経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は高く推移しており、経費回収率も平均値よりは若干上回っているが、平成30年度は修繕費が増加したため、経費回収率が大幅に減少している。汚水処理原価も大幅に増加し、平均値より高くなっているが、修繕費が例年より増加したためである。今後経費削減に努める必要があるが供用開始から14年を経過し耐用年数が15年を迎える機器も多数あり、維持管理費(修繕費)の増加が引き続き見込まれる。事業の維持管理費を使用料で賄えていないため、歳出の削減と歳入の確保、特に収入増加に向けた取り組みが必要になると思われる。施設利用率は、ほぼ平均値と変わらないものの、今後、少子高齢化に伴い汚水処理人口の減少が予測される。水洗化率についても平均を上回ってはいるが、今後人口減少が見込まれるで、水洗化率の促進を進めていく必要がある。
老朽化の状況について
平成17年から供用開始しているが、14年を経過し、既に耐用年数を超えている機械及び来年耐用年数をむかえる機械も多数あり、修繕費の増加が見込まれる。平成29年度に機能診断調査を行い、令和元年度に最適整備構想を実施中であるが、耐用年数を迎える管路施設、中継ポンプ施設、鉄筋コンクリート構造物、機械・電気設備の年度別の交換・修繕費用が提示される予定である。その結果を踏まえ計画的な修繕・改修・を行っていく予定である。適切な維持管理を継続していくために財源の確保が急務である。
全体総括
今後、施設の老朽化による維持管理費の経費の増加が見込まれ、経営的には厳しくなることが予想されるが、現状では使用料収入では維持管理費を賄えていないため、使用料の見直しの検討が必要である。本年度に最適整備構想を実施中であるが、その結果を踏まえ長寿命化の計画を策定し施設の改築・更新を進めていく予定である。経営戦略は、令和元年度に最適整備構想の中で年度別の改築・更新費用を算出し、令和2年度までに策定予定である。