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地方財政計画の歳出特別枠(地域経済基盤強化・雇用等対策費)の減等による基準財政需要額の減に加え、企業収益の増や地方法人特別税の一部復元による法人事業税の増収等により、基準財政収入額が増となったため、前年度より0.01ポイント増の0.38となった。今後も引き続き、大分県行財政改革アクションプラン(平成27~31)に基づき、安定した財政基盤の構築に向け取り組む。
大分県行財政改革アクションプラン(平成27~平成31)に基づき、経常経費の圧縮に努めてきた。平成29年度は、歳入側で県税収入が増加した一方で、地方交付税の減などにより、経常一般財源が減少したものの、歳出側で人件費等の義務的経費が歳入を上回って減少した結果、昨年度よりも0.4ポイント低下し93.9%となった。引き続き、事務事業の徹底した見直しを行い、経常経費の削減に努めていく。
新陳代謝等により職員給は減少しているものの、人口が28年度に比べ7,733人減少したため、人口1人当たり人件費は822円増の121,251円となった。また、人口1人当たり物件費等については、444円増の17,682円となった。このため、人口1人当たり人件費・物件費等決算額は1,266円増の138,933円となった。今後とも、事務事業の見直しや「選択と集中」による定数再配分等を行うとともに、職員定数のゼロベースからの見直しなどによる適切な定数管理により、総人件費の抑制に努めるとともに、予算編成過程はもとより、予算執行段階においても、あらゆる経費について徹底的な見直しを行っていく。
これまでの給与構造改革などの見直しや、平成20年度における職務職責に応じた給与制度とするための級別構成見直しに加え、平成27年度において給与制度の総合的見直しを実施したところであり、ラスパイレス指数は、前年度と同水準となっている。
平成24年に策定した行財政高度化指針(平成24~27)においては具体的な数値目標は設定していないが、職員定数のゼロベースからの見直しなどによる適切な定数管理により定数削減(-23人)を行った。また、平成27年に策定した大分県行財政改革アクションプラン(平成27~31)においても同様の取り組みを行うこととしており、国民文化祭やラグビーワールドカップ等、連続する全国規模イベントの開催に必要となる体制強化について、既存の定数から財源を捻出すること等により、平成28年度及び29年度の間も現行定数を維持(+1人)してきているところである。今後とも行財政を取り巻く環境の変化による新たな行政需要にも対応できるよう、引き続き、総人件費の抑制に努めていく。
実質公債費比率は、低金利により利払いが減少したことや県債の発行抑制に努めたことなどにより、前年度に比べ1.3ポイント改善の10.0%となった。県債発行に際し、資金調達方法の多様化により借入コストや金利変動リスクの低減に努め、将来の公債費を抑制するとともに、臨時財政対策債を除く実質的な県債残高について、発行抑制や繰上償還により、引き続き減少に努める。
一般会計等が将来負担すべき負債等の割合を示す将来負担比率は、県債残高などの将来負担額は減少しているものの、将来に備えた基金の残高が減少したことなどから、前年度に比べ2.7ポイント上昇し、162.0%となった。今後とも大分県行財政改革アクションプランに基づき、全庁を挙げて行財政改革の取組を進め、より持続可能な行財政基盤の確立に努めていく。
これまでの給与構造改革などの見直しや、平成20年度における職務職責に応じた給与制度とするための級別構成見直し、平成27年度における給与制度の総合的見直しによる減に加え、退職手当制度の見直しによる退職手当の減があったため、平成28年度より0.3ポイント減少した。今後とも、行財政を取り巻く環境の変化による新たな行政需要にも対応できるよう、総人件費の抑制に努めていく。
九州北部豪雨及び台風18号による道路維持修繕費の増等により維持補修費が増加したため、515百万円の増となった。これにより0.1ポイント上昇した。類似団体と比べ低い水準であるが、その他経費の大半を占める維持管理費について、今後とも維持管理コストの平準化及び削減に努めていく。
後期高齢者医療等推進事業における被保険者の増加などにより、市町村等への社会保障関係費が増加し、1,510百万円の増となった。これにより0.5ポイント上昇した。社会保障関係費は今後とも増加が見込まれるため、その動向を注視していく。
低金利により利払いが減少するとともに、発行抑制に伴う償還金の減少などにより、2,792百万円の減となったため、平成28年度よりも0.9ポイント減少した。また、臨時財政対策債を除いた県債残高は、16年連続で着実に減少している。今後とも発行抑制や調達方法の多様化などにより、公債費の抑制に努めていく。
全体としては、補助費等の割合が0.5ポイント増加したこと等により、平成28年度と比べて0.5ポイント増加した。後期高齢者医療等推進事業における被保険者の増加などにより、扶助費的支出が増加したことが主な要因である。少子高齢化の進展により社会保障関係費の増加も懸念されることから、社会情勢を踏まえ適切な財政運営を図る。
(増減理由)国施策関連基金である国民健康保険財政安定化基金や地域医療介護総合確保基金の積立額が33億円あった一方、度重なる豪雨災害に対応したことに伴い「財政調整基金」を32億円取り崩したこと、市場公募債償還等により「減債基金」を38億円取り崩したこと等により、基金全体としては64億円の減となった。(今後の方針)財政調整用基金の残高として、平成31年度末時点で標準財政規模の10%程度となる324億円を目標として取り組んでいく
(増減理由)度重なる豪雨災害に対応したことなどによる基金残高の減(今後の方針)減債基金を含む財政調整用基金の残高として、平成31年度末時点で標準財政規模の10%程度となる324億円を目標として取り組んでいく
(増減理由)市場公募債償還による取り崩し額の増による基金残高の減(今後の方針)財政調整基金を含む財政調整用基金の残高として、平成31年度末時点で標準財政規模の10%程度となる324億円を目標として取り組んでいく
(基金の使途)・県有施設等整備基金:県有施設の総合的かつ計画的な管理に関する計画の推進・県立文化・スポーツ施設等整備基金:県立文化施設及びスポーツ施設整備(増減理由)・県有施設等整備基金:動物愛護拠点施設建設事業などの工事本格化による取り崩し額の増による基金残高の減・国民健康保険財政安定化基金:国の補助金を積み立てたことによる基金残高の増(今後の方針)・県有施設等整備基金:大分県公共施設等総合管理指針に基づき、計画的に老朽化対策等に活用予定・国民健康保険広域化等支援基金:国の制度廃止に伴い、平成30年度末に基金廃止予定
平成27年度に公共施設等総合管理指針を策定し、それぞれの公共施設等についても個別施設計画を策定済みである。当該計画に基づいた施設の維持管理を適切に進めており、有形固定資産減価償却率については、上昇傾向にあるものの類似団体平均と比較すると低い水準にある。
将来負担比率及び有形固定資産減価償却率は前年度から増加しているものの、類似団体平均より低くなっている。将来負担比率については、地方債の繰上償還や発行抑制の積極的な実施によって、県債残高などの将来負担額が類似団体より少ないことによるものと考えられる。有形固定資産減価償却率については、公共施設等総合管理指針に基づき、施設総量の縮小や計画的な予防保全による長寿命化を推進してきたことによるものと考えられる。引き続き、公共施設等の適正管理に努めていく。
将来負担比率及び実質公債費比率は、類似団体平均より低くなっている。これは、地方債の繰上償還や発行抑制を積極的に行っているためと考えられる。今後とも大分県行財政改革アクションプランに基づき、全庁を挙げて行財政改革の取組を進め、より持続可能な行財政基盤の確立に努めていく。