南島原市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

①収益的収支比率については、3年連続して平均値より大きく下回ることになった。原因は平成30年度の企業会計移行に向け経常経費を抑えるために一般会計からの繰入金で起債の任意繰上償還を行ったためである。これにより④企業債残高対給水収益比率も3年連続して改善している。しかし依然として維持管理経費等について給水収益だけでは賄えず、一般会計からの繰入金で賄われているところである。これまで企業会計移行に向け平成29年度までの3カ年間、任意繰上償還を行ったが、平成22年度～平成29年度まで簡易水道統合整備事業の実施による補助対象事業費にかかる地方債借入があり、任意繰上償還は行ったものの企業債残高を増加させる原因となっている。⑤料金回収率については、類似団体の平均値より上回っているものの給水収益だけでは賄えず、不足分について繰出基準以外の収入で賄われている状況である。料金改定は来年度以降、早急に取り組まなければならないと思っている。⑥給水原価については、類似団体よりも低く推移しているものの平成30年度の企業会計移行後は総費用が変化することから上昇することが見込まれる。⑦施設利用率については、簡易水道統合整備事業により施設の集約を行っていることから適正に推移している状況であり、2年連続して改善した。⑧有収率は、平均値を下回る結果となった。類似団体と比較してもここ2年間は大きく下回っている。漏水調査を行うなど有収率の向上に努めているものの決定的な対策にはなっていない状況である。更なる努力が必要であると考えている。

老朽化の状況について

③管路更新率を見てわかるように、3年連続して類似団体の平均値を上回るペースで管路更新を行うことができた。また前年度と比べても大きく上回っている。これまで合併前の老朽施設や配水管、導水管、連絡管などの老朽管が目立ち、簡易水道事業において固定資産の把握もされていない現状から、類似団体と比べて③管路の更新率は低い状況であったが、簡易水道統合整備事業を実施するなどして積極的に管路の更新を行っていることが要因である。平成30年度から企業会計へ移行するが、管路更新ペースは類似団体と比較しても遜色ないペースで計画的に進めていかなければならないと思っている。

全体総括

経営については、引き続き給水収益で維持管理経費等の経常費用を賄えず、一般会計の繰入金等で賄うような構造となっている。平成30年度の企業会計移行後の一般会計からの負担金については、これまでと同様に不足する分を繰り入れていくことは出来なくなることから、施設管理の民間委託などの経常経費節減対策を講じなければならないと思っている。それでもなお不足する場合には、料金改定を行い収支均衡となるように努めなければならないと思っている。管路の更新については、漏水調査をさらに積極的に実施し、並行して老朽管の更新を行っていきたい。またアセットマネジメント（資産管理）の策定の結果から今後の管路更新計画を立て、経営戦略の策定を行いたいと思っている。