収益等の状況について
①(経常収支比率)経常収支比率が60%台で推移している。営業収益が大きく影響しているため、安定した営業収益の確保が必要である。②(他会計補助金比率)類似施設平均値と比較してやや高い水準となっている。公営企業の独立採算性の観点から指定管理料への依存度を低く堅持する必要がある。③(宿泊者一人当たりの他会計補助金額)類似施設平均値と比較してやや高い水準となっている。団体客の集客など、さらなる営業強化が必要である。④(定員稼働率)経年比較において減少傾向にある。食事メニューの見直しによる競合施設との差別化を図るなど、さらなる宿泊需要の掘り起こしが必要である。⑤(売上高人件費比率)類似施設平均値と比較して、やや高い水準である。人員配置の見直しによる人件費の抑制を図る必要がある。⑥(売上高GOP比率)売上高GOP比率がマイナス圏で推移している。営業収益が大きく影響しているため、仕入れ原価の削減などの業務改善のほか、物販強化・営業強化によるさらなる収益改善が必要である。⑦(EBITDA)経年比較において収益性の安定的な成長が見られない。引き続き経営改善に取り組む必要がある。
資産等の状況について
⑧(有形固定資産減価償却率)類似施設平均値と比較してやや数値は低いものの、経年比較においては確実に老朽化が進んでいる。今後は、施設の計画的な更新等の検討が必要である。⑨(施設の資産価値)今後の施設のあり方を検討するうえで参考にしたい。⑪(累積欠損金比率)累積欠損金の解消に向け、さらなる経営改善が必要である。⑫(企業債残高対料金収入比率)企業債の数値計上はない。更新投資などを含め、今後の施設のあり方を検討するうえで参考にしたい。
利用の状況について
⑬(施設と周辺地域の宿泊客数動向)周辺地域の宿泊需要の増加が見られる中で、集客力が鈍化傾向にある。周辺競合施設と相対的な比較をするなど、今後の施設のあり方を検討するうえで参考にしたい。
全体総括
多くの項目で類似施設平均値を下回る数値であるが、平成27年度から国民宿舎赤とんぼ荘及び志んぐ荘は、2荘一体経営による指定管理者制度を導入し、指定管理者による管理運営を行っている。今後においても、民間事業者の持つ能力を最大限活用し、創意工夫を凝らした低廉で良質なサービスを提供することで、収益向上を図り、経営健全化を目指す。