経営の健全性・効率性について
本事業は、1地区約20世帯のみを対象とした、非常に規模の小さい事業であり、起債残高はなく、利用者増加により水洗化率も100%に達していることから、今後経営改善できる幅は非常に少ないが、一般会計からの繰出基準見直しにより、経営指標⑤⑥は平成29年度から改善されたことから、全体的に類似団体と同等以上の値となっている(⑦については前年度指標が誤って算出されており、正しくは例年どおり)。しかし、本市の公共下水道などと比較すると、④⑤⑥の値は低い状況である。
老朽化の状況について
公営企業会計への移行が令和2年度であるため、現時点において参考となる指標はない。管渠については、総延長が1km未満であり、最古のもので供用開始前の敷設(約20年経過)のものであるが、現時点において修繕や更新の必要性はない。しかし、中継ポンプや送風機など一部の電気・機械設備が耐用年数を超えてなお稼働している状況にあることから、資産の健全度、重要度、維持修繕コスト、更新コストなどを比較検討し、適期の修繕・更新を図る必要がある。
全体総括
本事業は、事業規模が小さく、かつ人口減少傾向にある地区において運営している事業であり、事業単体での経営改善は見込めない。しかしながら、設備等の更新需要への対応が必要となってきていることから、今後は特環を含む公共下水道や農業集落排水事業と一体となって収益確保に取り組むとともに、水道事業との業務一元化やアウトソーシング推進による経費削減への取り組んでいく。