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財政力指数は0.41で類似団体平均程度となった。今後も少子高齢化や人口流出、景気の低迷を勘案すると税収の増加は見込むことができず、数値を改善させるためには歳出削減を図ることが最も重要である。このため「第3次南あわじ市行財政改革大綱」及び「南あわじ市財政計画(以下、財政計画」という。)」に基づき、定員管理・給与等の適正化、補助金の整理統合、内部管理経費の見直し等を引き続き徹底するとともに、合わせて歳入確保のため地方税の徴収強化や使用料・手数料の見直し等についても努めていく。
経常収支比率は90.3%となり、前年度よりも3.9ポイント悪化した。主な原因として、歳入面では臨時財政対策債の発行可能額の減及び発行抑制による減収や地方消費税交付金の減収が影響した。歳出面では淡路広域水道企業団への水道高料金対策補助金が減となったのをはじめ、人件費、物件費等が減となった一方、下水道事業補助金における繰出基準を見直したことにより、基準内繰出の大幅増となり、比率を大きく悪化させることになった。
人件費・物件費等の決算額は前年度よりも減少しており、1人当たりの額も昨年度よりも低い値となった。全国平均や兵庫県平均とは大きな差があるものの、類似団体比較では平均よりもやや良い水準にある。少子高齢化や人口流出もあり、平成28年1月1日からの1年間で住民基本台帳人口が532人減少したことも1人当たりの額が大きくなる要因となっている。人口維持、定住促進事業を進めながら、今後も定員管理や給与の適正化に努め、物件費の抑制も引き続き継続していく。
前年度から0.6ポイント上昇し、類似団体と比較すると0.4ポイント高い数値となっている。給与表及び管理職手当の見直し、55歳昇給抑制等の取り組みを継続し、今後も適正な人事配置と行政効率の高い組織づくりを進めていくことで、一層の給与適正化に努めていく。
「南あわじ市定員適正化計画」に基づき、新規採用者を退職者の1/2以内に抑制してきたことにより、平成17年4月1日現在661人であった職員数は、平成29年4月1日現在で484人となっている。今後は平成28年3月に策定した「定員管理計画」に基づき、業務内容と職員総数、職員の年齢構成等を考えながら、平成32年4月1日時点の職員数483人の目標を達成できるように今後も適正な定員管理に努める。
本年度は14.4%で前年度に比べて1.2ポイント悪化した。主な原因は経常収支比率、将来負担比率と同様に下水道事業への繰出金の考え方変更による。類似団体比較が最も悪い水準にあるため、今後も、財政計画に基づく地方債発行抑制や計画的な繰上償還を実施し、公債費の抑制に努めていく。
将来負担比率は前年度より18.4ポイント悪化した。主な原因は下水道事業への繰出金の考え方の変更によるもので、下水道事業の地方債現在高に占める将来負担額が大幅増となり、比率悪化につながった。類似団体と比較すると、悪い水準で推移している。要因としては、合併前から実施してきた生活基盤整備のために発行した地方債による影響と下水道事業の赤字補てん的な繰出金が多額となっているためである。当面は大幅な改善は見込まれないため、引き続き計画的な繰上償還実施により、更なる改善を目指す。
人件費に係る経常収支比率は類似団体と比較すると最も良い水準となっている。これは給料表・管理職手当等の見直しや、55歳昇給抑制、定員管理の前倒しなどの取り組みを実施してきたことにより、職員数500人の目標を早期に達成できたことが主な要因である。今後も引き続き、事務事業の効率化を図りながら、平成28年3月に策定した「定員管理計画」に基づき、「平成32年4月1日現在483人」を目標に計画的な定員管理を実施していく。
物件費にかかる経常収支比率は前年度から0.6ポイント改善し、類似団体の平均よりもやや良い水準となっている。外部委託の削減や指定管理者制度の活用など、経費削減の取り組みにより物件費を抑制することができた。今後も「財政計画」に基づき一層の経費削減に努めていく。
扶助費にかかる経常収支比率は前年度より0.9ポイント悪化しているものの、類似団体平均水準となっている。しかしながら、金額ベースでは高い水準にあり、高齢化率の上昇や市独自施策(保育料無料化、乳幼児医療への追加助成等)として実施している事業などが主な要因である。平成27年度国勢調査で県内出生率1位になるなど市独自施策の効果は大きく、今後も類似団体平均から大きく逸脱しないよう注意しながら、諸施策を実施していく。
その他の経常収支比率は、類似団体比較でも上位であり、全国平均と比べても良い水準にある。これまで「市財政計画」等に基づき内部管理経費等を抑制できたことによるものである。今後は、公共施設老朽化による建替、修繕費用の増大が見込まれるため、引き続き継続的な経費の抑制を行い、良い水準を維持できるように努める。
補助費等にかかる経常収支比率は前年度から3.2ポイント悪化となり、類似団体と比較しても悪い水準になる。金額的には上水道事業への高料金対策補助金の大幅減などにより、前年度よりも少なくなっているが、下水道事業補助金における繰出基準を見直したことにより、基準内繰出の大幅増となり、比率を大きく悪化させることになった。
公債費に係る経常収支比率は、前年度よりも0.6ポイント改善された。これは計画的に実施してきたこれまでの繰上償還により過去に発行した地方債の元利償還金が減少したことが主な要因となっている。しかしながら、類似団体の中でも悪い水準となっているため、地方債の発行抑制や定期的な繰上償還の実施、償還期間の調整などによって元利償還金額を大きく変動させないよう数値改善に努める。
公債費以外の経常収支比率は、前年度と比べて4.5ポイント悪化しているが、類似団体の平均よりもやや良い水準となっている。また、類似団体の平均以下となったものは補助費等のみであり、その他は平均水準以上は保つことができている。今後もより一層の経費削減に努めていく。
類似団体平均との比較では、将来負担比率及び実質公債費率は高い水準となっており、経年比較による改善幅においても類似団体より悪い結果となっている。定期的な繰上償還の実施と新発債の低利調達により、普通会計での元利償還金が減少し比率改善に繋がっているが、下水道事業などの企業債残高が類似団体と比較しても高水準にあることから、類似団体と差が生じている状況である。平成26年度から平成27年度にかけて改善幅が抑えられた要因は、庁舎整備など大規模な投資的事業が重なったことや、公営企業の新会計基準適用による影響による。今後の比率は大幅に改善される見込みがないため、公共施設等総合管理計画の方針に基づきながら、将来負担額等の抑制を図っていく。
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