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2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2020年度)
財政力
財政力指数の分析欄
近年は個人県民税等の増収により上昇傾向にあったが,令和2年度は前年度とほぼ同水準となった。これは,地方消費税が増となった一方で,新型コロナウイルス感染症の影響等によって一部の業種を除いて企業業績に減速が見られたこと等による法人二税の減などにより,県税収入が微増に留まったためである。本県は高齢化が進行するとともに,外海離島や半島を有しており,多くの県有施設等を維持する必要があることなどから,財政需要も増大しており,依然として財政状況は予断を許さない。引き続き,持続可能な行財政構造を構築するため,行財政改革に取り組んでいるところである。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
前年度より0.3ポイント低下したものの,グループ内平均を上回る97.6%となっている。令和2年度は,普通交付税とその振替である臨時財政対策債の合計が増加したことなどで分母である歳入が増加しており,分母である歳入の増が分子である歳出の増を上回ったことにより経常収支比率は低下したものである。普通建設事業費の水準等を適切に管理することにより公債費を適正な規模で管理するとともに,人件費は適正な給与水準を維持しつつ業務量等に応じたメリハリのある適正な定員管理を行いながら地方公務員の定年引き上げに伴う影響にも十分に留意しながら適正な規模を確保するなどにより,改善を図っていくこととしている。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
前年度より3,911円増加したものの,グループ内平均を下回る150,748円となっている。令和2年度は,分子である人件費・物件費等は増加している一方で,分母である人口が減少しており,分母である人口の減が分子である人件費・物件費等の増を上回ったことにより人口1人当たりの人件費・物件費等決算額は前年度より増となっている。人件費について適正な給与水準を維持しつつ業務量等に応じたメリハリのある適正な定員管理を行いながら地方公務員の定年引き上げに伴う影響にも十分に留意しながら適正な規模を確保するなどにより,持続可能な財政構造の構築を進める。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
ラスパイレス指数は96.2となっており,グループ内で最も低くなっている。これは,職務給の徹底などの取組によるものである。今後とも,給与制度の見直しや適切な運用に努めることとしている。
定員管理の状況
人口10万人当たり職員数の分析欄
前年度より108.29人増加し,グループ内平均を上回る1,563.80人となっている。令和2年度に大きく増加したのは,臨時的任用職員について地方公務員法の改正に基づき任用期間を見直したことにより,対象職員が増となったものである。今後とも,簡素で効率的な組織機構の整備や民間活力の活用などの取組を進めることにより,業務量に応じた職員の適正配置を行うこととしている。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
前年度より0.2ポイント低下したものの,グループ内平均を上回る11.5%となっている。消費税率の引き上げや,地方法人課税の偏在是正措置により生じる財源を活用して創設された地域社会再生事業費の増などにより標準財政規模が増加したことで,単年度の実質公債費比率が低下する一方,標準財政規模に対する元利償還金等の額がグループ内の他団体を引き続き上回っていることから,実質公債費比率は引き続きグループ内平均を上回る状況が続いている。今後,普通建設事業費の水準等を適切に管理することにより公債費を適正な規模で管理することとしている。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
前年度より5.6ポイント低下したものの,グループ内平均を上回る212.1%となっている。令和2年度は,消費税率の引き上げや,地方法人課税の偏在是正措置により生じる財源を活用して創設された地域社会再生事業費の増などにより標準財政規模が増加したこと等により,低下したものである。また,標準財政規模に対する県債残高の規模がグループ内の他団体を引き続き上回っていることから,将来負担比率がグループ内平均を上回る状況が続いている。今後,行財政運営指針に基づき,臨時財政対策債等を除く本県が独自に発行する県債残高を1.1兆円程度の残高で推移するよう管理することとしている。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)
人件費
人件費の分析欄
人件費に係る経常収支比率は,前年度より0.8ポイント低下したものの,グループ内平均を上回る39.0%となっている。前年度と比較し減となった要因は,新型コロナウイルス感染症対応等に伴う超過勤務手当の増などにより人件費は増加しているものの,地方税・普通交付税を中心とする毎年度経常的に収入される一般財源等が増加したため,人件費の割合は前年度より低下したものである。今後とも,適正な給与水準を維持しつつ業務量等に応じたメリハリのある適正な定員管理を行うことなどにより,適正な規模を確保することとしている。
物件費
物件費の分析欄
物件費に係る経常収支比率は,前年度より0.2ポイント上昇したものの,グループ内平均を下回る3.2%となっている。これは,「行財政運営戦略」を踏まえ,物件費等を含む一般政策経費の圧縮に取り組んできたことが反映されたものと考えられる。今後とも,必要性・効率性の観点からメリハリをつけた見直しに取り組むこととしている。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費に係る経常収支比率は,グループ内平均を上回る2.5%となっている。これは,水俣病関連の支出(水俣病総合対策事業(令和2事業費:37.7億円))があることなどにより,グループ内平均を上回っているものである。
その他
その他の分析欄
その他は維持補修費,貸付金及び繰出金であり,港湾整備事業特別会計への繰出金が減少したことなどにより,前年度より0.2ポイント低下し,グループ内平均を下回る3.2%となっている。今後とも必要性・効率性の観点からメリハリをつけた見直しに取り組むこととしている。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等に係る経常収支比率は,前年度より2.2ポイント上昇し,グループ内平均とほぼ同水準の24.9%となっている。これは,清算期間における地方消費税等の収入増により地方消費税市町村交付金が増加したことや,医療・福祉分野の事業への基金充当額が減少したこと等により増となったものである。今後とも必要性・効率性の観点からメリハリをつけた見直しに取り組むこととしている。
公債費
公債費の分析欄
公債費に係る経常収支比率は,前年度より1.2ポイント低下したものの,グループ内平均を上回る24.8%となっている。これは,過去に発行した県債の償還の進行や最近の低金利を反映した加重平均利率の低下等により,元利償還金が減少したため前年度より低下しているが,標準財政規模に対して県債残高が大きいためグループ内平均を上回っているものである。今後,普通建設事業費の水準等を適切に管理することにより公債費を適正な規模で管理することとしている。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外に係る経常収支比率は,グループ内平均を上回る72.8%となっている。これは,人件費や補助費等に係る経常収支比率がグループ内平均を上回っていることなどによるものであり,特に補助費等の割合の増加などにより,前年度より0.9ポイント上昇している。今後とも,必要性・効率性の観点からメリハリをつけた見直しに取り組むこととしている。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
目的別歳出の分析欄
・歳出決算総額は,住民一人当たり527,618円となっている。・総務費は,住民一人当たり29,499円とグループ内平均を下回っている。前年度より住民一人当たり1,249円増加しているが,これは国民体育大会・全国障害者スポーツ大会施設等整備等基金への積立金の増などによるものである。・民生費は,住民一人当たり96,274円とグループ内平均を上回っている。前年度より住民一人当たり11,992円増加しているが,これは新型コロナウイルス感染症に対応した特例貸付の原資補助に対応した生活福祉資金貸付補助事業の増などによるものである。・衛生費は,住民一人当たり32,723円とグループ内平均を下回っている。前年度より住民一人当たり17,041円増加しているが,これは新型コロナウイルス感染症重点医療機関等体制整備事業の増などによるものである。・商工費は,住民一人当たり12,044円とグループ内平均を下回っている。前年度より住民一人当たり5,788円増加しているが,これは新型コロナウイルス関連緊急経営利子補助事業の増などによるものである。・土木費は,住民一人当たり62,360円とグループ内平均を下回っている。前年度より住民一人当たり7,920円増加しているが,これは国の補正予算や防災・減災,国土強靱化3か年緊急対策などへの対応により増となったものである。・災害復旧費は,住民一人当たり8,217円とグループ内平均を下回っている。前年度より住民一人当たり3,323円増加しているが,これは,河川等災害復旧事業費の増などによるものである。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
性質別歳出の分析欄
・歳出決算総額は,住民一人当たり527,618円となっている。・補助費等は,住民一人当たり149,587円とグループ内平均をやや下回っている。前年度に比べ住民一人当たり39,350円増加しているが,これは清算期間における地方消費税等の収入増により地方消費税市町村交付金が増加したことや,新型コロナウイルス感染症対策等に要した経費が増加したこと等により増となったものである。・普通建設事業費は,住民一人当たり102,597円とグループ内平均を下回っている。前年度に比べ住民一人当たり8,537円増加しているが,これは,国の補正予算や防災・減災,国土強靱化3か年緊急対策などへの対応により増となったものである。・災害復旧事業費は,住民一人当たり8,217円とグループ内平均を下回っている。前年度に比べ住民一人当たり3,323円増加しているが,これは河川等災害復旧事業費の増などによるものである。・積立金は,住民一人当たり8,424円とグループ内平均を下回っている。前年度に比べ住民一人当たり3,426円増加しているが,これは国民体育大会・全国障害者スポーツ大会施設整備等基金への積立が増加したことなどによるものである。・投資及び出資金は,住民一人当たり15円とグループ内平均を下回っている。前年度に比べ住民一人当たり357円減少しているが,これは被災者生活支援基金拠出事業による出資金の減によるものである。
実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)
分析欄財政調整基金残高は,歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革の取組により,平成23年度以降財源不足が生じていないため,近年,同水準で推移している。また,実質収支については事業の効率的な執行に努めたことなどにより黒字を維持している。なお,令和2年度の実質収支については,新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の国庫返納予定金等を含んでいることから大きく増加している。引き続き,持続可能な行財政構造を構築するため,行財政改革に取り組んでいく。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)
分析欄いずれの会計も赤字ではない。一般会計については,行財政改革の取組等により,黒字となっている。なお,令和2年度の実質収支については,新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の国庫返納予定金等を含んでいることから大きく増加している。病院事業特別会計については,平成22年度に策定した県立病院事業中期事業計画(平成29年度からは第二次中期事業計画)などに基づく経営改革により黒字となっている。国民健康保険事業特別会計については,新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う受診控え等による保険給付費の減等により大きく黒字となっている。
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実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄実質公債費比率の分子は,平成23年度以降減少傾向にある。これは,満期一括償還の市場公募債に係る積立分への積立額が増加しているものの,過去に発行した県債の償還等により満期一括償還の市場公募債以外の元金償還が減少していることや,最近の低金利を反映して利子の支払が減少していることなどによるものである。
分析欄:減債基金減債基金積立相当額の積立ルールが30年償還で毎年度の積立額を発行額の30分の1として設定し,毎年度,ルールどおりに基金積立を実施しており,積立不足は生じていない。
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将来負担比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄令和2年度の将来負担比率の分子は,令和元年度と比較して減となったところ。これは,地方債の現在高は増加したものの,将来負担額から控除される「地方債の償還額等に充当可能な基金」が増加したこと等によるものである。
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基金残高に係る経年分析(2020年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)その他特定目的基金の残高が前年度から6,489百万円増加したことなどにより基金全体としては6,439百万円の増となった。その他特定目的基金については,行財政運営戦略に基づく歳入確保や徹底した事務の効率化等により生じた財源を用いて積み立てたことにより,安心・安全ふるさと創生基金は3,410百万円の増,国民体育大会・全国障害者スポーツ大会施設整備等基金は2,456百万円の増となった,(今後の方針)財政調整に活用可能な基金は,本県の標準財政規模に対する財政規模に対する基金残高の割合が令和3年度末で5.2%であることなどを総合的に勘案すると,必要な規模は確保していると考えられることから,現在と同程度の250億円を下回らない水準で維持する。また,特定目的基金については,支出が複数年にわたる事業や特定の政策目的のために今後も適切に運用していく必要があると考えている。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)前年度から50百万円減少しているが,これは運用益を積み立てた一方で,新型コロナウィルス感染症に係る緊急対策に充当したため,減となった。(今後の方針)「県政刷新大綱」や「行財政運営戦略」に基づく歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革の取組により,平成23年度以降財源不足が生じていないため,近年,同水準で推移しており,減債基金を含めた財政調整に活用可能な基金は,本県の標準財政規模に対する財政規模に対する基金残高の割合が令和3年度末で5.2%であることなどを総合的に勘案すると,必要な規模は確保していると考えられることから,現在と同程度の250億円を下回らない水準で維持する。
減債基金
減債基金
(増減理由)前年度から1百万円増加しているが,これは運用益によるものである。(今後の方針)行財政運営指針に基づき,財政調整積立基金と合わせて250億円を下回らない水準で維持する。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)①安心・安全ふるさと創生基金子どもから高齢者まですべての県民が生涯にわたって安心して安全に暮らすことができる地域社会の創生に向けた施策を推進すること。②国民体育大会・全国障害者スポーツ大会施設整備等基金令和5年の特別国民体育大会及び特別全国障害者スポーツ大会の施設整備,運営等に資すること。(増減理由)①安心・安全ふるさと創生基金地域子ども・子育て支援事業の財源として876,684千円を充当した一方で,行財政運営戦略に基づく歳入確保や徹底した事務の効率化等により生じた財源4,286,727千円を積み立てたため増となった。②国民体育大会・全国障害者スポーツ大会施設整備等基金令和5年の特別国民体育大会及び特別全国障害者スポーツ大会の施設整備,運営等に要する経費に充当するため,令和2年度において,運用益6,382千円,寄附金30,341千円,一般財源2,419,282千円を積立てたことによる増となった。(今後の方針)①安心・安全ふるさと創生基金今後も主な充当対象である社会保障等に要する経費が増加し続けることを踏まえ,基金の財源確保に努めるとともに,当該事業に積極的に活用していく予定。②国民体育大会・全国障害者スポーツ大会施設整備等基金運用益や県実行委員会の募金収入等を令和5年まで基金を積立て,大会の開催に向けた施設整備,開催準備,競技力向上等の各事業に全額充当予定。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
道路・港湾などを多く所有する本県では,インフラ施設等による減価償却が進んだことに伴い,資産として新たに取得した額よりも減価償却費が大きかった結果,有形固定資産減価償却率が前年度よりも増加(道路(49.2%→50.8%),空港(65.5%→67.8%))し,グループ内平均よりも資産の減価償却が進んでいる状況である。今後とも,公共施設等総合管理計画に基づき,県有施設等の保有総量の縮小や長寿命化の推進に取り組んでいくこととしている。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
国の補正に対応するため,「防災・減災,国土強靱化のための5か年加速化対策」に係る補正予算債を令和3年度から令和2年度に前倒して計上して借り上げたことにより,臨時財政対策債を除く本県独自に発行する県債残高が増加し,将来負担額が増加したこと等から,依然として,標準財政規模に対する将来負担額の規模はグループ内平均を上回っている。さらに,標準財政規模に対する経常一般財源等(地方税,普通交付税等)の規模がグループ内平均を下回っていることから,債務償還比率がグループ内で最も高い状況となっている。今後とも,県債を財源とする普通建設事業費の水準等を適切に管理することにより,将来負担の抑制を図ることとしている。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
令和2年度は,消費税率引き上げ等による標準財政規模の増加や地方債の償還に充当可能な基金の増加等により,将来負担比率は令和元年度から5.6ポイント減少したが,依然としてグループ内平均よりも高い状況となっている。有形固定資産減価償却率については,道路や港湾などインフラ施設等に係る減価償却が進んだことにより,令和元年度から1.5ポイント増加し,こちらもグループ内平均よりも高い状況となっている。今後も,県債を財源とする普通建設事業費の水準等を適切に管理すること等により将来負担の抑制を図りつつ,公共施設等総合管理計画に基づき,県有施設等の保有総量の縮小や長寿命化の推進に取り組んでいくこととしている。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率については,令和2年度は,消費税率引き上げなどによる標準財政規模の増加や地方債の償還に充当可能な基金の増加等により,将来負担比率は令和元年度から5.6ポイント減少している。実質公債費比率については,消費税率引き上げなどによる標準財政規模の増加や最近の低金利を反映した加重平均利率の低下等により,元利償還金が減少したこと等から,単年度の実質公債費比率が低下しているところである。しかし,他団体も地方債残高の抑制に努めており,標準財政規模に対する県債残高がグループ内他団体を引き続き上回っていることから,将来負担比率,実質公債費比率ともに,引き続きグループ内平均を上回る状況が続いている。今後とも,県債を財源とする普通建設事業費の水準等を適切に管理することなどにより,将来の公債費負担の抑制を図ることとしている。
施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)
施設情報の分析欄
・本県では,全ての類型において有形固定資産減価償却率が増加している。これは,資産として新たに取得した額よりも減価償却費が大きかったためである。特に学校施設については,令和元年度以降,建て替え工事の目安となる建築後60年に到達する施設が急激に増加し,他の施設類型よりも早い老朽化が想定されることから,学校施設の老朽化に対応するため,平成28年3月に策定した「鹿児島県立学校の管理計画」に基づき校舎の改修等を実施しており,今後とも適時適切な改築や改修整備を行うとともに,法定点検等により施設の安全確保を図ることとしている。
施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)
施設情報の分析欄
・本県では,ほとんどの類型において有形固定資産減価償却率がグループ内平均を下回っているものの,全ての類型において増加傾向にある。・今後とも,公共施設等総合管理計画等に基づき,県有施設等に対する県民のニーズを的確に捉え,必要な施設の整備,既存施設の機能の集約化などにより,保有総量の適正化を図りながら,施設の有効活用に努めることとしている。
財務書類に関する情報①(2020年度)
1.資産・負債の状況
・一般会計等においては,資産総額は前年度と比べ272億円の減となっており、その主な要因は道路・港湾などのインフラ施設等に係る減価償却が進んだことに伴い,資産として新たに取得した額よりも減価償却費が大きかった結果,有形固定資産が578億円減少したことによるものである。また,投資その他の資産は、地方債の満期一括償還に備えて積み立てている減債基金等を含む基金が増加したことなどにより,77億円増加した。流動資産は現金預金が増加したことなどにより,230億円増加した。・負債は前年度と比べ76億円の増となっており、その主な要因は1年以内償還予定地方債の増加によるものである。・病院事業や工業用水道事業等を加えた全体では,資産が前年度と比べ170億円の減となっており、その主な要因は減価償却費の増加によるものである。負債は78億円の増となっており,その主な要因は1年以内償還予定地方債や未払金の増加によるものである。全体に,地方公社や第三セクター等を加えた連結では,資産が前年度と比べ145億円の増となっており,主な要因は減価償却費の増により有形固定資産が減少した一方で,流動資産である現金預金やその他流動資産が増加したことによるものである。
2.行政コストの状況
・一般会計等においては,純経常行政コストが前年度と比べ736億円の増となっており,その主な要因は,移転費用(補助金等)や物件費の増により,経常費用が722億円増加したことによるものである。・純経常行政コストに臨時損失を加え臨時利益を減じた純行政コストは,経常費用が722億円増加したことや災害復旧事業費等の増により臨時損失が46億円増加したため,786億円の増となっている。・全体では,一般会計等に比べ、使用料及び手数料等の経常収益が1,323億円多い一方,移転費用等の経常費用が1,931億円多い結果,純行政コストが601億円多くなっている。・連結では,一般会計等に比べ、使用料及び手数料等の経常収益が1,475億円多い一方,移転費用等の経常費用が2,110億円多い結果,純行政コストが650億円多くなっている。
3.純資産変動の状況
・一般会計等においては,純行政コスト(7,602億円)が税収等の財源(7,221億円)を上回り、本年度差額は△381億円となり,純資産残高は347億円の減となっている。減少の主な理由は,道路・港湾などのインフラ施設等にかかる減価償却が進んだことに伴う有形固定資産の減少であるが,一方で税収等や国等補助金などの財源が増加したことにより,純資産変動額は前年度492億円の減から本年度347億円の減となり,減少幅は145億円小さくなっている。・全体では,一般会計等に比べ,純行政コストが601億円多い一方,国県等補助金等の財源が703億円多いことにより,本年度差額は△279億円となり,純資産残高は247億円の減となっている。・連結では,一般会計等に比べ,純行政コストが637億円多い一方,国県等補助金等の財源が747億円多いことにより、本年度差額は△271億円となり,純資産残高は247億円の減となっている。
4.資金収支の状況
・一般会計等においては,業務活動収支は+517億円(前年度比+105億円),投資活動収支は△400億円(前年度比△164億円),財務活動収支は+89億円(前年度比+170億円)となった。業務活動収支の改善については,補助金支出等の増により業務支出が793億円増加した一方で,国県等補助金収入等の増により業務収入が913億円増加したためである。これら3つを加えた本年度資金収支は+207億円となり、前年度の+95億円に比べ111億円増加している。結果として本年度末資金残高は532億円となっている。・全体では,一般会計等に比べ、公共施設等整備費支出や基金積立金支出が多いことにより,投資活動収支が30億円少なく、財務活動収支も11億円少ない一方で,国県等補助金収入や使用料及び手数料収入などの業務収入が多いことにより,業務活動収支が115億円多いため、本年度資金収支は281億円の増となっている。・連結では,一般会計等に比べ,投資及び出資金支出や基金積立金支出が多いことにより,投資活動収支が54億円少なく,財務活動収支も17億円少ない一方で,国県等補助金収入や使用料及び手数料収入などの業務収入が多いことにより,業務活動収支が211億円多いため、本年度資金収支は346億円の増となっている
財務書類に関する情報②(2020年度)
1.資産の状況
・道路や港湾などインフラ施設を多く有する当県では,住民一人当たりの資産額や歳入額対資産比率が類似団体平均を上回っており、人口規模、財政規模に対して資産が多い状況となっているが,資産として新たに取得した額よりも減価償却額が大きかった結果、前年度より資産が減少しており,今後もこの傾向は続くと推測される。有形固定資産減価償却率についても、資産の減価償却が進んだことにより,前年度より1.5ポイント上昇しており,類似団体平均(前年度比1.3ポイント)と比べても減価償却がより進行している状況である。今後とも公共施設等総合管理計画に基づき,県有施設等の保有総量の縮小や長寿命化の推進に取り組む。
2.資産と負債の比率
・純資産比率については,道路や港湾などのインフラ施設を多く有しているため,類似団体平均を上回っているが,資産の減価償却が進んだことにより,前年度より低下している状況である。将来世代負担比率については、県債残高が前年度より増加したことや,減価償却の進行による資産の減少により前年度より上昇している状況である。今後とも臨時財政対策債等を除く県債残高の管理に努める。
3.行政コストの状況
住民一人当たりの行政コストについては,類似団体平均をわずかに下回っている状況であるが,前年度と比べると大きく増加している。これは,物件費や補助金等の経常費用の増加や災害復旧事業費などの臨時損失が増加したことに伴い純行政コストが増加したことが要因である。今後とも事務事業の見直しや県有施設等の保有総量の縮小などによりコスト削減に努める。
4.負債の状況
・住民一人当たりの負債額については、類似団体平均を上回っている状況であり,前年度から増加している。これは,1年内償還予定地方債(流動負債)が増加したことにより負債が増加したとともに,人口も減少したことが要因と考えられる。今後とも臨時財政対策債等を除く県債残高の管理に努める。・基礎的財政収支については、国県等補助金収入などの業務収入の増により業務活動収支が改善したことから、前年度より814億円増加しており,類似団体平均も上回っている状況である。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率については、使用料及び手数料の減により経常収益が減少し,移転費用(補助金等)の増により経常費用が増加したことから,前年度より0.5ポイント減少しており,類似団体平均も下回っている状況である。使用料・手数料等の経常収益については,受益者負担の適正化を図る観点から見直しを行うとともに,事務事業の見直しや県有施設等の保有総量の縮小などによりコスト削減に努める。
類似団体【D】
青森県
岩手県
秋田県
山形県
和歌山県
徳島県
佐賀県
長崎県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県