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ここ数年はしおかぜ事業の施策により人口は幾分増加傾向ではあったが、現状では人口が横ばいに推移しているが、高齢化率(平成28年度末47.8%)が1.7%増加していることに加え、景気回復の兆しは見えず、法人村民税は横ばいで推移し、類似団体平均比較で0.09ポイント下回っている。また、村内に大きな企業もなく、村の基幹産業である観光業は平成28年の観光客の入込み数が2万人を割ってしまい、さらに漁獲量が減少するなど、漁業・観光業ともに衰退傾向にあるため、村税の増収を見込める状況にはなく、財政基盤が脆弱な当村においては、自主財源の確保は非常に困難である。よって、限られら財源を確実に確保するために、村税や使用料及び利用料の収納に向け、滞納整理を行うなど歳入確保に努めている。
平成23年度に過疎対策事業債として借入れた地域活力基盤創造事業水産物供給基盤整備事業(高速船建造)の元金償還が平成26年度より開始したこともあって、経常収支比率は右肩上がりで推移していたことが、辺地対策事業債の一部償還が終了したこともあり、平成28年度は前年度より1.5%減少、類似団体平均と比べても0.4ポイント低い状況となった。しかし、経常経費の物件費が昨年度より1.6ポイントアップしており、今後は起債の新規発行抑制に努めると同時に、物件費の削減や事務事業の更なる見直しを進め、行財政改革への取り組みを通じて義務的経費の削減に努める。
ここ5年間においては、一番高い数値となっている。また、類似団体平均と比較してもかなり高くなっている状況にある。これは、人口規模が小さくなるほど、この指数の値が増加することが避けられないためであるが、人件費が高騰している中で、職員数の適正化や給与水準の適正化を図っていくとともに、物件費についても削減するよう努めていく。
過去5年間で比較すると、類似団体平均と比べ、平成28年度が9.8ポイントとその差が一番縮小している。これは、職員数が少なく、人員構成の違いによるものや、経験年数階層10年~15年の職員構成が2人増となることで、寄与率に差が出たものなど、少数職員のため、その影響が大きく反映されてしまう。今後も引き続き給与の適正化に努めていくが、人事評価制度を推進し、職務・職責に応じた給与制度への転換を図って行く。
人口規模が小さい上に、地域にゴミ収集業務や加工センター業務、保育園等の施設を民間委託できる業者がいないため、直営で運営しており、それにより相応の職員数が必要となり、類似団体平均をかなり上回っている。今後も定員適正化計画に基づき職員数の適正化を図っていくが、近年、2~3年で退職していく職員が見受けられ、それにより人材不足が生じ、村民サービスに支障をきたさないよう、また、年齢構成に歪を生じさせないような新規職員の採用を行っていかなければならない。
過去5年間、類似団体平均より下回っているが、平成23年度の高速船建造事業の大型事業の元金償還が平成26年度より始まったことや、今後、住宅建設事業、内浦地区排水処理場整備事業など公共施設等の老朽化に伴った普通建設事業による起債を予定しており、公債費比率は高くなる見込みであるが、村債発行額を公債費元金償還額より小さくするよう抑制し、公債費負担の中長期的な平準化を図っていく。
将来負担比率については、充当可能財源(1,253,795千円)が充当可能基金(784,446千円)等により、将来負担額(963,154千円)を上回る状態にあり、算出されない。今後も5年後10年後を見据えた長期的な行財政計画に基づき、健全な行財政運営に努めていく。
人件費は平成27年度から30ポイントを超えており、今年度は横ばいとなった。その主な要因としては、課等増設に伴う人件費及び職員等の増加や、看護師の専門職を確保するために給料を増額したこと等によるものである。今後も職員の適正配置及び事務配分を検討するとともに、引き続き、定員管理計画を着実に遂行し、人件費の適正水準の確保に努めるが、離島で専門職を確保することが困難なため、保育士の給料等についても見直しを行っていく。
ここ4年間は物件費の経常収支比率が類似団体平均とほぼ同じ程度で推移している。近年、物件費にかかる経常収支比率が上昇傾向にあるのは、業務の委託等により職員人件費等から委託料へのシフトが起きていることが要因のひとつと考えられたが、平成28年度は地方創生加速化交付金事業による物件費用がほぼ前年度増額分となっている。
扶助費は毎年度、増加傾向にある。今年度も前年度に比べ、0.4ポイントの増加となったが、類似団体平均より1.0ポイント下回っている。村では、少子高齢化を食い止めるべく、平成25年度より新たにしおかぜ留学事業を実施し、平成28年度からは男女寮を分けて実施するなど子育て支援施策を充実させるための取組みを行ってきているが、一方で障害者自立支援給付費の伸びが目立っており、社会保障関連経費の増加につながっている。今後、特に村単独の扶助費については、その効果と必要性を検証し、見直しを図っていく必要がある。
今年度は、前年度に比べ2.4ポイント増加したが、依然、類似団体平均よりも低い水準にある。内訳として、特別会計への繰出金が多くを占めており、増加の要因の一つに後期高齢者広域連合への療養給付費負担金が増加したことが挙げられる。今後も高齢者の介護や医療費の増加に注視しつつ、後期高齢者医療特別会計や介護保険特別会計、国民健康保険特別会計等において保険料(税)の適正化により財政基盤の強化を図り、普通会計からの繰出金を縮減していくように努める。
今年度は前年度に比べ、補助費の経常収支比率が4.7ポイント減少し、類似団体平均と比較しても3.8ポイント下回った。この主な要因としては、離島航路運行維持補助金が前年度に比べ、29百万円減少したことによるものである。今後も、各種団体等への単独補助金については、常にその必要性とその効果を検証しながら、見直しを行う方針である。
平成25年度まで類似団体平均を下回る形で推移していたが、平成26年度から上回る結果となっている。この主な原因は、平成23年度の高速船建造事業の大型事業の元金償還が平成26年度より始まったためで平成34年度まで償還が続く。平成28年度は前年度の辺地対策事業債の一部償還金完済で昨年度より0.9ポイント下がったが、今後もなるべく、村にとって有利な普通交付税の基準財政需要額への算入といった地方財政措置がなされる地方債を適切に選択することで、公債費負担が過剰になることのないように努める。
公債費以外に係る経常収支比率は、今年度は前年度に比べ0.6ポイント減少し、また、類似団体平均より3.0ポイント下回った。主に人件費、補助費、物件費が主なものであり、今後も引き続き適正な定員管理による人件費の適正化等により各費目の歳出削減に努める。
・将来負担比率は類似団体と同様に算出されていない。また、実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準にあり、近年では横ばいとなっている。これについては、平成26年度から高速双胴船建造費に係る元金償還が始まるのを見越して地方債の新規発行額を6千万円前後に抑えてきたためである。しかし、ここにきて施設等の老朽化による工事が必要となってきており、今まで以上に起債発行を強いられ、2~3年後には実質公債費比率が上昇し、将来負担比率に影響が出てくることが想定されるため、さらなる公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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