経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率、④企業債残高対事業規模比率、⑤経費回収率、⑥汚水処理原価において前年度までの数値と乖離がみられるが、これは平成26年4月より高石市・和泉市・泉大津市の一部事務組合である泉北環境整備施設組合が管理していた区域の移管が行われたことに伴うものである。同組合が要した地方債の元利償還金等は本市下水道事業が同組合に負担金として支出しているもので、決算統計上、地方債元利償還金として取り扱っていない。同組合への負担金を地方債償還金として算定した場合、いずれも前年度と同程度の数値(①収益的収支比率57.43%、④企業債残高対事業規模比率845.42%、⑤経費回収率103.84%、⑥汚水処理原価141.70%)となり、組合から区域の移管を受けた26年度以降も、実質的には経営状況としては前年度以前から大きく変化していない。なお、類似団体平均値と比較すると、④企業債残高対事業規模比率、⑤経費回収率、⑥汚水処理原価は良好であるが、①収益的収支比率が100%を下回っていることから、今後とも経費削減に努め、また適正な下水道使用料徴収に努めることが必要である。また、⑧水洗化率について、24年度以前は類似団体の平均値を下回っていたが、水洗便所改造助成金制度等により水洗化率が上昇し、25年度から類似団体の平均値を上回る結果となっている。今後も引き続き水洗化を推進し、水洗化率の増加を図りたい。なお、⑦施設利用率について、本市では処理施設を保有していないため、当該値はない。
老朽化の状況について
平成26年4月以前より本市が管理している区域については、供用開始が平成2年からであり、管渠更新の必要が無く、管渠の老朽化対策は講じていない。また、組合から移管を受けた区域については、昭和43年より供用を開始しているため、平成26年度は管渠の老朽化状況の把握に努めた。なお、羽衣ポンプ場については、長寿命化計画を策定し、老朽化対策工事を行っている。
全体総括
下水道使用料のみでは下水道事業費を賄うことができない状況となっており、一般会計から基準外の繰入金を得ている。今後、繰入金については基準内に留めるよう、経費の削減や下水道使用料の見直し等により、適正な下水道使用料とするよう努めて参りたい。また今後ポンプ場施設や管路などの下水道施設の老朽化に対応するため長寿命化を進めていく必要があり、公営企業法の適用により、下水道施設の状況を把握し、健全な下水道事業を進めていく必要がある。