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地方財政ダッシュボード

秋田県大仙市の財政状況(2018年度)

🏠大仙市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は、類似団体平均を大きく下回る0.34となっている。これは、財政基盤の脆弱な財政力指数0.1~0.5までの市町村が合併し、合併後においても人口減や市税収入の減などにより、指数の改善が図られていない状況にある。今後は、全事務事業について、費用対効果と市民サービス適正化を照らし合わせた総点検による歳出構造の抜本的な見直しを図るとともに、分担金・負担金の見直しや市有財産の売却など自主財源の一層の確保に努める。

経常収支比率の分析欄

比率は前年度から1.2ポイント改善しており、類似団体平均を1.3ポイント下回った。経常収支比率は、歳入では普通交付税が大幅に減少したため、比率算定分母となる経常一般財源が423,062千円の減となった。また歳出では、時間外勤務手当の縮小による人件費の減の他、市債発行額の抑制に伴う元利償還金の減などにより、分子となる一般財源充当の経常的経費は785,576千円の減となった。その結果、経常収支比率は前年度から1.2ポイント改善し、90.9%となった。合併算定替の終了に伴う普通交付税の減などにより、今後も分母が年々縮小するため、公共施設の管理手法の見直しなど一層の経費削減を図り、比率の改善に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

大仙市第2次定員適正化計画に基づく職員数の抑制により、人件費は減少している。また、物件費では市議会議員選挙経費の減や、国際花火シンポジウム関連事業の終了などにより減少した。維持補修費においては降雪が少なかったことにより除雪経費が大きく減少するなど、全体では前年度より890,205千円減額となり、類似団体平均を下回っている。今後は、再任用職員数の増加や会計年度任用職員制度導入による経費増加が見込まれるため、これまでの嘱託及び臨時職員の必要性を充分に精査し、職員数の抑制を図るほか、大仙市公共施設等総合管理計画の指針に沿った公共施設の譲渡や統廃合などを進め、経費の削減を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は、類似団体69団体のうち19番目の低水準にある。これは国や類似団体と比較し、経験年数ごとの平均給与月額が低いことが要因であり、今後も人事院勧告等の制度改正を踏まえ、一層の給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成20年度以降、市直営の保育所や介護施設の法人化を進めると同時に、大仙市第2次定員適正化計画に基づき、当面の目標として人口千人当たりの職員数が10人未満となるよう組織改革及び行財政改革を進めてきた。類似団体平均を上回って推移していることから、類似団体平均に近づくよう、民間委託や指定管理者制度の推進、再任用職員(短時間勤務)・会計年度任用職員の適正配置により、組織のスリム化に努める。

実質公債費比率の分析欄

これまでの地方債発行額の抑制や繰上償還の実施等により、実質公債費比率は着実に改善し12.2%となったが、県内市町村平均や全国類似団体平均を大きく上回っている。今後、合併算定替えの終了、令和2年度実施の国勢調査による人口減少の反映による普通交付税の縮減などにより、比率算定分母が年々縮小する見込みである。これにより、比率の大幅な改善は見込めないことから、各年度で財政状況を勘案しながら地方債の任意繰上償還を引き続き行うとともに、普通建設事業の精査や先送りにより、第2期大仙市総合計画実施計画の期間内(平成28~令和7)の市債発行額を元金償還額の75%以内に抑制し、着実に比率改善に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率の分母は、普通交付税縮減による標準財政規模の縮小により、前年度比4億8千5百万円減となった。また、分子では市債残高の減少に伴う公債費の基準財政需要額算入見込額が約3億円減少したものの、全会計市債残高や一部事務組合償還負担額、退職手当負担見込額など全てが減少したことから、比率算定分子が前年度比22億円減となった。これにより、比率は128.1%と前年度から6.7ポイント改善しているが、類似団体平均を大きく上回っている。今後は普通交付税の合併算定替の終了により年々比率改善幅が縮小することから、引き続き地方債発行額の抑制と繰上償還を積極的に行い、地方債残高の圧縮に努めるほか、基金の積み増しを図るなど財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

職員数の減のほか、時間外勤務手当の減や退職手当の組合負担金額の減に伴い、比率は前年度から0.3ポイント低下した。今後は再任用職員の増のほか、会計年度任用職員制度導入による人件費の増が見込まれるため、引き続き大仙市第2次定員適正化計画に基づく定員管理の適正化に努め、人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

物件費は、花火産業構想に基づく「はなび・アム」開館に伴う経費や、維持管理経費の増により、比率は前年度より0.3ポイント上昇したが、類似団体平均値を下回っている。今後は、各地区に点在する公共施設の利用形態を勘案しながら、管理手法等を総合的に見直した上で施設の統廃合を推進し、物件費の抑制を図る。また、会計年度任用職員制度の導入により、大幅な減少を見込んでいる。

扶助費の分析欄

扶助費については、生活保護世帯の増加や障害福祉サービス事業の拡充のほか、市単独の医療給付費の拡充により、これまで増加傾向にあった。平成30年度においては、障害児デイサービス事業や保育所利用児童数の増に伴う保育料支援費が増となった事などにより、比率は前年度より0.8ポイント上昇した。今後は、人口減少に伴い児童手当や障害福祉サービス等の受給者も減少が見込まれるが、普通会計の決算規模も年々縮小することから、国の新たな扶助制度が構築されない限りは同水準で推移すると見込まれるが、市単独の扶助制度の見直しによる削減に努める。

その他の分析欄

繰出金については、下水道事業繰出金が法適用会計へ移行したことにより補助費等へ性質区分変更されたため、歳出充当一般財源が減少した。維持補修費については、降雪が少なかったため除雪対策費が前年度と比較し大きく減少した。これにより、その他全体の比率は前年度より6.7ポイント低下した。公共施設の老朽化対策に係る維持補修費が年々増加しているため、大仙市公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合を早期に進める。

補助費等の分析欄

当市は、消防・斎場・介護・清掃等の広域運営費について、一部事務組合へ負担しているため、補助費等が他団体より大きくなる傾向にある。補助費等については、下水道事業が法適用会計へ移行したことにより繰出金から補助費等へ性質区分変更されたため、歳出充当一般財源が大幅に増加したことから、比率は前年度と比較し4.9ポイント上昇し、類似団体平均値との差が拡大した。一部事務組合への負担金や保育所施設型給付費が経常経費の大部分を占めているが、農業及び商工業振興や地域活性化に係る各種市単独補助金が財政を逼迫する要因にもなっているため、今後は市単独補助金の目的・必要性・効果等を勘案し一層の縮減を図る。

公債費の分析欄

公債費については、任意の繰上償還を実施しなかったことなどにより、分子となる経常経費充当一般財源等が前年度より166,128千円の減となったものの、分母となる経常一般財源も423,062千円減となったことにより、比率の大きな変動はなく、前年度より0.2ポイントの低下にとどまった。第2次大仙市総合計画の実施計画の見直し等による市債発行額の抑制や任意繰上償還を行っているが、今後も市債償還額の大幅な減少は見込めないため、低利な地方債への借換を積極的に行うとともに、市債発行額の抑制を図り、着実に公債費の縮減に努める。

公債費以外の分析欄

物件費・維持補修費・扶助費・補助費等に係る経常経費は前年度より増加となったが、人件費・繰出金は前年度より減少したため、分子が前年度比619,448千円の大幅な減となった。また、分母は経常経費一般財源等の減少により大きく減少したが、前年度より1.0ポイント低下し、類似団体平均値を下回った。当市では、市単独補助金や公共施設の統廃合等による見直しが、経常経費削減の喫緊の課題であり、全事務事業の総点検による見直しや大仙市公共施設等総合管理計画に沿い、これら施設に係る経費の抜本的な見直しに努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・民生費については、、障害者支援施設改築に対する補助金が大幅に増となったため、住民一人当たりの費用は前年度より6,817円増加し、類似団体平均値を大きく上回った。・労働費については、会計年度任用職員制度に係る必要な人材確保を図るための基金を積み増しした事により、前年度より倍増し、類似団体平均を大きく上回った。・農林水産業費については、平成29年度に実施した農業機械施設導入補助などの大型事業が終了したため、住民一人当たりの費用が8,664円減少した。農業は当市の基幹産業であるため、大きく縮減することはない。・土木費については、降雪が少なかったことにより除雪対策費が大幅に減となったことに加え、平成29年度の豪雨災害画の復旧事業を優先したことにより、住民一人当たりの費用は前年度より10,743円減少した。・消防費については、広域消防庁舎の建設事業に伴う負担金がピークを過ぎ約4億円の減となり、住民一人当たりの費用が前年度より3,717円減少したものの、類似団体平均値との差が大きくなっている。令和元年度で消防庁舎建設事業が終了することから、今後は大きく低下するものと見込んでいる。・教育費については、「(仮称)大綱交流館」や「清水分館」建設の他、市内小中学校の設備改修工事の実施により、住民一人当たりの費用は7,018円上昇し、類似団体平均値を大きく上回った。令和元年度以降も武道館の建設や学校施設へのエアコン設置事業を控えているため、大きく低下することはない。・災害復旧費については、平成29年の豪雨災害の復旧事業が本格化したことにより、大幅に上昇している。令和元年度で復旧事業が終了する見込みであることから、今後は減少する見込みである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・住民一人当たりのコストは587,840円となっている。・人件費については、給与のプラス改定や再任用職員の増加があったものの、大仙市第2次定員適正化計画に沿い職員数の抑制を図ってきた結果、住民一人当たりの人件費は前年度より1,382円減少し、類似団体平均値との乖離も縮小している。・物件費については、平成29年度に実施された市議会議員選挙経費や国際花火シンポジウム開催経費が減となったものの、人口減少により住民一人当たりの物件費は前年度より306円上昇した。また類似団体平均値も上昇しため、乖離は縮小している。各種事務事業の精査により、経費の縮減に努める。・維持補修費については、除排雪経費が降雪量によって大きく変動することから、類似団体との単純比較は難しい。除雪経費(1,074,822千円)を除いた住民一人当たりの維持補修費は5,556円と前年度に比べ、13円減少している。・補助費等については、消防・清掃等の広域運営分を一部事務組合へ負担(2,955,512千円)していることから、類似団体中1位となっているが、この分を除いても住民一人当たりの補助費等は98,374円と高い。財政圧迫の要因となっている市単独補助金について、目的と効果を照らし合わせ見直しを図る。下水道事業の法適用会計への移行に伴う性質区分の変更(繰出金→補助費等)により、大きく増加したもの。・普通建設事業費については、障害者支援施設改築に対する補助金の増や(仮称)大綱交流館の建設が本格化したことなどにより、住民一人当たりのコストは前年度に比べ1,124円上昇したが、類似団体平均値よりは低い水準にある。・公債費については、年々減少しているものの、縮小幅が小さいため、住民一人当たりの公債費に大きな変動はない。改善には地方債残高を縮減する方策しかなく、今後は事業の見直しによる地方債発行額の抑制を基本に、交付税算入率の高い地方債選択や繰上償還の実施により着実に公債費の縮減に努める。・繰出金については、下水道事業の法適用会計への移行に伴う性質区分の変更(繰出金→補助費等)により、大きく減少した結果、類似団体平均を下回った。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

財政調整基金については、災害等の不測の事態の備えとして標準財政規模の約10%にあたる30億円を積み立てることを目標に積み増しを図っており、平成30年度においては、一般財源不足により6億円を取り崩したものの、年度末に8億5千万円を積み増ししたことで、31億円の残高を確保している。実質単年度収支は市債の任意繰上償還を実施しなかったものの、実質収支額が増加したことに加え、財政調整基金の取り崩し額を超える積み増しを図ったため、平成27年度以来の黒字決算となった。今後は、合併特例期間の終了による普通交付税の縮減や人口減少に伴う縮減に伴う財源不足が想定され、基金取り崩しが見込まれるが、各年度の財政運営を勘案しながら、できる限りの積み増しを図り、安定した財源の確保に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

平成21年度以降、全会計で赤字が発生していない。上水道事業及び市立大曲病院事業以外の会計については、一般会計からの基準外繰出により、黒字を保っている現状にある。簡易水道事業会計は29年度から、また下水道事業は30年度から法適用会計へ移行し、独立採算性方式により、経営・資産等の正確な把握による経営管理の向上に努めている。簡易水道事業及び下水道事業への繰出金は、前年度より減少したものの、下水道事業では法適用会計移行により、分流式下水道に要する経費に対する繰出基準の運用が変わるため、これに伴い基準外繰出が約5.5億円増となった。一般会計の財政健全化の推進には、公営企業への基準外繰出の縮減が不可欠であるが、流動資産の少ない当市の公営企業会計においては、一般会計からの基準外繰出を安易に縮減すると公営企業が赤字となる可能性が高く、公営企業の経営収支を勘案した基準外繰出が重要である。基準外繰出については、その大部分が建設改良に係る公債費繰出であり、今後も水道事業における給水区域の拡張を図るための取水水源の確保や、老朽化した配水管の更新及び未普及地域の解消のための拡張改良等の施設整備のほか、下水道事業では、市街地、周辺地区及び農業振興地区の集落の生活環境の改善を図る事業や処理場や浄化センターなど施設長寿命化工事などが予定されていることから、建設事業の精査や施設の統廃合、県流域施設への接続などを進め、公営企業債の発行を抑制することで、基準外繰出の縮減を図る。今後は加入率の向上による利用料金収入のほか、使用料・受益者負担金の徴収強化による自主財源の確保に努め、経営改善等を積極的に進める。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

元利償還金については、平成22年度をピークに減少している。また、準元利償還金は簡易水道事業や下水道事業など公営企業会計への繰出金の他、大仙美郷環境事業組合への償還費分が大きく減少したため、分子は前年度に比べ435百万円減となっている。実質公債費比率算定の分母となる標準財政規模等については、今後、人口減少や合併算定替の段階的縮減に伴い普通交付税が減少する見込みであり、比率の大幅な改善は見込めない。よって、第2次大仙市総合計画の具体的な指針となる実施計画の計画期間における市債発行額を元金償還額の75%以内に抑制することや、財政運営において任意繰上償還を行うことにより比率改善に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

一般会計等では、平成25年度においては大曲厚生医療センターの移転改築を核とした市街地再開発事業、平成26年度は学校給食センター建設のほか、広域斎場及び特別養護老人ホーム建設支援に係る地方債発行を行ったため、市債残高が増加したが、平成27年度以降は合併前後に実施したまちづくり交付金事業などに充てた地方債の償還終了等により残高が縮小している。また、公営企業債等繰入見込額についても、市内3ヶ所(仙北中央・淀川・協和中央)の大規模な簡易水道事業を実施したため、地方債残高の増加が懸念されたが、発行額の抑制により着実に減少している。なお、比率算定分子の充当可能財源となる財政調整基金については、平成29年度において、災害復旧経費に係る財源不足を補うため取り崩しを行ったことから、充当可能財源が約6億円減少したが、平成30年度において積み増しを図ったため、残高が増加した。今後も各年度の財政状況を勘案しながら財政調整基金への積み増しを図るとともに、第2次大仙市総合計画の具体的な指針となる実施計画に登載される各種事業を厳選することで市債発行額を抑制し、比率改善に努める。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金の増(2億5千万円)が主な要因となり、前年度に比べ基金全体の残高が2億5千万円増加している。(今後の方針)普通交付税の合併算定替えの段階的縮減により、慢性的な財源不足に陥っていることから、各年度の財政運営において、余剰金を財政調整基金に積み立てることを基本に財源確保を図っていく。なお、地域振興基金は、償還が終わった範囲内で毎年度取り崩しを行うため、基金全体の残高は減少する見込みである。地域振興基金は、将来負担比率の充当可能財源に含まれないが、計画的な取り崩しに努めていく。

財政調整基金

(増減理由)平成30年度においては、一般財源不足により6億円を取り崩したものの、年度末に8億5千万円を積み増ししたことで、31億円の残高を確保した。(今後の方針)合併直後、財政調整基金の取り崩しにより財源不足を補ったため、平成20年度末には一時6億円にまで残高が減少した。その後、財政健全化の取り組みとして積み増しを図り、平成30年度末には31億円の残高を確保するまでに至った。今後も一般財源不足から財政調整基金の取り崩しが必要となるが、最小限に止めつつも、災害など不測の事態の備えとして、標準財政規模の10%に相当する約30億円の残高確保を維持し、各年度の財政状況を考慮しながら積み増しを図る。

減債基金

(増減理由)平成24年度末に1億円の繰り入れを行って以降は、利息の積み立てのみであり、残高の増減はない。(今後の方針)減債基金は、市債の償還財源を確保するために設置されており、合併直後には約5億7千万円の残高を保有していた。合併後、財政融資資金の補償金免除に伴う市債の繰上償還や、秋田県町村土地開発公社の解散に伴う先行取得用地買収に係る市債の繰上償還の財源として繰り入れを行ってきたため、残高は55百万円にまで減少している。市債償還財源の確保を図るため、積み増しを図る必要があるが、現時点では財政調整基金や公共施設修繕引当基金への積み増しを優先しているため、減債基金の残高に大きな変動はなく推移すると思われる。

その他特定目的基金

(基金の使途)・地域振興基金は、合併特例債を活用し積み立てを行い、合併後の地域振興に資するソフト事業を計画的かつ安定的に実施するための財源として活用する。・公共施設修繕引当基金は、将来の公共施設修繕に要する財源として、平成22年度から積み立てを行い、庁舎・学校・生涯学習施設などの公共施設の老朽化に伴う修繕費用の財源として活用する。・地域雇用基金は、市の重点政策事業を実施する上で、必要不可欠な嘱託臨時職員を継続的に雇用するための財源として活用する。(増減理由)・地域振興基金は、平成17年度から平成26年度の10年間で40億円積み立てし、平成27年度から償還の終わった範囲内(年間約230百万円)で地域振興に資する事業に充当しており、平成30年度決算時点で残高が3,304百万円に減少している。・公共施設修繕引当基金は、平成28年度から公共施設の修繕費用に充当しているが、各年度の財政状況を勘案し、年度末に積み増しを図ることで基金残高を5~6億円程度確保している。平成30年度は市民会館や各庁舎などの修繕費用として取り崩しを行ったため、44百万円の減少となった。・地域雇用基金は、学校生活支援員や放課後児童クラブ指導員の確保のための経費に充当しているが、公共施設修繕引当基金と同様、年度末に積み増しを図り、平成30年度末で5千9百万円増の2億1千万円の残高を確保している。(今後の方針)・地域振興基金は、各地域の振興を継続的に図る上で重要な財源であり、計画的な取り崩しに努めていく。・公共施設修繕引当基金及び地域雇用基金は、充当事業全体の見直しを図りながら、積み増しと取り崩しのバランスを考慮しながら活用を図っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当市では、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を10年間で施設総量の8%、20年間で18%、30年間で33%縮減する目標を掲げ、施設の統合、廃止のほか、譲渡や売却に取り組んでいる。有形固定資産減価償却率については、64.6%と類似団体平均と比べやや高くなっている。児童館などの施設は老朽化が進んでおり、今後、公共施設等総合管理計画の個別計画に基づき、資産の効率的な管理、効果的な利活用をより進めていく必要がある。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率について、856.2%と類似団体と比較して平均を上回っており、高い水準にある。第2次大仙市総合計画の具体的な指針となる実施計画の計画期間における市債発行額を元金償還額の75%以内に抑制することや財政運営において任意繰上償還を行うことにより将来負担を軽減していくとともに、事務事業の見直し等による経常収支の改善に取組む。平成30年度では財政調整基金の積み増しを図ったことから比率が21.3ポイント低下した。また、積み増しを行ったことで目標としていた標準財政規模(約300億円)の10%に相当する約30億円の残高を確保できている。今後も各年度の財政状況を考慮しながら基金の積み増しを図り、数値改善に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率及び有形固定資産減価償却率ともに、それぞれ128.1%、64.6%と類似団体平均と比べ高い水準にある。現在、基金への積み増しや地方債の新規発行の抑制による公債費の縮減に努めており、将来負担比率については低下することが見込まれる。また、有形固定資産減価償却率が高い水準にあるのは、「児童館」の比率が類似団体平均を大きく上回っていることが一つの要因となっている。今後も市が所有する児童館の譲渡等を進めるとともに、他の老朽化が進んでいる施設については、公共施設等総合管理計画に基づき長寿命化対策に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率及び実質公債費比率ともに、それぞれ128.1%、12.2%と類似団体平均を大きく上回っているが、第2次大仙市総合計画基本構想に基づく地方債発行額の抑制や繰上償還の実施等により、将来負担比率、実質公債費比率ともに改善してきている。平成29年度は災害による基金取り崩しの影響で将来負担比率が5.9ポイント上昇したが平成30年度で積み増しを図ったため6.7ポイント低下した。今後、地方債残高の減少や基金積み増しにより状況は改善する見込みであるが、引き続き地方債の任意繰上償還を行うとともに、普通建設事業の実施内容や年度の見直しを図り、各年度の地方債発行額を抑制し比率の改善に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率について「認定こども園・幼稚園・保育所」の数値が21.0%と類似団体平均と比較して大幅に低いが、駅前再開発事業に伴い認定こども園が平成28年度に新設されたためである。なお、法人化を進めたことにより、市で現在運営している既存の保育園についてはへき地保育園2園であり、うち1園は令和元年度に廃止、令和2年度に解体の予定である。類似団体平均と比較して特に比率が高い施設は「児童館」「公民館」「学校施設」であり、児童館はこれまでと同様に自治会等への譲渡を進めるとともに、存続していく必要がある児童館は改修または建替等の長寿命化対策を講じていく。また公民館については清水公民館が平成30年度に新築されたことで減価償却率が14.8ポイント減少した。学校施設においては市内21小学校のほとんどで児童数が減少している状況にあり、統合が進んでいない東部地域の小学校統合について、既存小学校の教室数等を勘案しながら検討していく必要があるほか、学校施設の老朽化により増加している大規模修繕について令和2年度までに策定予定の学校施設長寿命化計画を踏まえて対応していく。住民一人当たりの数値が類似団体と比較して特に高いのは、道路の一人当たり延長及び橋りょう・トンネルの一人当たり有形固定資産額である。当市は中山間地帯であるため集落が広く点在していることから、道路延長が長距離に及んでいるとともに中小規模の橋りょうも多数存在し、橋りょうの資産額は近年実施された3つの橋りょう工事の平均単価を用いて算出しているため高い値となっている。なお、平成28年度の道路の一人当たり延長についてはグラフで275.553と表示されているが40.681の誤りである。今後、道路については、定期的な調査や点検を実施し、適正な管理を行うための管理基準を定め、必要に応じた修繕方法を多角的に精査し、維持管理費の低減を図っていく。また、橋りょうについては、整備されてから60年を超える橋りょうの多くが更新時期を迎えることから、策定済の「橋梁長寿命化修繕計画」を基に長寿命化を推進していくことにしているが、市街地開発等の効果による交通量の増加などの影響により老朽化が加速することが想定されるため、5年に1度を目処に実施する定期点検の結果により全ての橋梁状況を的確に判断し、今後の整備路線の選択と補修内容について検討を重ねていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率については、ほとんどの類型で類似団体平均を上回っているが、「保健センター・保健所」と「消防施設」では、それぞれ23.2%、29.1%と平均を大きく下回っている。保健センターについては駅前再開発事業に伴い平成27年度に新たに保健センターが新築されたこと、また協和保健センターが平成30年度に廃止になったことで前年比2.9ポイント減少している。消防施設については平成30年度に中仙地域で消防格納庫を改築したほか、消防本部を新築したことで有形固定資産減価償却が大幅に減少した。住民一人当たりの面積については「市民会館」、「庁舎」において類似団体と比較して高くなっている。市民会館は4館、庁舎は市町村合併前の庁舎を全て引き継いでいるため大曲地域にある本庁舎のほか7地域に支所庁舎があり、人口減少が急速に進む当市においてはさらなる比率の上昇が確実である。このようなことから、市民会館については類似施設の近接状況や市全体のバランス、稼動状況等も勘案しながら適正な配置を検討する。また、庁舎についてはいずれも引き続き必要であることから、本庁舎は築60年を目処に建て替え、支所庁舎は引き続き維持していくため、公共施設等総合管理計画に基づき改修して長寿命化に努める。なお、一般廃棄物処理施設については「該当数値なし」となっているが、これは、平成30年度まで一般廃棄物処理事業を運営していた一部事務組合において統一した基準による財務書類を作成していなかったことによる。当該団体は平成30年度で解散し、大曲仙北広域市町村圏組合に事業が引き継がれたため、令和元年度からは比率が算出される予定である。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の資産総額は、前年度末と比較し9,130百万円(△3.20%)の減となっている。金額の変動が大きいものはインフラ資産である。広大な行政面積(866.77km)を有し中山間地帯であるため集落が点在し、道路延長が長距離に及んでいるとともに中小規模の橋りょうも多数存在しているため、道路及び橋りょうなど工作物の減価償却額が大きくなり、資産総額の減少に影響している。一方、負債総額は、前年度末と比較し316百万円(△0.50%)の減となっている。金額の変動が大きいものは1年内償還予定地方債(流動負債)であり、579百万円(△10.27%)減少した。一般会計等に市立大曲病院事業会計や大仙市上水道事業会計及び大仙市下水道事業会計などを加えた全体の資産総額では、病院施設に係る建物や土地、上下水道施設や水道管等インフラ資産を計上していることなどにより、一般会計等と比べて77,540百万円(+28.10%)多くなっている。また、負債総額も同様に病院及び上下水道に係る地方債(固定負債)があるため、69,843百万円(+111.98%)多くなっている。全体に一部事務組合と第三セクターを加えた連結の資産総額では、大曲仙北広域市町村圏組合が保有する消防施設等資産の計上などにより、全体と比べ8,987百万円(+2.54%)多く、負債総額も消防車や救急車の更新に係る借入金等により、3,296百万円(+2.49%)多くなっている。なお、全体および連結において前年度より資産、負債ともに増加しているのは大仙市下水道事業会計が公営企業法適用の企業会計に移行したことで反映されるようになったためである。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等における経常費用は47,065百万円となり、前年度末と比較し2,217百万円(△4.49%)の減となっている。このうち、人件費等の業務費用は25,044百万円で前年度末と比べ1,351百万円(△5.11%)の減、補助金や社会保障給付等の移転費用は22,020百万円で前年度末と比べ867百万円(△3.78%)の減となっている。中でも業務費用の物件費に係る費用が前年度末と比較し1,141百万円(△13.42%)の減となっている。今後も施設の集約化、廃止、譲渡等による公共施設等の適正管理のほか、事務事業の見直しなどにより費用の縮減に努める。全体では、上下水道料金等が収益として計上されていることなどから、一般会計等と比べて経常収益が2,694百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が5,096百万円多くなり、純行政コストは8,068百万円多くなっている連結では、連結対象団体となっている株式会社神岡ふるさと振興公社など第三セクターの事業収益を計上していることなどから、全体に比べて経常収益が2,192百万円多くなっている一方、介護保険事業を運営する大曲仙北広域市町村圏組合や後期高齢者医療保険事業を運営する秋田県後期高齢者医療広域連合などの一部事務組合における補助金や社会保障給付等の移転費用が16,403百円多くなり、純行政コストは19,071百万円多くなっている

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(39,452百万円)が純行政コスト(47,871百万円)を下回っており、本年度差額は△8,419百万円となり、純資産残高は前年度末と比べて8,815百万円の減少となった。農業所得や給与所得の増加による市民税の増収や企業の事業拡大による売り上げ増加に伴う法人市民税の増収となったが、自主財源比率は3割未満と依然として厳しい状況であることから、滞納税額の圧縮など徴収の強化に努めるとともに行政コストの縮減に取り組む。全体では、国民健康保険事業特別会計及び後期高齢者医療特別会計等の国民健康保険税や後期高齢者保険料が税収等に含まれることなどから、一般会計等と比べて財源が9,934百万円(+25.17%)多くなっているが、本年度差額は△6,553百万円となり、純資産残高は前年度末と比べて7,565百万円の減少となった。連結では、秋田県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金などが多いことから、全体と比べて財源が19,351百万円(+39.18%)多くなっているが、本年度差額は△6,274百万円となり、純資産残高は前年度末と比べて6,687百万円の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支は1,010百万円であったが、投資活動収支は中仙公民館清水分館や大綱交流館の建設、「かわ舟の里角間川」の改築に対する補助などにより公共施設等整備費支出が多くなっていることから、△1,003百万円となっている。財務活動収支は地方債償還支出が地方債発行収入を上回ったことから、△181百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から174百万円減少し、1,382百万円となった。全体では、国民健康保険税などが税収等収入に含まれ、上下水道料金の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より2,721百万円多い3,731百万円となっている。投資活動収支は上水道管の改良等を実施したため、△2,217百万円となっている。財務活動収支は地方債償還支出が地方債発行収入を上回ったことから△1,252百万円となり、本年度末資金残高は前年度から263百万円増加し、4,125百万円となった。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、市町村合併前に旧市町村毎に整備した公共施設のほとんどが現在も残っているため、類似団体平均値を上回っている。さらに、老朽化した施設が多いため、前年度に比べて資産合計で913,087万円減少している。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、平成28年度に策定した大仙市公共施設等総合管理計画に基づき、施設保有量の適正化に取り組む。歳入額対資産比率は、類似団体平均値を上回る結果となっているが、かわ舟の里角間川の改築事業費補助金や清水分館改築などにかかる地方債の発行が大幅に増えたことにより前年度に比べ0.13年減少した。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値を少し上回っているが、老朽化した施設の点検・診断や計画的な予防保全により長寿命化を進めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は純行政コストが税収等の財源を上回ったことから純資産額は減少しているものの、類似団体平均値を上回っている。引き続き大仙市公共施設等総合管理計画に基づく施設総量の縮減及び今後策定予定の大仙市行政サービス改革大綱に基づき、効率的・効果的な行政運営を目指すことなどにより、行政コストの縮減に努める。将来世代負担比率は新規に発行する地方債の抑制や、繰上償還の実施により類似団体平均値を下回っている。現在と将来世代との負担のバランスを考慮しながら、引き続き繰上償還などにより地方債残高の圧縮を図り、可能な限り将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値を上回っている。当年度は純経常行政コストは減少したものの前年度に発生した豪雨災害の災害復旧事業費がかかり増ししたことで臨時損失が増加したため前年とほぼ同数値となった。また本市は、合併前の旧市町村が保有していた施設を引き継いでおり、これらの施設に係る物件費及び減価償却費が大きな割合を占めている。本市にとっては公共施設の縮減が大きな課題であることから、廃止や譲渡を前提に公共施設の整理に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を上回っていることから、投資計画の見直しによる地方債発行額の抑制や繰上償還などにより負債額の縮減に努める。基礎的財政収支は、類似団体平均値を上回り、業務活動収支の黒字分が投資活動収支の赤字分を上回ったため、553百万円となっている。しかし、前年に発生した豪雨災害の復旧事業費の増加などにより業務活動収支は前年度比で490百万円減少した。今後も税収等の収入額減少が予測され、業務活動収支の黒字額の伸びは期待できないことから、公共施設等整備事業を抑制し、投資活動収支の赤字額を抑えるよう努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均値を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合が低くなっている。公共施設等の使用料の見直しを行うことで受益者負担の適正化に努める。また、大仙市公共施設等総合管理計画による施設総量の縮減のほか、今後策定予定の行政サービス改革大綱に基づいた行財政改革の実施などにより経常費用の縮減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,