経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は過去5年間において100%を維持している。しかし、過去からの累積赤字が非常に大きく、②累積欠損金比率は高い水準にあり、支払能力を示す③流動比率も低水準で、ともに他団体と比べても厳しい数値となっている。また、債務残高を示す④企業債残高事業規模比率は良化傾向にあるものの、依然として高い水準である。⑤経費回収率、⑥汚水処理原価については国から示されている繰入基準等を考慮して算出しており、原価は平均程度となっている。また、これを使用料で回収できている状況にある。⑧水洗化率については着実に上昇しており、他団体との比較でも高水準である。
老朽化の状況について
昭和58年に事業認可され、平成2年から供用開始している。市内の下水道整備は平成10年~15年頃が最も多い。また、全量流域下水道へ接続しており、市単独では処理施設を有していないため、有形固定資産の99%以上は、耐用年数50年の管渠や汚水ますである。下水道整備は近年著しく進んだ事業であるが、短期間で下水道整備をほぼ完了させたため、老朽度合いを示す①有形固定資産減価償却率は他団体と比べて高い水準である。また、管渠の耐用年数は50年であり、令和元年度現在、城陽市内には耐用年数を超過した管渠はないため、②管渠老朽化率、③管渠改善率ともに0%である。
全体総括
当市では、下水道の耐震化、人口減少に伴う使用料収入の減少、経営基盤の強化などに対応するため、令和2年度から令和11年度までの事業計画である下水道事業ビジョンを策定した。今後は下水道事業ビジョンに基づき、重要な幹線などの耐震化や下水道事業の持続可能な財源の確保等に取り組むこととしている。※1.経営の健全性・効率性①②③、2.老朽化の状況①②の各グラフについて、平成28年度から平成30年度は類似団体区分中、法適用(企業会計適用)事業が城陽市のみであるため、平均値が算出されていない。