経営の健全性・効率性について
経営の健全性・効率性については、全般的には概ね良好な数値を示している。「④企業債残高対給水収益比率」については、類似団体平均、全国平均と比較すると低い値を示している。本市では平成29年度から平成38年度の10年間を計画期間とする水道事業総合基本計画(アクアプラン2017)の中で、「企業債借入残高の縮減」を施策の1つに掲げている。施設・管路の更新とのバランスを考慮しつつ、引き続きこの方向性で取り組むこととしている。「⑦施設利用率」については、類似団体平均、全国平均と比較すると高い値を示しており、施設利用の効率化は図れている。引き続き需給の状況を踏まえ計画的に見直しを進めていく。「⑧有収率」については、全国平均よりはやや高いものの、類似団体平均と比較し低い値に留まっている。その一因としては、経年化管路の増加が挙げられる。引き続き、アセットマネジメント(管路機能評価)手法による計画的な管路更新を進め、指標値の向上に努めていく。
老朽化の状況について
老朽化の状況については、「①有形固定資産減価償却率」は、概ね類似団体平均、全国平均と同程度であるものの、「②管路経年化率」が類似団体平均、全国平均のいずれと比較しても高く経年化が進んでいる。また、「③管路更新率」は、類似団体平均より低くなっている。これらは110年を超える本市水道の歴史の長さや政令指定都市の中では最大の給水区域をカバーする管路布設エリアの広範さ等がその要因として推察される。老朽化した施設・管路の更新及び耐震化は、アクアプラン2017の中でも最重点事業と位置付け、取り組んでいる。引き続き、アセットマネジメント(管路機能評価)手法を用いて計画的な更新を進めるとともに、震災等における被害の軽減化にも努めていく。
全体総括
少子高齢化の進展、節水機器の普及などに伴い、配水量の大幅な増加は望みにくいことから、今後も厳しい事業運営となる状況が想定される。一方で、老朽化した施設や管路の更新需要は高いことから、引き続き行財政改革の実行、アセットマネジメントを活用した施設・管路の整備など効率的な事業運営に努め、水道への安心と信頼を更に高めていく。