整備に不足がないか検討する必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が特に高くなっている施設は、【図書館】、【一般廃棄物処理施設】、【保健センター】、【庁舎】があり、今後設備の更新事業の増加が予想される。【保健センター】、【庁舎】については、すでに庁舎の建替え事業を開始している。また、一人当たりの数値が類似団体平均を大きく上回っているものとして、【一般廃棄物処理施設】が挙げられる。要因としては、一部事務組合などの共同利用の場合は自治体の所有とならず、一般会計等の固定資産として計上されないため、本市のように市が所有している場合と比較すると数値の差が大きいことが考えられる。【庁舎】についても、一人当たり面積が類似団体平均を若干上回っているが、本市は合併前の市町の庁舎をそのまま利用しているため、庁舎の建替えで面積を削減したり、合併後に支所を廃止・縮小等した団体との差だと考えられる。一方で、【図書館】、【保健センター】、【市民会館】など合併前の施設をそのまま利用していても、類似団体平均を下回っているものもある。市民サービスが不足している可能性があるため、今後施設の改修などを行う際に、数値を参考にしたい。前年度と比較すると、【福祉施設】は令和3年度まで類似団体平均より低い減価償却率であったが、令和4年度は平均を上回った。中でも高齢者福祉施設と障害者福祉施設の減価償却累計額が大きいため、今後老朽化による経費の増が想定される。反対に、【体育館・プール】は令和3年度までは類似団体平均を上回っていたが、令和4年度は平均とほぼ同数値となっている。その理由として、個別施設計画に基づく体育館の改修が行われたことが挙げられる。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

昨年度までと同様、令和4年度単年度の状況としては一般会計等、全体、連結のいずれにおいても資産が負債を大きく上回っている。全体財務書類で連結されている額が大きいが、これは公営企業会計のうち水道事業会計、下水道事業会計及び病院事業会計の額が大きいことによる。連結財務書類については、連結対象の規模が公営企業会計ほどではないため、全体財務書類との差は比較的小さくなっている。一般会計等では令和3年度から令和4年度にかけて、資産が2,622百万円減少し、負債も1,789百万円減少している。資産では、減価償却累計額の増(△3,307百万円)の影響が大きく、負債では地方債の減(△1,844百万円)の影響が大きい。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

令和4年度の一般会計等の純経常行政コストにおいては、経常費用24,346百万円となり、そのうち、業務費用は13,392百万円、移転費用は10,954百万円である。前年度比531百万円の減少(△約2.2ポイント)となっているが、これは臨時特別給付金の終了等による補助金等の減少(▲805百万円)の影響が大きい。最も金額が大きいのは物件費等(8,632百万円、前年度比+403百万円)であり、純行政コストの約34.8%を占めている。今後も物価高による物件費等の増加が予想されるが、委託料の見直しを行う等、経費の抑制に努める必要がある。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

純資産残高については、「1.資産・負債の状況」のグラフと密接な関係(資産と負債の差の部分=純資産)がある。一般会計等と全体の差は16,437百万円ほどであり、主に公営企業(特に水道事業会計、下水道事業会計、病院事業会計)の額による。全体と連結の差が小さくなっているのは、第3セクター等で純資産がマイナスとなっているものがあるためである。一般会計等の令和3年度の状況と比較すると、純資産は834百万円の減となっているが、これは純行政コストの増(863百万円)の影響が大きい。また、純行政コストは増加している一方で、財源の国県等補助金は減少(△1,079百万円)した。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

投資活動収支は主に公共施設等整備費支出に対する国県等補助金収入の収支と、基金の積立、取崩の収支で構成される。公共施設等整備費支出は地方債を財源とするものも多いが、地方債は財務活動収支に計上されるため、投資活動収支は通常マイナスとなる。令和4年度は一般会計等において令和3年度と比較し、基金積立金支出が増加(+178百万円)したものの、基金取崩収入の増加(+406百万円)もあったため、投資活動収支では13百万円の増加となった。財務活動収支は地方債の償還と新規発行を収支としてみた場合の数値であり、ほぼ地方債残高の増減と同じである。令和4年度も一般会計で新規発行を抑えたためマイナスとなっている。業務活動収支は一般財源を含むため大きくプラスとなっており、投資活動、財務活動のマイナスを補填する構造となっている。令和4年度は資金収支額がマイナス(△90百万円)に転じたが、これは財務活動収支の減(△770百万円)による影響が大きい。業務活動収支で一般会計等と全体の差が大きいのは、水道事業会計、下水道事業会計及び病院事業会計の業務活動収支のプラスが大きいためである。その理由は一般会計と同じで、業務活動収入(水道料金など)で投資活動、財務活動のマイナスを補填する構造があるためである。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

①、②により資産価額は類似団体より高く、③により類似団体に比べて減価償却の進んでいない資産が多いという状況が示されている。これは、令和3年度決算の状況と変わらない。主な理由とすると、平成27年度まで学校施設の耐震補強及び大規模改造事業を集中的に行ってきたこと、資産に占める道路の割合が高いこと(その道路の中でも4割強が道路台帳が整備された昭和62年3月を取得年月日としている)の影響があると考えられる。資産を多く保有するということは、将来の維持管理・更新に対して費用が発生する可能性が高いことから、個別施設計画等で施設を見直すにあたっては類似団体の水準を参考にしていきたい。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④より、令和3年度決算同様、資産に対する純資産の割合は類似団体平均値と比較して高い状況を維持している。これは資産形成の財源として負債(地方債等)に頼っていない状態であり、言い換えれば将来世代の負担を抑えられているといえる。⑤より、令和3年度決算同様、固定資産に対する地方債残高の比率は類似団体平均値と比較して低い状況であった。資産額は類似団体より高い水準であることから(①、②)、資産額が多い割に地方債残高が少ない状態といえ、④の状況とも整合する。これまでの地方債発行額は必ずしも少なくはないが、交付税措置のある地方債を選択すること、償還期間を比較的短く設定した借入が多かったことで、純資産の減少と負債の増加をともに抑制できたと考えられる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

⑥より、令和3年度決算では類似団体平均値との住民一人当たり行政コスト差は、住民一人当たり1.2万円であったが、令和4年度ではその差が住民一人当たり3.6万円と拡大した。また、令和4年度の類似団体平均値は令和3年度と比較し△0.2万円とほぼ横ばいであるのに対し、本市は2.2万円増となったため、類似団体平均との差が広がっている。まずは類似団体の平均を目標とし、増加傾向にある物件費等を中心にコストの削減を図る必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑦より、住民一人当たりの負債額は減少傾向が続いており、かつ、類似団体平均値は増加傾向であるため、令和元年度で同数値を下回り、以降差額は拡大している。これは地方債の発行額が抑えられたことによるものであり、今後も将来負担を考慮し適切に発行していく必要がある。⑧より、令和4年度は主に公共施設等整備費支出が減少したことで、基礎的財政収支は類似団体平均値を上回る状況となった。将来の更新等の費用も考慮に入れ、個別施設計画等で適切な見直しを行っていく必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

⑨は令和3年度に引き続き類似団体平均値を大きく下回る結果となった。令和元年度以前の水準と比較しても収益費用ともに悪化しているため、今後も経常費用の削減とともに、物価高騰などの社会情勢に合わせた使用料及び手数料の見直しなど、適切に行っていく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,