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平成29年度以降、税収が安定していたことなどから、基準財政収入額に大きな変動がないため、財政力指数は横ばいとなっていたが、令和3年度は、法人2税の減少見込み等に伴う基準財政収入額の減少により、財政力指数は前年度に比べて0.2ポイント減少した。今後とも弾力的な行財政運営を行うため、引き続き自主財源の確保に努めていく。
平成29年度は、分子については、社会保障関係費などの補助費等の増加により12億円増加する一方、分母の一般財源について県内消費等の堅調な動きに伴う地方消費税の増加、個人の課税所得の増加による個人県民税の増加等により26億円の増加となり、経常収支比率は前年度に比べ0.4ポイント減少した。平成30年度は、分子については、社会保障関係費の増加や退職手当債発行額減少に伴う経常経費充当一般財源の増加等により41億円増加する一方、分母の一般財源について、清算基準の見直しの影響による地方消費税の増加、企業業績が好調であったことによる法人2税の増加等による増が12億円にとどまったため、経常収支比率は1.0ポイント増加した。令和元年度は、分子については、社会保障関係費などの補助費等の増加により13億円増加する一方、分母の一般財源について、河川費等の基準財政需要額の減少に伴う臨時財政対策債を含めた実質的な交付税の減少等により40億円の減少となったため、経常収支比率は前年度に比べ1.7ポイント増加した。令和2年度は、分子については、社会保障関係費などの補助費等の増加により19億円増加する一方、分母の一般財源について、地域社会再生事業費等の新設等による基準財政需要額の増額に伴う臨時財政対策債を含めた実質的な交付税の増加等が7億円の増加にとどまったため、経常収支比率は前年度に比べ0.4ポイント増加した。令和3年度は、社会保障関係費などの補助費等の増加による経常経費充当一般財源等の増加が2億円にとどまる一方、地方交付税(普通交付税)が前年度比で205億円増加したことや県税の増加等により、経常収支比率は8.3ポイント減少した。今後、公債費・社会保障費の増加が予想されるため、引き続き積極的な歳入の確保と経常的な歳出の削減に努めていく。
人件費は減少傾向にある一方、社会保障経費の増加に伴う補助費等の増加や、防災・減災、国土強靱化の推進等に伴う公共事業の増加に伴い発行した県債の償還等による公債費の増加、加えて本県の人口減少に伴い、人口一人あたりの数値は増加傾向が続いている。グループ内では平均値以下の水準となっているが、引き続き、経費の抑制に努めていく。
給与制度の総合的見直しにより、平成27年度以降グループ平均をやや上回るものの、都道府県平均を下回る水準であり、ラスパイレス指数は100以下で推移している。令和2年度は、職員構成の変動により、前年度に比べ0.1低くなっている。給与制度については、従来から必要な見直しを行い、国に準じた制度となっていることから、適正なものと考えているが、今後とも適正な給与制度の運用に努め、国の動向を注視し、必要な改正を行っていく。
フルタイム勤務の再任用職員の増加等により、職員数が引き続き横ばいで推移しているものの、人口が減少していることから、人口10万人当たり職員数が増加している。今後は定年引上げの影響並びに今後想定される人口減少、社会情勢の変化等に伴う行政需要の変化に適切に対応しつつ、引き続き、業務効率化によって更なる効率的な体制づくりを推進することにより適切な定員管理に取り組んでいく。
平成29年度から令和元年度までは、繰上償還による公債費圧縮効果や借入金利の低下により下降傾向となっていたが、令和3年度は、元金償還の増加が借入金利の低下による利払いの減少を上回ったこと等により、前年度に比べ0.1ポイント上昇したものの、グループ内でも低い水準となっている。今後、交付税措置のない地方債の償還が本格化し、公債費は増加していくことから、行政改革推進債等の資金手当債の発行を抑制するなど、公債費負担の軽減に努めていく。
令和元年度以降、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策等に伴う地方債残高の増加等により上昇傾向となっており、令和2年度は、前年度に比べ0.9ポイント上昇した。令和3年度においては普通交付税の交付額及び臨時財政対策債の発行額の増加等により9.9ポイント低下した。今後、予算の収支不足を補うための行政改革推進債等を活用した場合、将来負担が増加するおそれもあるため、事業の効率化・重点化によりこれらの県債発行を抑制するなど行財政改革の推進により健全化を図っていく。
平成30年度は人件費の歳出額は減少しているものの退職手当債発行額減少に伴う経常経費充当一般財源の増加により前年度比で0.7ポイント増加となっているが、以降はほぼ横ばいで推移していたところ、令和3年度においては、退職手当の減少及び職員数の減少に伴い人件費が減少したため、前年度比で4.1ポイント減少した。半島という地理的な条件により職員の分散配置が必要なことなどから、グループ内平均値を上回っている現状にあるため、引き続き人件費の抑制に努めていく。
令和2年度までゆるやかな増加傾向にあった物件費に係る経常収支比率は、令和3年度決算においては前年度比で0.1ポイント減少しているが、全国平均やグループ内平均に比して高い水準にあることから、引き続き効率的な事務執行により物件費の抑制に努めていく。
扶助費に係る経常収支比率は、近年、ほぼ横ばいで推移しており、全国平均と同水準となっている。グループ内平均との比較では0.2ポイント下回っている状況であり、引き続き制度の適正な運用に努めていく。
その他経費の経常収支比率は、平成30年度においては、国民健康事業特別会計の新設に伴う国保財政調整交付金等の繰出金への振替等により、前年度と比べ2.2ポイントの増加となっているが、以降はほぼ横ばいでの推移となっている。
補助費等に係る経常収支比率は、平成30年度においては、国民健康事業特別会計の新設に伴う国保財政調整交付金等の繰出金への振替等により前年度に比べ1.7ポイントの減少となった以降は、社会保障経費の増加に伴い増加傾向となっていた。令和3年度については、社会保障経費の増加に伴う経常的経費充当一般財源も増加している一方、地方消費税の増加や地方交付税の増加等により1.7ポイントの減少となった。
毎年度の臨時財政対策債や公共事業等債等の発行に伴い償還金は増加傾向にあり、令和元年度は公共用地先行取得等事業債に係る元利償還金の増加等により、前年度に比べ0.5ポイントの増加。令和2年度は前年度横ばいとなったが、令和3年度は中小企業特会及び用地特会に係る元利償還金の低下により、前年度に比べ2.1ポイントの低下。繰上償還の実施等、将来の公債費負担軽減に努めてきたことや、出来る限り交付税措置のある地方債に発行を限定し、県債発行の抑制に努めてきたこと等により、グループ内平均値を下回っているが、今後とも県債発行額の抑制等により、公債費負担の軽減に努めていく。
平成29年度は、地方消費税や個人県民税等が増加した一方、社会保障費などの補助費等の増加により経費が増加したため、前年度に比べ0.4ポイントの増加となった。平成30年度は、地方消費税や法人2税等が増加した一方、退職手当債発行額減少に伴う経常経費充当一般財源の増加等により1.3ポイント増加した。令和元年度は、法人2税等が増加した一方、河川費等の基準財政需要額の減少に伴う臨時財政対策債を含めた実質的な交付税の減少等により1.0ポイントの増加となった。令和2年度は、地域社会再生事業費等の新設等による基準財政需要額の増額に伴う臨時財政対策債を含めた実質的な交付税の増加した一方、退職手当債発行額減少に伴う経常経費充当一般財源の増加等により0.2ポイント増加した。令和3年度は、社会保障関係費などの補助費等の増加による経常経費充当一般財源等の増加が2億円にとどまる一方、歳入一般財源等について、県税の増加や地方交付税(普通交付税)が前年度比で205億円増加したこと等により、経常収支比率は6.2ポイント減少した。今後、社会保障費の増加が予想されるため、引き続き積極的な歳入の確保と経常的な歳出の削減に努めていく。
(増減理由)和歌山県土地開発公社に対する債務保証に係る債務の履行に要する経費の財源に充てるための和歌山県土地開発公社債務保証対策基金の新規設置等により、基金残高は前年度に比べ54億円増加し、546億円となった。(今後の方針)財政調整基金・県債管理基金(減債基金)は、毎年度の収支不足の解消のために取崩しを行いつつ、自然災害等不測の事態に備えるため残高を少なくとも150億円維持していく。その他、産業開発基金の企業立地奨励金等への充当や、地域医療介護総合確保基金の医療・介護施設の整備や医療・介護従事者の確保等への充当など、その他特定目的基金を有効に活用していく。
(増減理由)令和3年度は、新規積立てや収支不足に伴う取崩しを行っておらず、前年度と同規模を維持している。(今後の方針)財政調整基金・県債管理基金(減債基金)は、毎年度の収支不足の解消のために取崩しを行いつつ、自然災害等不測の事態に備えるため残高を少なくとも150億円維持していく。
(増減理由)近年、新規積立てや収支不足に伴う取崩しを行っておらず、同規模を維持している。(今後の方針)財政調整基金・県債管理基金(減債基金)は、毎年度の収支不足の解消のために取崩しを行いつつ、自然災害等不測の事態に備えるため残高を少なくとも150億円維持していく。
(基金の使途)・地域振興基金:市町村等と一体となった地域の振興・研究開発推進基金:県内における優れた研究開発を重点的に推進・産業開発基金:企業の導入及び産業の近代化・土地開発公社債務保証対策基金:和歌山県土地開発公社に対する債務保証に係る債務の履行に要する経費の財源に充てるため(増減理由)・地域振興基金:国民文化祭開催及び全国高等学校総合文化祭開催等への充当による減少・研究開発推進基金:先駆的産業技術研究開発支援への充当による減少・産業開発基金:企業立地奨励金等への充当による減少・土地開発公社債務保証対策基金:和歌山県土地開発公社債務保証対策基金の新規設置による増加(今後の方針)・地域振興基金:市町村と共同して行う施設整備等に充当・研究開発推進基金:企業の技術開発のための研究費に係る補助等に充当・産業開発基金:誘致企業への立地奨励金等に充当・土地開発公社債務保証対策基金:和歌山県土地開発公社に対する債務保証に係る債務の履行に要する経費に充当
グループ内平均の将来負担比率は若干の下降傾向、有形固定資産減価償却率は上昇傾向にあり、本県は令和3年度は交付税の再算定等により一時的に将来負担比率は低下したものの、傾向としては将来負担比率及び有形固定資産減価償却率ともに上昇傾向にある。将来負担比率の低下は、普通交付税の交付額及び臨財債の発行額の増加等によるもの。有形固定資産減価償却率については、減価償却累計額の増加により、各施設で上昇している。
実質公債費比率は、近年の県債の発行額の増加に伴う、元金償還額の増加等により0.1ポイント上昇した。将来負担比率は、普通交付税の交付額及び臨財債の発行額の増加等により、9.9ポイント低下した。交付税の再算定等により一時的に数値は低下したものの、今後、算入交付税額の低下及び公債費の上昇に伴い、実質公債費比率及び将来負担比率は悪化していくことが見込まれる。そのため、今後とも各指標の推移に注視しつつ、財政の健全性の確保に努めていく。