経営の健全性・効率性について
経営の健全性を示す経常収支比率は前年度と比較すると100%を超えてはいるものの、依然として使用料で必要経費を賄う経費回収率は類似団体及び全国平均よりも低い値である。短期的債務に対する支払能力を示す流動比率については、前年度と比較して高い水準であり、類似団体及び全国平均と比べても高い水準となっている。使用料収入に対する企業債残高の割合を示す企業債残高対事業規模比率は類似団体及び全国平均よりも高い水準になっている。要因は普及率の拡大のため、新規の管渠工事を行っていることによるものである。水洗化率については、類似団体及び全国平均よりも低い水準であるが、供用管開始区域を依然として拡大中であり、汚水処理原価についても資本費及び維持管理費を含む汚水処理に係る費用が高いため類似団体及び全国平均よりも高い水準となっている。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率、老朽化普及率、管渠改善率は類似団体と比べて低く、近年布設した管渠工事が多いことが要因と考える。その結果を踏まえて今後も更新計画を作成し、順次更新を行っていく予定である。
全体総括
公営企業に移行してから4年が経過し、未だ下水道事業は整備段階であり、年々向上はさせているものの、普及率や有収率が低く、このため経費回収率は類似団体及び全国平均よりも低い水準である。経営戦略の面では、令和6年度末までに既成市街地、令和4年度末までに新市街地地区の概成を目指している。PDCAサイクルにより3,4年ごとに進捗確認や投資・財政計画の妥当性を評価し、その都度原因調査や対策を図り、令和7年以降から経営の安定が見込まれるよう注視していくところである。