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地方財政ダッシュボード

秋田県仙北市の財政状況(2017年度)

🏠仙北市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

前年度と同値となっており引き続き類似団体平均を下回っている。平成29年度決算において普通交付税は歳入総額の39.5%を占めており、歳入の大部分を普通交付税に依存している。市税等自主財源収入が少なく依然として財政基盤が弱い状態が続いている。指数としては横ばいで推移でしているが、普通交付税の合併算定替の縮減が進み財政基盤の強化が求められている。引き続き農業、観光業等産業の振興等により税収等自主財源の確保に努めていく。

経常収支比率の分析欄

公債費については地方債の新規発行を抑制してきたことで前年度比0.9ポイントの減となったが、労務単価の上昇等による物件費の増、水道事業会計等に対する繰出金の増により経常経費充当一般財源は前年度比145百万円増の11,563百万円となった。また比率算定上の分母である経常一般財源総額は、普通交付税交付額の縮減の影響が大きく、127百万円減の11,680百万円となり、比率として類似団体平均を上回っている。普通交付税は今後さらに縮減される見込みであり、また市税収入も急激な増加は見込めないため、経常経費の削減により比率の改善を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、職員数の減少により基本給は減少したものの、災害復旧事業や選挙事務の影響で時間外手当等が増加している。物件費は最低賃金、労務単価の増により決算額が前年度比388百万円増加している。維持補修費については豪雪に伴う除排雪経費の増加により前年度比102百万円増の641百万円となり前年度から増加している。平成29年度の人件費及び物件費等の増加は外的要因によるものが大きいとはいえ、前年度までも類似団体平均を大きく上回り推移しているため、人口に対する適正規模に向け予算構成の見直しを行っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

※平成29年度数値は、平成31年1月末時点において未公表のため平成28年度数値と同じものになっております。国家公務員給与削減措置が終了後の平成25年度は前年度を大幅に下回ったが、平成26年度以降は緩やかな上昇となり、平成28年度は前年度を1.3ポイント上回り、類似団体平均との差は1.5ポイントとなっている。今後も県人事委員会勧告に沿った制度改正等を図りながら給与水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

※平成29年度職員数については、平成31年1月末時点において未公表のため、平成28年度職員数を用いています。新規採用者数の抑制等により職員数は毎年度減少してはいるものの、人口減少の割合が大きいため人口千人当たり職員数は類似団体平均を上回って推移している。仙北市定員適正化計画における目標職員数は現在達成できていないため、組織再編を踏まえ新規採用数の抑制等により減少基調の人口に対応した適正な職員数を実現する。

実質公債費比率の分析欄

地方債の新規発行抑制により一般会計の元利償還額は減少傾向にあるが、企業債については病院事業会計における新病院建設事業に伴い発行されたものを含め病院事業債の元利償還額のピークが平成33年度になると予想している。また一般会計において庁舎整備等大規模建設事業も今後計画されており大幅な比率の増加が懸念される。税収等の大幅な増加は見込めないため、事業計画の見直し等により新規発行額を可能な限り抑制し公債費の減少を図る。

将来負担比率の分析欄

新病院建設事業が終了したことを受け公営企業債残高については平成28年度がピークとなり、定時償還に伴う企業債残高の減少により繰入見込額も減少している。一般会計は市道整備等大規模建設事業の終了により発行額が増加し、残高としても371百万円の増加となった。これに対し充当可能基金は一般財源不足に対応するための財政調整基金取崩し額の増加により851百万円の減、比率算定上の分母は普通交付税の減が大きく173百万円の減となった。税収等の大幅な増加は見込めないため、一般会計における新規発行を抑制し地方債残高の増加に歯止めをかける。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

災害や選挙事務対応に係る時間外手当が増加したが、大量退職に伴う職員数の減少等から基本給部分は減少し人件費全体では前年度比225百万円減の2,975百万円となり、類似団体平均も下回っている。今後は庁舎整備の方針に合わせた組織再編も見込まれるため、これを踏まえ仙北市定員適正化計画に基づき人件費の抑制に努めていく。

物件費の分析欄

施設管理等労務単価の増加等に伴う委託料の増加、最低賃金の上昇による賃金支出額の増加の影響が大きく、物件費にかかる経常経費充当一般財源は前年度比269百万円増の2,051百万円、比率は2.3ポイント増の16.8%となった。委託、非常勤職員の雇用等の必要性を再検討し、適正な人員配置も踏まえ事務事業の見直しを行い、所要経費の削減に努める。

扶助費の分析欄

扶助費は前年度比0.7ポイント増となっているが、その要因は豪雪に伴う高齢者世帯除排雪支援に係る経費の増、普通交付税の減などに伴う経常一般財源総額の減が大きいと考える。生活保護費等国庫負担に伴う支出が大きいが、単独事業に関しては今後も市民の需要を捉えながら着実な実施に努めていく。

その他の分析欄

繰出金については決算額としては前年度から減少しているものの、下水道関連の3会計において「分流式下水道に要する経費」の繰出基準内経費の整理を変更したことから前年度比1.4ポイントの増と類似団体平均を上回っている。繰出基準に基づいた一定の一般会計負担はしていくべきものと考えるが、企業会計においても使用料の見直しや経費削減の取組を一体的に行い、一般会計負担の抑制を図る。

補助費等の分析欄

簡易水道事業特別会計が地方公営企業法適用の水道事業会計と統合されたことで、これまでの簡易水道事業に係る繰出金が補助費に計上されたことが主な要因となり、前年度比0.4ポイントの増と依然として類似団体平均を上回っている。公営企業に対する補助金については繰出基準を踏まえ一定程度の一般会計負担はすべきものであるため政策的補助金等の見直しにより経費削減を図る。

公債費の分析欄

仙北市公債費負担適正化計画(平成18~平成26)の期間終了後も地方債の新規発行抑制を継続しており、平成29年度は前年度比0.9ポイントの減少となり類似団体平均を下回っている。今後は庁舎整備事業等地方債を活用した大規模投資が見込まれているが、引き続き発行抑制に努め残高の増加を抑制していく。

公債費以外の分析欄

前年度比3.1ポイントの増加は物件費の増加、水道事業会計など公営企業への補助金の増加の影響が大きい。また普通交付税の減により比率算定における分母となる経常一般財源総額が減少したことも要因となった。普通交付税の縮減は避けられないため、市税等他の一般財源収入の確保に努めつつ、比率算定上の分子となる経常的経費について、公営企業を含む市全体の事務事業の抜本的見直しを行い削減に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

衛生費について類似団体平均を大きく上回っているが、これは2つの市立病院の運営費等に対する病院事業会計補助金とごみ処理施設の管理運営費が主たる要因と考える。病院事業会計補助金については新病院竣工に伴う移転経費等に対する補助金の増、ごみ処理施設については本年度より基幹的設備改良工事を開始したことにより決算額としては428百万円の増となった。消防費についても類似団体平均を大きく上回っているが、これは一部事務組合で実施する消防庁舎建設事業が本体工事に着工したことに伴う負担金の増額によるものであり、平成31年度の事業終了までは一定割合の負担が継続すると見込んでいる。また民生費については臨時福祉給付金に係る支出は減少したものの、温泉休養施設の大規模改造事業を実施したこと等から前年度までに引き続き増加している。労働費については雇用創出・就職支援に係る補助金の支出により類似団体平均を大きく上回っており、平成29年度は公共施設の解体工事に係る労働費の増により増加している。政策的予算や投資的経費は農林水産業費及び商工費、土木費が一定の割合を占めていると考えており、今後はこれらをはじめとしたすべての事務事業について効果の検証を行い、廃止・縮減を踏まえた予算の抜本的見直しにより効率的な財政運営に努めていく。また病院事業会計については、医師確保対策と経営手法等内部管理の見直しを一体的に行い、一般会計負担の減少を図る。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

義務的経費については概ね横ばいもしくは微減の傾向で推移しているが、人件費については住民一人の当たりコスト110,229円と類似団体平均を大きく上回っており、職級別給与水準を踏まえた定員管理による抑制を行う必要がある。また公債費については住民一人当たりのコストは80,002円となっており依然として類似団体平均より高い水準となっているものの地方債発行の抑制により減少傾向にあり、その差は縮減されている。しかし平成30年度からの庁舎整備等大規模建設事業に係る地方債発行額の増加が見込まれており今後は増加に転じると見込んでいる。扶助費は増加傾向にあったが、臨時福祉給付金の減等により減少に転じた。維持補修費は豪雪の影響で除排雪が増加したことが主な要因で大きく増加しており、住民一人当たりのコストは23,741円となった。類似団体平均より高い水準で推移しているが公共施設の維持・修繕に要する経費が大きいことも要因のひとつと考えられるため、仙北市公共施設等総合管理計画を踏まえた統廃合等の実施により経費の抑制を図る。補助費等については公営企業、特に病院事業会計に対する補助金が増加しており平成25年度以降増加している。また一部事務組合が実施する消防庁舎建設事業に対する負担額も増加しており、完成予定の平成31年度まで一定割合の負担金の支出が見込まれている。また繰出金についても増加傾向にあったが簡易水道事業特別会計を地方公営企業法適用の水道事業会計と統合したことにより当該会計分の繰出金が補助費等として取り扱われることとなったため減少に転じている。これらに対し直接的な資産形成につながる普通建設事業費、積立金等については類似団体平均を下回っており資産の減少も懸念されるため、統廃合等を踏まえた公共施設の維持など資産の現状も考慮しすべての経費について見直しを行うことでサービス水準を維持しつつ経費削減に努めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

財政調整基金残高は増加傾向にあったが、災害発生に伴う一般財源需要の増加等により取崩が前年度比868百万円増の1,066百万円と大幅に増加し標準財政規模比は減少に転じた。今後地方交付税の減等により一般財源の不足が見込まれており、基金残高の減少及び実質単年度収支の悪化が懸念される。突発的財政需要に備えるため、事務事業の見直し、市税の徴収強化等による財源確保により一定規模の残高確保に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

病院事業は資金不足となっているがこれまで連結実質赤字は発生していない。今後も各会計の収支状況を注視し、連結赤字が生じないよう努める。○一般会計実質収支黒字の標準財政規模比は前年度から大きく増加しているが、財政調整基金繰入額も大きく増加しており基金繰入に依存した財政運営となっている。事務事業の効果検証や市税等他の一般財源の確保努力により実質単年度収支の改善を踏まえた見直しを行っていく。○病院事業会計新病院移転に伴う入院患者の受入抑制や医師不足等に伴う医業収益の減により、資金不足額は前年度から増加している。一般会計からの繰出のさらなる増額に歯止めをかけるためにも、より一層の医師確保対策への注力、病床数等に応じた適正な人員配置及び経営分析に基づく経営手法の見直しにより資金不足の解消を図っていく。○水道事業会計簡易水道事業特別会計との統合にあたり収支の不足等に対応し繰出金を増額したため流動資産が増え資金剰余額も増加した。ただし繰出額は今後抑制していくため黒字幅は縮小する見込みである。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

元利償還金については発行抑制等による地方債残高の減に伴い減少している。公営企業債に関しては、病院事業会計の新病院建設事業の終了に伴い平成28年度末時点で企業債残高のピークを迎え、元金償還の開始により公債費も増加していく見込みである。今後は一般会計において庁舎整備等大規模建設事業に伴う発行額の増加が見込まれ、また病院事業会計の償還額のピークが平成33年度となる見込みであることから大幅な比率の増加が懸念される。今後は、税収等の大幅な増加は見込めないため、事業計画の見直し等により新規発行額を抑制する。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

地方債発行の抑制を継続してきたが普通交付税の合併算定替の縮減等に伴う一般財源の不足に対応するため一般会計における発行額は増加しており、これまで毎年度減少していた地方債残高が増加に転じている。公営企業債については病院事業会計における新病院建設事業の終了に伴い残高のピークを迎えたが、当該事業に係る地方債の定時償還に伴い、病院事業債残高が減少し、これに伴い繰入見込額としても減少に転じた。今後公営企業における大規模投資の計画はなく企業債残高の大幅な増加は見込んでいないが、一般会計において庁舎整備等大規模投資を予定しており平成32年度頃をピークに地方債現在高が増加する見込みである。交付税措置率の高い地方債の選択と事業精査による発行額抑制を一体的に行い、将来負担の増加を抑制する。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)災害復旧に対する一般財源需要、普通交付税の減等から生じた一般財源不足に対応した特定財源としての基金の活用により基金全体の残高として792百万円の減となった。その他特定目的基金については地方債、ふるさと納税寄附金等を活用し毎年度一定の積立を行っており前年度を上回る積立額となったが財政調整基金については歳計剰余金処分による積立が前年度を139百万円下回り、歳計剰余金処分によるものを含む基金全体の積立額は前年度を64百万円下回る403百万円となった。また取崩し額は基金繰入を特定財源として充当した大規模投資の終了に伴いその他特定目的基金については前年度比107百万円減の129百万円となったものの、一般財源不足に対応するための財源補填所要額が大幅に増加し前年度比868百万円増の1,066百万円の取崩しとなった。残高としてはその他特定目的基金は前年度比140百万円増の1,767百万円となったが財政調整基金は取崩しが大幅に増加した影響が大きく前年度比932百万円減の1,777百万円となった。基金全体の残高としても前年度比792百万円減の3,544百万円となり前年度末残高に対し18.3%減少した。(今後の方針)一般会計における一般財源の確保も非常に厳しいものとなる見込みのため、一般財源ベースでの予算規模の縮小を図り財政調整基金の財源補填的繰入を減少し不測の財源需要に備えた一定水準の残高の確保に努める。また地方債を財源とした積立は平成32年度で終了が見込まれておりその後は残高は減少していく。これらに代わりふるさと納税寄附金を財源としたふるさと仙北応援基金への積立により基金全体の残高の維持に図る。しかしふるさと納税寄附金は収入規模が安定しているとは言えないため、これらについても事業精査や事業量の調整により一定水準の残高の確保に努める。

財政調整基金

(増減理由)普通交付税の合併算定替の縮減や繰越金の減に伴う一般財源の不足や平成29年7月から8月にかけて発生した豪雨災害の復旧に係る一般財源需要の増等により1,066百万円を取り崩した。積立額については134百万円となっており、残高は前年度末比932百万円減の1,777百万円となった。(今後の方針)平成30年度当初予算において10億円の取崩を予定しており平成30年度末の残高は10億円を下回る見込みであり、経常経費の規模の見直しや政策予算の精査等により一般財源需要を削減し標準財政規模の20%程度の残高確保に努める。

減債基金

(増減理由)積立、取崩しともに行っておらず、利息分の積立のみのため残高としては例年横ばいで推移している。(今後の方針)積立、取崩しともに今後も予定しておらず、引き続き一定規模を確保していく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・仙北市ふるさと振興基金:地域住民の連帯強化及び地域振興のための事業に充てる・ふるさと仙北応援基金:市のまちづくりに賛同する人々の寄附金を財源として、豊かなふるさとづくりに資する事業に充てる・公共施設等総合管理基金:公共施設等の更新、統廃合及び長寿命化等に要する経費に充てる(増減理由)・基金繰入を活用した大規模投資が平成28年度で終了したため取崩額としては前年度比107百万円減の129百万円となった一方で、ふるさと納税寄附金の収入額増に伴うふるさと仙北応援基金の積立額の増、過疎対策事業債を財源とし積み立てる公共施設等総合管理基金の新設等により積立額は前年度比76百万円増の269百万円となり、その他特定目的基金全体の残高としては140百万円増加となっている。(今後の方針)ふるさと振興基金、公共施設等総合管理基金については引き続き同程度の規模で積立を行っていく。またふるさと仙北応援基金については積立の原資となるふるさと納税寄附金の収入額の伸びが期待されるためこれに伴い積立額の増を見込んでいる。一方で、一般会計における一般財源の不足が見込まれており、これに伴い基金繰入金を活用した事業の増加が見込まれるためその他特定目的金全体に係る残高は減少する見込み。事業計画、充当対象事業の精査により計画的な取崩し、一定水準の残高の確保に努めていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体平均を大きく上回っており、要因としては旧町村ごとに整備した施設の集約、統廃合等老朽化対策を十分に行えていないこと、一般財源不足により十分な財源が確保できていないことが挙げられる。施設の安全性・機能水準の確保のためにも一定の改修は必要であるため、公共施設等総合管理計画等に沿った施設の集約、統廃合と予算見直しを一体として行うことで、財政状況、自治体規模に見合った効率的かつ安定的な公共施設管理の実現を図る。

債務償還可能年数の分析欄

市道岩瀬北野線整備事業、クニマス未来館建設事業等地方債を活用した大規模投資の増加により前年度末比で地方債残高が増加している一方で充当可能基金残高が減少しているため、類似団体平均を上回った数値となっている。今後も庁舎整備事業や総合給食センター建設事業等の実施に伴い地方債残高は令和2年度までは増加していく見込みであり、将来負担額の増加が見込まれるが、予算見直しによる償還財源の確保及び充当可能基金残高の確保を図り、数値の増加を抑制していく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

普通交付税の合併算定替の縮小等に伴う減収等の影響から一般財源不足が生じているため、公共施設の改修にあたっては地方債を活用せざるを得ない状況であることから将来負担比率が類似団体平均を大きく上回っている。また、有形固定資産減価償却率についても類似団体平均を大きく上回っているが、これは将来負担比率がさらに上昇することが懸念されるため、施設の老朽化対策が十分に行えていないためである。公共施設等総合管理計画に沿った施設の集約化等を行った上で、地方債の適切な活用と予算構造の見直しによる一般財源の確保により老朽化対策を行っていくことで両比率の改善を図る。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率については、平成29年度における市道岩瀬北野線整備事業、クニマス未来館建設事業等地方債を活用した大規模建設事業の実施に伴う地方債残高の増、普通交付税の合併算定替の縮小等による交付額の減に対応した財政調整基金繰入金の増加等による充当可能基金の減により前年度比17.1ポイントの増となっている。一般会計債残高については庁舎整備事業等の実施による発行額増加に伴い令和2年度までは増加を見込んでおり、比率の上昇が懸念される。実質公債費比率については減少基調だが、元利償還額のピークについて病院事業会計は令和3年度、一般会計は令和5年度を想定しており、比率も上昇に転じることが見込まれる。今後は交付税算入率の高い地方債の活用や予算構造の見直し等による基金残高の確保に一層注力し、両比率の増加抑制を図り健全な財政運営の確立に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路、橋りょう、トンネルについては、財源不足等により資産価値の増加を伴う改修を十分に行えていないことから、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っている。今後は長寿命化等の必要な路線を一層精査し地方債を有効に活用し償却率の低下を図る。また児童館、公民館は合併前旧町村単位で整備した施設について統廃合等の整理をし切れていないこと、長寿命化に資する改修が行えておらず小規模修繕にとどまっていることから有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っている。こちらも今後は個別施設計画に基づき転用、統廃合を踏まえた改修を行っていく。公営住宅については老朽化の著しい建物について解体を進めているが、計画的な長寿命化や住宅の新築を行えていないことから償却率は上昇している。今後はサービス需要、地域ごとの必要性に配慮した新築整備も踏まえ地域ごとの方針を検討する必要がある。学校施設については合併後に統合、改修等大規模投資を行ったことから有形固定資産減価償却率は類似団体平均をやや下回っており、一人当たり面積についても類似団体平均に近い数値となっている。今後は児童数の減少を見据え再度統廃合等を踏まえた適正配置も勘案しながら長寿命化、機能向上を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

面積については、合併前旧町村ごとに整備した建物を活かした分庁舎方式により運用している庁舎、市内2館を運用している図書館を除きおおむね類似団体平均以下となっている。これに対し、有形固定資産減価償却率については施設類型にかかわらず全体的に公共施設の新築・建替・改修等が十分に行えていないため、一般廃棄物処理施設を除き類似団体平均を下回っている。庁舎については、最も古い角館庁舎が昭和36年度の建築であり老朽化が著しく進行しているが、平成30年度から令和2年度にかけて組織再編を伴う集約化を踏まえた新築整備を予定しており、有形固定資産減価償却率の減少が見込まれる。また一般廃棄物処理施設については令和元年度より廃棄物処理業務と合わせて一部事務組合への移管を予定しており、有形固定資産減価償却率、一人当たり有形固定資産額ともにさらに大きな減少が見込まれる。消防施設については主に消防団の使用する消防ポンプ置場や積載車車庫であり、耐震診断及び耐震補強の必要がない施設が大部分であることから長寿命化に資するような大規模な改修は今後も予定されていないが、消防団の体制等を勘案し適正配置を検討する。体育館・プールについても集約化及び統廃合、長寿命化改良の未実施により償却率は類似団体平均を上回っている。今後は地域ごとの施設を集約化し維持管理の効率化に努める。全体的に償却が進行しているが特に体育館や庁舎等市民の利用頻度も高く災害時の防災拠点、避難所となるような施設の償却率が高くなっているため、公共施設等総合管理計画等に沿った統廃合、集約化等も踏まえ適切に長寿命化等改修を行っていく。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等では、田沢湖クニマス未来館の建設や市道岩瀬北野線整備など大規模建設事業による資産の取得額を、減価償却による資産の減少が上回ったことから固定資産合計は前年度比106百万円減の50,501百万円となっている。また、災害復旧費や普通交付税の減収等に対応するため財政調整基金の取崩しが大きく増加したことなどにより、資産合計は489百万円減の53,323百万円となった。固定負債は大規模建設事業の実施に伴い地方債を発行したことで173百万円増加しており、将来世代への負担の転嫁が進行していることから、予算の見直し等による一般財源の確保により財政構造の弾力化を図り地方債に依存した建設事業の実施から脱却することで将来世代の負担を適正化していく。全体では、平成28年度まで全体、連結財務書類の対象外としていた簡易水道事業特別会計を水道事業会計と統合したことに伴う資産の移管、国民健康保険特別会計(事業勘定)における国民健康保険財政調整基金への積立金の増などにより資産合計は2,475百万円の増加となった。一方で、負債についても簡易水道事業特別会計における地方債残高の承継があり前年度比1,860百万円増加の40,436百万円となっている。連結では、一部事務組合における基金の減少(△356百万円)等はあったものの資産合計は2,190百万円増加した。また負債は一部事務組合、第三セクターともに減少したが負債合計は1,453百万円増の41,802百万円となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等では、経常費用は労務単価の上昇による各種委託費の増や市税等の不納欠損を行ったことによる業務費用の増加の影響が大きく、前年度比215百万円増の17,130百万円となった。また経常収益は使用料及び手数料収入が前年度比2.2%の微増となったものの退職手当引当金の取崩が前年度から大きく減少したため、前年度比428百万円減の903百万円となった。また豪雨災害に対応した災害復旧費の増(+211百万円)もあり、純行政コストは前年度比で1,046百万円増加した。引き続き公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の集約等による維持管理費の削減や事務事業の見直し等により経営経費の縮減を図る。全体では、水道事業会計において簡易水道事業特別会計を統合したこと等による業務費用の増はあったが、病院事業会計における退職手当組合への負担金の減等により純経常行政コストは前年度比で125百万円減少した。また純行政コストについては、病院事業会計における特別利益(退職給付引当金戻入)の減少等により前年度比459百万円増の19,925百万円となった。連結では、秋田県市町村総合事務組合における退職手当支給準備金繰入額の皆減(△337百万円)等により移転費用が大きく減少したため、経常費用は前年度比1,665百万円の減、純行政コストは326百万円減の27,324百万円となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等では、税収等収入は前年度比で74百万円減の12,653百万円と微減にとどまるものの、純行政コストは1,046百万円増の16,712百万円と税収等収入含む財源の額を大きく上回り本年度差額はマイナスとなった。また固定資産等の変動については大規模建設事業の実施に伴う有形固定資産等の増加は前年度比503百万円増の1,305百万円となった一方で、一般財源不足に対応するための財政調整基金取崩額の増が大きな要因となり貸付金基金等の減少は1,483百万円となった。これらの影響から本年度末純資産残高は30,175百万円となり前年度末残高より664百万円減少した。税収等収入の大部分を占める普通交付税は合併算定替の縮小等により今後さらに減収が見込まれるため、引き続き市税の滞納整理や徴収率の向上に努め財源の確保を図る。全体では水道事業会計において建設改良費支出の増加や簡易水道事業特別会計との統合による有形固定資産等の移管があり本年度末純資産残高は大きく増加した。簡易水道事業特別会計については地方公営企業法適用の移行期間であったことから平成28年度決算においては全体、連結財務書類の対象外としていたものであり、本年度の増加は会計の統合による一時的なものである。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等では、大規模建設事業の実施に伴い公共施設等整備費が増加したが、基金取崩収入も761百万円増加したため投資活動収支は△145百万円となった。財務活動収支は地方債等発行収入が地方債償還支出を上回ったことから371百万円となり、本年度資金収支は黒字に転じ、571百万円となった。収入の大部分が地方債等の発行と基金の取崩しで賄われている状態であるため、将来世代に過度な負担を求めることのないよう費用の削減と自主財源収入の確保に一体的に取り組む。全体では、病院事業会計における新病院建設事業が平成28年度をもって終了した影響から投資活動収支の赤字は大幅に改善している一方で、当該建設事業に係る地方債等発行収入の減少により財務活動収支の黒字幅は減少した。また水道事業会計においては簡易水道事業特別会計との統合による使用料収入の増、建設事業実施量の増加による国県等補助金、地方債等発行収入の増加により本年度収支額は大きく改善した。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は人口減少の影響から増加しているものの、減価償却や財政調整基金の取崩しが増加したことに伴い資産合計は前年度比で489百万円減少している。大規模建設事業の実施により有形固定資産減価償却率は前年度比0.2ポイントの減とわずかに改善したが類似団体平均と比較すると依然として高い比率となっている。これらの数値から老朽化施設の長寿命化等を目的とした改修が不十分であることがわかる。引き続き予算構造の見直しにより老朽化対策に活用できる一般財源を捻出するとともに、財政調整基金に依存した財政運営から脱却し一定規模の基金残高の確保を図る。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

財務活動収支の黒字及び減価償却の進行により純資産比率は前年度比0.7ポイント減の56.6%と、類似団体平均と比較しても低い数値となっている。将来世代負担比率についても地方債発行の増加により前年度比1.1ポイント増の26.0%となっており、将来世代の負担が大きくなっている。普通交付税の合併算定替の縮小による減収等により一般財源収入が不足しており、公共施設整備については地方債に依存した状態となっている。今後は予算の抜本的な見直しによる経常経費の削減を図り財政構造の弾力性を確保し、税収等一般財源による公共施設整備を実施していくことで将来世代の負担低減に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは前年度に比べ純行政コストの増加、人口の減少により5万円の増加となっている。純行政コストの増加については平成29年豪雨災害に対応した災害復旧事業費の増加(+211百万円)や資産除売却損(+161百万円)も要因となっているが、労務単価の上昇による委託費の増加や長期延滞債権の大規模な不納欠損の実施による業務費用の増加の影響が大きい。今後も引き続き公共施設等総合管理計画に基づく公共施設等の集約化、長寿命化に取り組み維持管理費の削減を行うとともに、組織再編や事務事業の見直しにより行政のスリム化を実現し費用の低減を図る。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

大規模建設事業が増加したことに伴い地方債発行額も前年度比694百万円増の2,364百万円となった。退職手当引当金の減少等はあったものの負債合計は前年度比175百万円増の23,148百万円となった。人口減少の影響もあるものの地方債残高自体の増加等に伴い住民一人当たり負債額は2.4万円増の85.8万円となっている基礎的財政収支は基金取崩収入及び積立金支出を除く投資活動収支の赤字幅が拡大したため△422百万円となった。これは地方債を活用した公共施設等の整備費が増加したためである。大規模建設事業については新市建設計画等に基づき実施していくが、地方債の新規発行の抑制のため、実施事業費の精査及び国県等補助金などの更なる活用に努める。また、地方債の発行にあたっては交付税措置率の高い地方債を選択することで地方債残高における実質的負担の低減を図る。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均をやや上回っているものの平成28年度と比較し2.6ポイント減少している。経常費用は除排雪経費の増加等に伴い前年度比215百万円の増となっている一方、経常収益については退職手当引当金取崩額の減少等により428百万円の減となっている。引き続き財政健全化の取組による財源の確保と併せて、公共施設等の老朽化に対応した長寿命化改修等を行っていくことで経常費用の低減に努める。また使用料及び手数料について水準の見直しを適宜行い、受益者負担を適正な水準に保つよう努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,