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地方財政ダッシュボード

群馬県安中市の財政状況(2016年度)

🏠安中市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

・基準財政収入額:平成27に引き続き法人税割、地方消費税交付金が増加(+2.1億円)。・基準財政需要額:合併団体に係る支所経費等の見直しで一本算定の需要額が増加しているため2.2億円の増。(なお、算定替は+0.8億円)収入額・需要額とも同程度の増額だが、伸び率は収入額の方が大きいため、単年度の数値は微増となった(平成27:0.778→平成28:0.781)。しかし、3ヵ年平均の数値は、前回算定の3ヵ年に含まれる平成25単年度が高い数値(0.850)であったため、悪化することとなった。まだ類似団体平均以上を維持しているが、差は縮まっている。法人関係税制の影響と考えられる。法人税割が強く歳入に余裕があるとの認識は、類似団体並みであると改め、類似団体並みに歳出も縮小する必要がある。

経常収支比率の分析欄

100%を超え類似団体内最下位となった。前回100%を超えた平成25と比率の分子/分母を比較すると、状況が全く異なっている。・平成25分子/分母:141億円/136億円→103.8%・平成28分子/分母:155億円/149億円→104.0%歳出の155億円が税収や交付税の目安である標準財政規模(150億円)を超えており、明らかに経常経費が多過ぎる状態である。変化が大きいのは公債費と補助費等であり、平成27までの学校施設の耐震補強に係る借入や、病院事業への繰出金の増加が要因である。この歳出規模が続く限り、比率は頻繁に100%を超え、その度に基金を大幅に取り崩す状況が予想される。経常経費の縮小が最重要課題であり、類似団体平均を超える経費はすべて見直しの対象として削減を進める必要がある。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

住基人口が800人弱減少しており、これは大きな悪化要因だが、ごみ処理施設の設備改修中で定期修繕が発生していないため維持補修費が大幅減(-2億円)となっていることにより、指標値は改善する結果となった。物件費も電気料などで経常経費が削減できている。人件費は定年退職者の増による一時的な増額分を除けばほぼ前年並みであった。維持補修費はごみ処理施設の改修(平成30まで)が終われば元の規模に戻るため、平成31からは大幅な悪化が見込まれる。人口の減少に合わせて経費の削減が必須である。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均とほぼ同じ数値となり、平均的な水準といえる。今後も国や近隣市町村の動向を踏まえ、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

職員数は平成27:436人→平成28:427人で、市の人口減少率(1.2%/年)を超える職員数の減であったため、指標は改善した。現状は類似団体平均と同程度であるのでここから乖離しすぎることのないよう注意し、事業の見直しや業務効率化を進めていきたい。、

実質公債費比率の分析欄

公債費が1.1億円増えて29.6億円となり、比率は悪化した。改善を続ける類似団体平均とはついに逆転することとなった。今後もしばらくは公債費は30億円近い規模が続く見込であり、標準財政規模150億円の約20%を占める公債費は経常収支比率の改善が進まない要因にもなっている。類似団体の水準を一つの目安として新発債の抑制に計画的に取り組む必要がある。

将来負担比率の分析欄

充当可能財源の減(-8億円)よりも将来負担額の減(-12億円)の方が規模が大きかったため、将来負担比率は改善した。毎年の償還元金が大きいため、地方債現在高は今後も減少していく見込であるが、基金も取り崩している。借金の返済のため貯金を取り崩している状況であり、そのバランス次第では改善から悪化へ大きく変動する可能性もある。平成28は新発債を抑えたので将来負担額の大幅減ができたが、平成29は基金の取崩しも地方債発行も平成28より大きく増える見込みとなっているため、次回以降は悪化する可能性が高い。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

定年退職者の増により、経常経費が増加し、その分だけ比率も悪化した。退職手当分を除けば昨年並みの水準であるが、経常収支比率が100%を超える状況を改善するには退職手当分を除いた人件費の縮小も必要となってくる。

物件費の分析欄

経常一般財源(分母)の減により比率は悪化したが、全般的に増加を抑制しつつ、防犯灯のLED化による電気料の削減(-0.27億円)や国民宿舎の廃止(-0.12億円)等によって少しずつ削減の取り組みもできている(-1.1億円)ため、他の経費に比べて悪化の程度は低い。今後もこの方向性で改善に取り組んでいく。

扶助費の分析欄

人口が毎年1%超減少しているのとは逆に扶助費は増加傾向が続いている(今回は0.17億円の増)。毎年の増加額は大きくはないものの、そもそも類似団体平均に比べて扶助費が手厚い年が続いており、これは類似団体より単独事業や上乗せ分が多く、また受益者負担が少ない、といった見直し・削減の余地があることを示している。扶助費も例外扱いせずに見直し・削減を進める必要がある。

その他の分析欄

昨年度とは正反対で、維持補修費(-1.5億円)、繰出金(-2.3億円)ともに減少しており、数値は改善している。維持補修費はごみ処理施設の修繕の減(設備改修中のため)、繰出金は国民健康保険特別会計分の減による。ただ、依然として類似団体平均の水準には到達できていない。

補助費等の分析欄

病院事業に対する負担金がさらに増加した(+2億円)ことを最大の要因として、数値は悪化しており、類似団体内順位も低い。この状況を改善する取組を進めているところだが、効果が現れるまで年数を要する。既存の補助金等の見直しを同時並行で推進する必要がある。

公債費の分析欄

新規発行のピークだった平成27債の償還が加わり大幅に増加している。経常一般財源の2割近くを占める公債費は類似団体と比べても多く、経常収支比率が100%を超える一因となった。公債費を抑制するには建設事業を抑制する必要がある。平成28は新規発行が抑えられたが、平成29以降は難しい見込である。建設事業の平準化のためには、施設の統廃合を進め、計画的に修繕・更新していく地道な取り組みが必要である。

公債費以外の分析欄

維持補修費、繰出金以外がすべて増加しているため、公債費以外で見た場合も大幅に悪化しており、類似団体内順位も非常に悪い。分母である経常一般財源の減によるところが大きいとはいえ、前回100%を超えた平成25年度から比べて10億円以上も分子(経常経費充当一般財源)が増加している状況を改善しない限り、今後何度でも100%超えを繰り返す可能性がある。義務的経費を含むすべての経費において縮小の方向性で見直しに取り組んでいく必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体平均を超えているのが議会費、衛生費、公債費のみであり、性質別の分析とは対照的に、類似団体より手厚い分野が特定の目的に偏っている状態といえる。ただし民生費は類似団体平均を下回っていても僅差であり、また類似団体内順位が上位3分の1に入っているため、外れ値によって平均が引き上げられている可能性が高い。性質別の扶助費の高さを考えても、民生費も実態は類似団体以上と考えたほうがよい。5年間の推移をみると、各項目で増減があるところ、公債費だけは上がり続けている。これは平成27年度まで学校施設の耐震補強等の事業が続いていたためであり、ピークは過ぎている。今後はすぐ減少することはなくとも、上がり続ける可能性も多くはないと思われる。衛生費の増加はごみ処理施設の設備更新に係る事業費が大きい。前回の分析では衛生費とともに都市計画道路関係で土木費が増加すると見込んでいたが、こちらは事業の進捗状況により増加とはなっていない。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

類似団体を下回ったのは主な経費は物件費、普通建設事業費であり、他の多くの経費で類似団体平均を上回っている。経常収支比率の分析からも分かるとおり、経常経費が類似団体を上回っている費目が多いため、臨時的経費の影響は少ないと見られる。よって今後も同じ状況が続く見込である。経常収支比率は歳入の回復によって一時的に100%未満に改善することがあるかもしれないが、歳出が類似団体より高い状況の改善こそが重要である。長く継続的に行っている事業でも必要性・重要性に応じて優先順位をつけ、見直し・削減していかなくてはならない状況が全般的に存在しているということであり、困難であるが、進めていく必要がある。普通建設事業費については、今年度は大幅に抑制できたことが、財政状況の観点からは大きな改善点である。具体的に各施設の統廃合・更新整備を進める計画がない現状では、新規整備も慎重にならざるを得ない。公債費の軽減を通して経常収支比率の悪化防止にも一定の効果が見込まれる。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

実質収支が8億円から9億円に回復し、単年度収支は黒字となったが、歳入不足を補うために財政調整基金を12億円取り崩しているため、実質単年度収支はマイナス11億円という結果となった。実質単年度収支のマイナスは前年度の収入(繰越金)や基金(繰入金)がなければ赤字となっていた状況を示しており、二年以上連続することは年度間の負担の公平性からみても好ましくないが、平成29年度の予算等の状況を考えると三年連続となる可能性も高い。早期に経常経費を是正し、基金の取崩しに依存した財政状況から脱却する必要があるが、今後、基金残高がさらに減り、予算計上できる額も限界が近くなれば否応なく対応を迫られることになる。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

数値だけをみれば各会計とも黒字を維持しており、また標準財政規模比の縮小傾向は一部緩和している。一般会計の実質収支は改善しているが、財政調整基金の取崩しによって歳入を増やしているためである(12億円、標準財政規模比7.97%)。また、病院事業会計は基準外繰入が多く(約5.8億円、標準財政規模比3.82%)、巨額の繰入額は一般会計の基金取崩しの一因にもなっている。収支改善や改革の取組が引き続き喫緊の課題である。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

増加し続ける元利償還金が原因となり、前回に続き実質公債費比率は増加した。交付税措置のない地方債を発行しないことを基本としてきたが、財源不足に対応するため平成28年度より一般事業債など、交付税措置のない地方債も発行せざるを得ない状況となっているため、算入公債費等による軽減も今後は以前ほど期待できなくなっていくと思われる。ただし、平成28年度は建設事業の厳選により地方債発行額自体を大幅に抑えることができており、今後の公債費増加抑制にはある程度効果が見込まれる。今後は、公債費をコントロールする観点からも、建設事業量を計画的に管理し、平準化していくことが必要になっていく。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

平成28年度は地方債発行が15.6億円であり公債費の償還元金27.7億円を大きく下回ったため、地方債現在高が12.1億の大幅減となった。基金の取崩しにより充当可能財源が減少しているが、その減額幅を超えて将来負担額が減っているため、比率は改善した。将来負担の軽減のため地方債発行は借入期間を短く設定するようにしていたこともあり、将来負担は新発債を抑制すればすぐに減少する構造となっている。ただし公債費の多さのために基金を取崩すような格好にもなっており、そのバランスによっては比率が悪化に転じる結果にも容易に陥るような状況である。財源の不足については、税収の減少から考えても、公債費以外も含めた歳出規模の是正が必要である。将来負担を増大させないために、基金に頼らず地方債残高を抑制することが重要である。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

統一的な基準による財務書類については、本市は平成28年度分より作成しているが、開始貸借対照表の作成のため固定資産台帳は平成27年度末時点より整備している。平成28年度については数値集計時点で固定資産台帳の更新中であったため数値が掲載されていないが、51.3%となる見込である。この指標は老朽化した施設等の除却・改修ができていない場合に上昇するため、類似団体内平均以下を目安に、公共施設等の総量を管理していきたい。

債務償還可能年数の分析欄

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

類似団体内平均と対極にあるようなグラフの表し方になっているが、有形固定資産減価償却率は前項のグラフを見ても大きな差ではなく、また将来負担比率も平成27年度は類似団体内で0.0~186.1%の開きがある中で平均からかけ離れた数値という訳ではない。どちらの指標も類似団体内平均より「多少よい」程度の状況である。有形固定資産減価償却率が低めの数値で出ているのは、平成27年度まで学校施設の耐震改修・大規模改造に集中的に取り組んだ影響が考えられる。将来負担比率も発行額の割に高くなっていないのは、比較的短い期間(10年)で借り入れており元金償還額も多いこと、また、合併特例債や全国防災事業債といった交付税算入において有利な地方債で発行しているため、交付税への算入見込額が多いことが挙げられる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は前回に引き続き悪化し、類似団体内平均を超えることとなったが、将来負担比率は改善した。これは平成28年度は新発債が抑制できたことにより、地方債残高が減少したためである。将来負担を抑えるため借入期間を短くしていた時期があり、その影響で元金償還額が大きくなり経常収支の負担となっているが、新発債抑制による将来負担軽減の効果も大きく出る状況である。近年は借入期間も長くとっているため、今後は公債費よりも地方債残高の増加が予想される。また基金残高の減少もあって将来負担比率が再び増加する状況が見込まれる。類似団体内平均は両比率が同時に改善し続けているが、これは地方債や建設事業自体が減少しているためと考えられる。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

統一的な基準による財務書類の開始貸借対照表の作成のために整備された固定資産台帳より平成27年度末時点の数値が掲載されている。平成28年度については、数値集計時点で固定資産台帳の更新中であったため数値が掲載されていない。以下の分析は主に平成27年度の数値において、一人当たりの指標(有形固定資産額または面積)が類似団体内平均を超えている項目について記載している(一般廃棄物処理施設と庁舎は分析表②)。道路、橋りょう・トンネルの一人当たり指標値が平均を大きく上回っている。この中で特に橋りょうの取得価額が他団体に比べて大きい。今後、台帳の精査も進めつつ、橋りょう整備について見直していく必要がある。公営住宅の一人当たり面積も突出している。民間事業者が立地しない状況ではないため、公設公営のみの住宅政策から転換し、面積の削減を進める必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

一般廃棄物処理施設の有形固定資産額について、一市だけで使用している施設なので、一部事務組合等での共同利用より割高になる分はあると思われるが、それを差し引いても多い。原因として考えられるのは、固定資産台帳上、改修された既存施設の取得価額が除却されずに残っている可能性である。固定資産台帳の内容の精査を進めていきたい。庁舎の市民一人当たり面積が平均より多い。もともと本市の庁舎面積は多かったのかもしれないが、庁舎の建替えで面積を削減したり合併後支所を縮小等した団体との差だとも考えられる。平成27年度ベースで類似団体内平均にするには総面積15,564㎡のうち約2,500㎡の削減が必要という計算になるが、庁舎建て替えの際には参考とすべき数値である。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

本市は平成28年度より統一的な基準による財務書類の作成を開始している。単年度の状況としては一般会計等、全体、連結のいずれにおいても資産が負債を大きく上回っている。全体財務書類で連結されている額が大きいが、これは公営企業会計のうち水道事業会計、次いで病院事業会計の額が大きいことによる。連結財務書類については、第3セクター等や一部事務組合等の連結額が公営企業会計ほどではないため、全体財務書類との差は比較的小さくなっている。平成27年度はグラフ化されていないが開始貸借対照表を作成している。平成28年度は資産が30億円減少し、負債が11億円減少している。資産は基金の減少が8億円あるほか、減価償却費(約33億円)による。負債の減は地方債の減(12.6億円)による。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

平成28年度より統一的な基準による財務書類を作成した。平成27年度については開始時貸借対照表は作成したが、行政コスト計算書は作成していないため年度間の比較はできない。平成28年度の一般会計等の行政コストにおいて最も大きいのは物件費(約50億円)、次いで社会保障給付費(36億円)である。全体では物件費(61億円)及び職員給与費(45億円)であり、連結では物件費(63億円)、職員給与費(52億円)である。年度間比較はできないが、今後も同様の傾向となると思われる。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

純資産残高については、1.資産・負債の状況のグラフの資産と負債の差の部分(=純資産)を棒グラフにしたものということになるが、1目盛が1.のグラフの10分の1と拡大されており、また原点が0でなくグラフの先端だけを取り出した形となっていることに注意が必要である。一般会計等は全体の半分以下しかないように見えるが、実際の差は8億円(一般会計等の8%)ほどである。一般会計等と全体の差は主に公営企業(中でも水道事業と病院事業)の額による。全体と連結の差が小さくなっているのは、第3セクター等で純資産がマイナスとなっているものがあるためである。グラフには出ていないが、開始時貸借対照表として作成した平成27年度の状況と比較すると、純資産は19億円の減となっている。これは1.の資産負債の増減の結果だが、固定資産等形成分が31億円の減となっている。これはほぼ減価償却費(約33億円)と一致し、減価償却による資産の減少がバランスシートに大きな影響を与えていることが分かる。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

投資活動収支は主に公共施設等整備費支出に対する国県等補助金収入の収支と、基金の積立、取崩の収支で構成される。公共施設等整備費支出は地方債を財源とするものも多いが、地方債は財務活動収支に計上されるため、投資活動収支は通常マイナスとなる。平成28年度は一般会計において基金の積立に対して取崩が8.4億円ほど多かったため、投資活動収支はマイナスであるものの小さい額となっている。財務活動収支は地方債の償還と新規発行を収支としてみた場合の数値であり、ほぼ地方債残高の増減と同じである。平成28年度は一般会計で新規発行を抑えたためマイナスとなっている。業務活動収支は一般財源を含むため大きくプラスとなっており、投資活動、財務活動のマイナスを補填する構造となっている。業務活動収支で一般会計等と全体の差が大きいのは、水道事業会計及び病院事業会計の業務活動収支のプラスが大きいためである。その理由は一般会計と同じで、業務活動収入(水道料金)で投資活動、財務活動のマイナスを補填する構造があるためである。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

①、②により資産価額は類似団体より高く、③により類似団体に比べて減価償却の進んでいない資産が多いという状況が示されている。平成27年度まで学校施設の耐震補強及び大規模改造事業を集中的に行ってきた影響があると考えられる。個別施設計画等で施設を見直すにあたっては類似団体の水準を参考にしていきたい。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④より、資産に対する純資産の割合は類似団体平均と比較して高い状況であった。これは資産形成の財源として負債(地方債等)に頼っていない状態であり、言い換えれば将来世代の負担を抑えられているといえる。⑤より、固定資産に対する地方債残高の比率は類似団体平均と比較して低い状況であった。資産額は類似団体より高い水準であることから(①、②)、資産額が多い割に地方債残高が少ない状態といえる。④の状況とも整合する。これまで地方債発行は必ずしも抑えられていたとはいえないが、交付税措置のある地方債を選択することで後年の一般財源が確保され、また、期間を10年と比較的短く設定した借入が多かったことから償還も速く、純資産の減少と負債の増加をともに抑制できたと考えられる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

⑥より、住民一人当たり行政コストは類似団体平均を少し上回る。住民一人当たり0.9万円の差はわずかであるが、人口が同じ団体を仮定して比較した場合、総額で約5.4億円上回っているのと同じ状態である。類似団体平均を下回るよう努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑦より、住民一人当たり負債額は類似団体平均を超えている。⑤と整合しない結果のように思えるが、⑤では臨時財政対策債が含まれていないのに対し、⑦では含まれている。本市の財政力指数は類似団体平均より高い状況であり、類似団体よりも臨時財政対策債の発行が多くなっている可能性が考えられる。平成28年度末時点で地方債残高の48%が臨時財政対策債である。⑧より、基礎的財政収支は類似団体平均より良い状況である。平成28年度は特に公共施設等整備費支出が抑制され、投資活動収支が改善していたと考えられるため、平成29年度以降は投資活動収支が悪化し、基礎的財政収支も類似団体に近づくと思われる。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

⑨は経常費用に対する経常収益の割合であるが、行政コスト計算書の経常収益は税収等を含まず、主に使用料及び手数料の収入が該当するため、受益者負担の割合と考えることができる。類似団体平均とほぼ同水準ではあるが、5%弱という水準が適正な負担とはいえない。ただし、経常費用には移転費用が含まれており、本市では経常費用の約42%を占める。移転費用は補助金等や社会保障給付、他会計への繰出が該当するが、受益者負担が求められる経費とは考えづらい。仮に分母から移転費用を除き業務費用のみとした場合、比率は8.4%になる。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,